<2022年最新扇風機ベスト3>扇風機専門家がホコリや節電...扇風機にまつわるお悩みをズバリ解決!

公開: 更新: テレ東プラス

いよいよ夏本番。気象庁が5月24日に発表した季節予報によれば、7月~8月の気温は「全国で平年並または高い確率ともに40%」。すでに各地で夏日が報告される中、暑さへの対策が欠かせない状況になっている。

電気料金の値上げや電力供給の懸念から、節電が迫られる今年の夏、大活躍しそうなのが扇風機だ。そこで、扇風機評論家・奈良巧さんが、扇風機に関する読者の質問にズバリ回答! さらに、奈良さんおすすめ「最新扇風機BEST3」を聞いた

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停電や防災に備えて大容量バッテリーの購入が◎

Q:電気代を節約するために、扇風機を活用したいと思っています。今年は電力が足りなくなって停電するかもしれないとの話題もあり、「停電したら、どうしよう...」と不安です。今から備えておいた方がいいものはありますか?

「アウトドアなどでも活躍し、停電や防災の備えにもなる大容量充電バッテリーの購入をおすすめします。例えば67200mAh/240Whの大容量バッテリーが今は2万円前後で買えます。それだけの充電量があれば、仮に扇風機を動かすのに40Wかかるとしても4時間以上、20Wなら9時間以上稼働できる計算です。よほど大規模な停電でない限り、これくらいの時間を凌げれば大丈夫なはず。

ちなみに、東日本大震災のあった2011年にも計画停電があり、消費電力が低いDCモーターのバッテリー内蔵型扇風機が、当時3万円ほどの高価格でも飛ぶように売れました。最近は1万円以内と手頃な価格のACモーター扇風機も、十分な性能を備えている上に消費電力も下がっているので、大容量バッテリー2万円と合わせて3万円くらいを目処に、予算が立てられるといいでしょう。

もちろん、バッテリーがあれば扇風機を動かすだけでなく、停電時のスマートフォンやノートパソコンの充電にも使用できます。電力供給が以前の水準で安定するまで、年単位で時間がかかる可能性もありますから、さまざまな停電・防災対策として大容量バッテリーを導入するのが、不安を解消する一番いい方法だと思いますよ」

Q:節電のためにも、今年の夏は「できるだけ扇風機で乗り切りたい!」と思っています。扇風機で最大限涼しくすごすために、部屋の中で置く位置や運転設定など、工夫すべきポイントを知りたいです。

「扇風機で涼むため、風呂上がりなどは顔や身体を近づけて直接風を浴びる人もいますが、長くそうしていると風疲れを起こしてしまいます。快適に部屋全体を涼しくしたければ、人から離し、できるだけ高い場所に置いて、首振り機能などで部屋全体に気流ができるように使うのが正解。例えるなら『弱火の近火よりも、強火の遠火』の感覚です。

ちなみに、羽根なし扇風機の場合、リング状の空間で風の流れを作っています。壁際に置いて『涼しくならない』となる方がいますが、壁が近くにあることで、空気の流れが上手く作れなくなっています。羽根なし扇風機は、壁から離して置くようにしましょう。

運転設定のアドバイスは、タイマーの活用ですね。暑くて寝付けない、暑さで目が覚めてしまうのを解決するのに、タイマーを使う人は多いと思います。最近の機種では、スイッチを切るタイマーと入れるタイマー、どちらも同時に設定できるものもあります。『できるだけ扇風機だけにしたい』場合、オン・オフ同時に設定できるタイマーがあると、熱帯夜もすごしやすくなるのではないでしょうか」

Q:小さい子どもがいるので、扇風機だとどうしても事故の危険がありそうで躊躇してしまいます。羽根なしのものは安心だけど、高額で手が出せません。手頃な価格で安全な扇風機があれば、教えてください。

「お子さんやペットがいるご家庭で、扇風機の事故を心配されるケースは多いですね。その場合に適しているのは、壁掛けタイプの扇風機です。先ほどお話したように、扇風機はできるだけ高い位置に設置するのがおすすめですし、お子さんの手の届かない高さにあれば、安全対策にもなります。

気軽に持ち運びして、別の部屋でも使いたいということなら、使いたい部屋ごとに取付け金具を設置してください。棚などに取り付ける場合には耐荷重量などに注意が必要ですが、基本的に『壁掛け』は金具に差し込む固定方法なので、金具さえ予め付けておけば移動や設置も難しくありません。購入時に複数の金具がない場合でも、追加で金具だけ購入できますし、メーカーによりますが数百円くらいで買えるものが多いようです。

こうしたお悩みがある場合、設置方法から選択肢を絞り込むと、ご家庭の状況に合った扇風機が選びやすいと思います。当然ですが持ち運んで使う際は、毎回しっかり金具に差し込んだかをチェックするなど、十分に安全を確認して使用してくださいね」

Q:扇風機を使っているうち、羽根にホコリが付くのが気になります。できるだけカバーを外して拭き取るようにしていますが、地味に手間で...。ホコリが付きにくくする工夫があれば、教えてもらいたいです。

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「羽根が回ることで静電気を帯びてホコリを吸着してしまい、それが積もって汚れが目立つ...というのが、お悩みの原因のようです。東芝ライフスタイルの製品には、この静電気によるホコリの付着を軽減し、羽根を手入れする負担を減らす機種もあります。

今お使いの扇風機でホコリを軽減したいのであれば、ホームセンターや大手ECサイトなどで手に入る、電化製品のプラスチック部分に使用する静電気防止スプレーを試してみるのはいかがでしょう。

500円くらいから買えるもので、お手入れをした後、羽根にスプレーすれば、静電気の発生を抑えられてホコリが付きにくくなるはず。完全にホコリを防ぐまでは難しいため、『お手入れの回数を少しでも減らす』くらいのイメージですね」

エアコンとの賢い併用で節電と快適さを両立

Q:エアコンと扇風機を併用していますが、よく考えたら「二重で使っているだけ」になっているような...。お得に賢く使い分けるための「切り替えの基準やタイミング」を教えてください。

「少し極端な言い方をすると、エアコンは温度を下げて『寒くする』もの、扇風機は風で気流を起こして『涼しくする』ものです。この2つを完全に切り替えるよりも、特性を生かして上手に併用すると、高温多湿で過酷な夏の暑さでも快適にすごせ、節電もできます。

数字で比較してみると、エアコンは消費電力が少ない製品もありますが、冷房使用時には概ね最小で100Wから最大で1,000Wほどが一般的で、スイッチを入れた際にかかる電力も大きいです。一方、扇風機は20~40Wほどなので、消費電力だけでなくオン・オフでかかる負荷はありません。

節電や省エネルギーのために推奨される夏のエアコン設定温度は28℃で、普通にエアコンだけですごそうとすると、だいぶ暑いですよね? そこで温度を下げて寒くなり、エアコンを切っても、また暑くなってスイッチを入れる時、冷房の場合にはオフにして使わなかった分を上回る電力を消費してしまうこともあるでしょう。

扇風機を併用してお得に賢く使うコツは、消費電力やオンにした時にかかる電力の大きいエアコンは、暑くても推奨の節電モードな28℃設定でキープ。そこから涼しさをプラスしたい時は、使う電力量が小さい扇風機で...と、役割を分担させる使い方をするのがおすすめ。

先ほども、できるだけ扇風機で部屋全体を涼しくする方法をお話しましたが、エアコン28℃設定でも、上手に扇風機を使って気流を作ることができれば、かなり涼しくなります。『ちょっと寒いかな』と感じたら扇風機をオフにして、また暑くなった場合には、扇風機のスイッチを入れればOK。エアコンで温度調整するのではなく、基本的な消費電力が小さい扇風機なら、気兼ねなくオン・オフしても大丈夫ですし、風で涼しさをコントロールできますよ」

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Q:普通に扇風機を使用していますが、エアコンをメインにしている時、つい「別のことに使えないかな?」と考えてしまいます。涼む以外に、扇風機が力を発揮することはありますか?

「涼む以外では、扇風機と近いサーキュレーターと同じ使い方ができます。サーキュレーターのように部屋の空気を攪拌し、循環させて室内の温度を快適にしたり、部屋干しした洗濯物を早く乾くようにしたりすることは、扇風機でも可能です。むしろ、扇風機の方が適しているかもしれません。

サーキュレーターは小型のものが多いですが、羽根の直径が小さい場合、高速で回転させないと風の力が大きくなりませんし、モーター音が気になります。扇風機選びでは、羽根の直径が30cm以上あるものを推奨しているのですが、同じ回転速度の場合、30cmのものと同じ風量を起こすために、あるメーカーのものの場合には25cmだと3台必要という例もあります。5cmしか違わないのに、3倍の差が出るんです。

『扇風機の代わりに、サーキュレーターを買う』という方もいるかもしれませんが、サイズは大きくなっても直径30cm以上の扇風機を買って、サーキュレーターとしても活用することをおすすめしたいですね。

また、別の使い方ではありませんが、家の中で火を使うキッチンは暑くなりがちですよね。こういう環境も気流で涼しくしやすいですから、料理する時は涼しい部屋からキッチンに向けて扇風機を回すといいですよ」