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今回は、2ちゃんねる創始者の西村博之(ひろゆき)さんと、日本一嫌われている経済学者の竹中平蔵さんの濃厚な対談をお届け。
なんと!この対談は書籍化が決まっており、6月24日(金)に『ひろゆきと考える 竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?』というタイトルで集英社より発売された。危険すぎる2人の対談は約10時間にも及んだ――。今回はその一部を特別公開!
ケンカマッチで芽生えた友情?
ネット上で竹中平蔵批判を繰り返してたひろゆきさんだが、本人と直接対決することになったのは、2021年10月24日配信の『Re:Hack』であった。
番組序盤は想定通り、ひろゆきさんが「パソナ株で儲かってますよね?」とネットの声を代表するように竹中さんを叩きまくるケンカ状態であった。しかし、議論を重ねるうちにひろゆきさんと竹中さんの考えが近いことがわかり、「次回はじっくり2人で対談をしましょう」という展開に。
こうして実現されたのが今回の書籍化であり、10時間に及ぶ濃密な対談企画だった。
ハリーポッター誕生秘話から学ぶ!? ベーシックインカムの必要性
まずは、両者の共通見解となった「ベーシックインカムの重要性」から議論がスタート。
ひろゆきさんは、現状の社会保障を維持したまま、毎年80兆円の予算を費やしてでもベーシックインカム制度を追加で設けるべきだと主張。
その理由の1つ目は、低賃金労働のまん延を抑止するためだという。ベーシックインカムが無いと、生活のために働かないといけない人たちが低賃金で働いてしまう。結果として企業は人間を低コストで使えるため、AI化や自動化を全く行わず、日本のDXは遅延していくという。
2つ目の理由としては、J・Kローリング氏の事例だという。彼女はシングルマザーで貧しかったが生活保護と手当があったため、小説を書く時間を捻出することができた。そのおかげで生まれた『ハリーポッター』は世界中で大ヒットし、億万長者となった彼女は多額の税金を国に納めている。
ひろゆきさんは、低賃金で働くことを無くし、得意なスキルを磨く時間に充てて、J・ローリング氏のような事例を増やすことが日本に必要だと主張した。
政府はいかがわしいもの
一方、竹中さんのベーシックインカムに対する考えは少々違うようだ。基本的な趣旨には合意をしながらも、財源となる80兆円を消費税で賄うとすると35%まで引き上げる必要があり、その点について懸念を示した。
その理由として「重い税金。大きな政府は嫌い。政府というのは凄いいかがわしいものだと思っている」と主張。小泉内閣時代では、小さな政府を目指していたわけではないが、現状よりも大きくしないように努めていたとのこと。
ベーシックインカムの方法については、ばら撒き型ではなく「所得の低い人はマイナス税率にする」ことで、一定のお金が給付される仕組みにするべきだと提案をした。
また、社会保障を残すことには賛成しながらも、膨大になりすぎているため、取捨選択の議論を行い、必要なものだけを残すようにするべきだと、縮小させる方向性を示した。
ベーシックインカムについて、方法論で多少の違いはありつつ、ケンカしていた2人が嘘のように建設的な議論を展開――。