「フォージャー家がこのメンバーでよかった」アニメ「SPY×FAMILY」声優インタビュー

公開: 更新: テレ東プラス

泣いて笑って、わくわくするTVアニメ「SPY×FAMILY」(毎週土曜夜11時00分放送/テレビ東京ほか)。凄腕スパイの〈黄昏〉扮するロイド・フォージャー役・江口拓也さん、超能力者のアーニャ・フォージャー役・種﨑敦美さん、殺し屋のヨル・フォージャー役・早見沙織さんに作品の舞台裏をお聞きするインタビュー。

spyfamily_20220622_01.jpg写真左より、江口拓也、種﨑敦美、早見沙織

1クール目のアフレコを終えた今、改めて見えてくる作品の魅力と、それぞれの好きなシーンをお聞きした【前編】に続く今回は、アフレコ秘話や3人の関係性、そしてフォージャー家の秘密ならぬ、3人の秘密に迫ります。

アフレコ中の3人の様子は?

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――最初は、お互いの利害が一致したことで"家族"となったフォージャー家の3人ですが、次第にそれぞれの胸の内に変化が生まれてきます。演じる上で心掛けていることは何でしょう?

江口「特に3人で話し合いをしたりすることはないのですが、オンエアを見ると、自分ではそんなつもりがなくても、関係性の変化からふと出たニュアンスってあるんだなと気づくんですよ。

MISSION:9でロイドがヨルさんにかけた『演じてばかりでは疲れてしまうこともありますからね』という言葉にはいろんな意味がこもっているのですが、見てくださっているみなさんの『この言葉が優しくて泣きそうになった』などの感想を拝見して、自分が思っていた以上に伝わったんだとわかり嬉しくなりました。でも、それはここにいる3人でアフレコをしながら色づいたもので、この3人だからできたこと。フォージャー家がこのメンバーでよかったなと思います」

種﨑「見てくださった方が『ロイドのココ素敵~!』っておっしゃっているところって、江口さんがスッと反応されているところだと思うんですね。例えば、MISSION:1の『今度の答え、見て覚えるだけだ、簡単』の"かんたん"の言い方とか。MISSION:3でアーニャの言葉の間違いを訂正したり、助けたおばあさんからアメをもらった際に『ちゃんとお礼言え』と優しく教えたり、ロイドが意図せず父としての言葉がスッと出たシーン.........あっ、すみません! 私、江口さんじゃないので想像でしかないのですが、そういうシーンがご好評をいただいているのかなと思っているんです」

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江口「(笑)、"反応"というのはその通りです。MISSION:3でしたら、アーニャの『あめちゃん!』があっての『お礼言え』とか、種﨑さん、早見さんからバトンを渡してもらって出てくるニュアンスがたくさんありますからね」

種﨑「3人でのやりとりの中で無意識に出た言葉の方がみなさんから好評を得ている気がするので、その瞬間の気持ちや感情を大事に、3人で関わりながら作っていった...という感じでしょうか」

早見「アフレコを重ねて、3人で掛け合いをしていくうちに、私たち自身の関係性も育っていった気がします。私自身はロイドさん、アーニャさんの掛け合いを見てはヨルさんと同じように心動かしつつ、自然な気持ちで演じさせていただきました」

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――前編で、種﨑さんはアフレコ中に泣かれたことがあると。早見さんも涙したシーンはありますか?

早見「直近のアフレコで思い出深かったのはMISSION:11で、アーニャさんが『アーニャのちから、ひとのやくにたった...?』と言うところです。台本のト書き(登場人物の動作や行動、心情などを指示した文章)に『怖がられていた力が』と書かれていて。そこに、アーニャさんのすべてが集約されていると思い、グッときてしまいました」

種﨑「私も、演じていてグッときました」

早見「私たちは最近、演者として視聴者として『SPY×FAMILY』の世界を覗き始めたわけですが、3人にはそれまでいろんな過去があって。アーニャさんであれば、今は無邪気で天真爛漫なんだけど、それまでは超能力のせいで周りから怖がられる存在で。でも、ここでその自分が持つ力の可能性を知ることができた。この子はこれからこの力を役立てていくのかな...変わっていけるのかなと想像すると、すごくグッときました」

――シリアスな過去を抱えつつ明るく振る舞うアーニャに心奪われたファンも多いと思いますが、表情豊かなアーニャを演じている時はどんな感じなんですか? 思わずアーニャと同じ表情になってしまう、とか?

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種﨑「顔が変わる...というのはないと思うんですけど、MISSION:6で話題になったダミアンに対して"フッ"という例の顔を演じた時は、きっと半目になっていただろうなと思います(笑)」

江口「(笑)、僕はわりとスッと立ってやる方なんですけど、中には動きを入れながらやられる方もいらっしゃって、ちょっとうらやましくもありますね」

早見「私もスッと。アフレコ時にヨルさんを体現したらとんでもないことになりますから(笑)」

種﨑「お2人ともそれでちゃんとお芝居できる方々なので、動かずしてできるんです」

早見「でも、Blu-ray&DVDに顔出しの特典映像(声優キャストによる朗読劇)が付くのですが、"私ってこんな風にやっているのか"と思うと恥ずかしくなりましたね。ただ、ものすごく笑顔で。自分が思っている以上に満面の笑みだったので、それはそれでいいかな、と」

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――最後に、実はスパイ、実は超能力者、実は殺し屋と秘密を抱えるロイド、アーニャ、ヨルに掛けまして、みなさんの小さな秘密を教えてください。

江口「物を捨てられない人間で。最近、片付けをしたのですが、十数年間、開封していない段ボール箱が出てきたんですよ」

種﨑「えーっ!」

早見「引っ越ししたときから残っている荷物ですか?」

江口「それこそ上京した17年前くらいから残っていた箱ですね(笑)。で、"よし、今回は捨てよう!"と思い、頑張ったんですが...さすがに前過ぎて反省しました」

早見「私は、幼稚園の頃、母から『これ絶対に誰にも言っちゃダメよ』と念を押されて、重大な秘密を打ち明けられたんです。『あなたは関東と関西のハーフなのよ』って」

江口「...どういうことですか?(笑)」

早見「母はいたずら好きで(笑)。母が関西の出身、父は関東の出身なのでそう言われたんですが、小さかったので意味もわからず。"これは誰にも言っちゃいけないんだ"と思っていて。でも、意を決して友達に『私、関西人とのハーフなんだ...』と告白したという思い出があります(笑)。他にも、母のいたずらには『私はいつか星に帰らなきゃいけないの』と言われた宇宙人バージョンもありましたね」

種﨑「(笑)、私は、NHKの"朝ドラ"(『連続テレビ小説』)を毎クール見ていて、全国のいろんな地域が舞台になるので、その時々のヒロインの方言を覚えようとしがちです」

早見「今なら沖縄の方言とか?」

種﨑「次の作品になると、すぐに忘れるんですけど。今は、事あるごとに『あきさみよ~』(驚いたときに使う沖縄の言葉)と言っています。ちなみに、声優のお仕事には役に立っていません(笑)」

――さて1クール目の最終回も間近になりました。3ヵ月応援してくれたファンのみなさんに、代表して江口さんからひと言お願いします。

江口「今日も含めて"こんなに毎週!?"と驚くくらい方々で取材していだだきましたし、自分たちが想像していた以上に反響が大きく、『SPY×FAMILY』チーム全員がひしひしとその期待を感じてきた3ヵ月間でした。そんな見えない力を、いい意味で生かしてやっていこう、より多くの人にこの作品の魅力を知っていだたこうと思い作ってきました。最後まで応援よろしくお願いします!」

TVアニメ「SPY×FAMILY」MISSION:12は、6月25日(土)夜11時00分放送!


「SPY×FAMILY」見逃した過去分もParaviで見放題配信中!

【プロフィール】
江口拓也(えぐち・たくや)
5月22日生まれ。茨城県出身(東京都生まれ)。「SPY×FAMILY」〈黄昏〉ロイド・フォージャー役をはじめ、「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の比企谷八幡役など、人気作品のキャラクターを数多く演じる。

種﨑敦美(たねざき・あつみ)
9月27日生まれ。大分県出身。「SPY×FAMILY」のアーニャ・フォージャー役をはじめ、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のダイ役など、人気作品のキャラクターを多く演じる。

早見沙織(はやみ・さおり)
5月29日生まれ。東京都出身。「SPY×FAMILY」のヨル・フォージャー役をはじめ、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」のレオナ役など、人気作品のキャラクターを数多く演じる。

(取材・文/橋本達典)