偏差値40から早大へ!「苦労しました。9浪だけに」...仮面浪人をしてでも入学したかった理由:家、ついて行ってイイですか?(明け方)

公開: 更新: テレ東プラス

6月20日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、早稲田大学を卒業したばかりのはまいさん(31歳)のお家について行きました。

早稲田大学の卒業式があった2022年3月25日。自分の学部は明日卒業式だけど、友人が今日卒業式なので写真を撮りに来たという男性に声をかけます。

大学生活の思い出を聞くと「年齢が9歳も離れている人を受け入れてくれた。今は感謝でいっぱい」という男性の年齢は兵庫県出身の31歳。年齢を聞いて驚くスタッフに「9浪して大学に入っているので」と教えてくれました。この日は予定があるので「明日なら」ということで、翌日、男性の卒業式後に合流することに。

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はまいさんのお家に向かいます。3帖一間で家賃は2万4000円。玄関、トイレ、お風呂(別料金)が共用になっています。なかでもはまいさんのお部屋は特別家賃が安く、その理由は「物音がすごく聞こえるから。3帖だけに"惨状"が広がっております」と、おやじギャグを決めてくれました。

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靴は下駄箱の収納サイズに合わせて3足のみ。「おしゃれとか考えなければ足りる」。部屋では、まめにペットボトルで筋トレ。体を鍛えようとしたきっかけは「モテたかった」とにっこり。でも...「彼女いない歴=年齢」で、恋愛については現在も勉強中だそうです♪

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在学中は年額40万円の奨学金と塾講師などのバイトで、生活費を捻出していたといいます。奨学金をもらう条件は「成績がある程度優秀なことと、親の所得が800万円未満であること」。しかし...「私の家の所得は185万円だった」。

10歳の時、父親が脳出血で倒れ、17年間の闘病生活のすえに他界。長男のはまいさんや弟、妹のために母親が1人で家計を支えてきたのだとか。母親のためにも高校卒業後は就職しようと思っていたそうですが、あることを機に「大学に進学したい」と思い始めたといいます。

高校時代にいじめを経験し、「この環境から抜け出したい。とにかく大学に行けば彼らよりはいい仕事に就けるとか、稼げるとか思って」、いったんは推薦で地元の大学に入学。しかし、そこで「大学生活に絶望」...。京大など一流大学の学生たちと交流する中で、彼らが受験のためにどれだけ努力したかを知ったといいます。「会話の輪の中にも入れない。自分と学力のレベルが全然違う」と、当時偏差値40台だったという高校を出たはまいさんは、レベルの高い学生たちとの差に絶望したといいます。

「自分に足りないのが、学力とか努力した経験だと思った。それが無いと自信のある人間になれないんじゃないかと思って。何年経っても、自分が納得できる大学に入ろう、と考えるようになった」。

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一念発起し、仮面浪人をしながら地元の大学を卒業。その後、就職して2年半「就職仮面浪人」として、働きながら勉強をする日々が続きました。「世間から見たら常軌を逸しているし、親不孝だしどうしようもないですけど、自分のやりたい事をどんな手を使ってもさせてもらおうと思っていた」。

予備校の学費約100万円、受験費用約50万円、さらに入学金や授業料など合わせて300万円を貯めたところで、退職。そこから2年4カ月は勉強漬けの日々を送ったといいます。予備校時代は朝6時から予備校に通い、1日15時間、猛勉強。努力が実を結び、晴れて早稲田大学に合格!

合格の電話を受けた時の感想は「やりきったかな」。「今でも人に誇れる、生涯でも一番になるであろう成功体験」と誇らしげに語ってくれました。母校から早稲田大学に進学した学生は歴代1人もいなかったそうで、はまいさんが初の快挙を成し遂げたことになります。

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苦学のすえに手に入れた楽しい大学生活の中で、一番良かったことは人との出会い。「常識的に考えて無理じゃないって言われそうなことでも、『面白いからやればいいじゃん!』って背中を押してくれる人がすごく多くて。誰でも受け入れてくれる、褒めてくれる環境があった。想像よりも自信がつきました」。

「高校時代にいじめていた人たちは、これで負けを認めてくれるんですか?」という質問に、「それは、今でもよく聞かれること。『あなたをいじめた人は、結婚もしているし子どももいるし、いじめたことなんて忘れているんじゃないの?』って。努力の総量で彼らには勝っているから、もう、どうでもいいなって感じです」と、負け惜しみではなく、自ら納得のいく努力をしたからこその自信に満ちた答えが返ってきました。

「最先端の教育を実践している会社」に就職が決まっているという、はまいさん。最後に、9年間の浪人生活を経験したからこそ「教育関係の本を書いたり、いろんな生徒の背中を押したり、勇気を与えるような仕事をしていきたい」と、抱負を語ってくれました。はまいさんの努力する姿に勇気をもらいました。ご卒業おめでとうございました!