「ロス疑惑」で逆転無罪を勝ち取った弁護士が明かす、なぜ「痴漢冤罪」が発生するのか!?:じっくり聞いタロウ

公開: 更新: テレ東プラス

売れっ子から懐かしのスターまで、芸能人が驚きの近況を報告する番組「じっくり聞いタロウ~スター近況(秘)報告」(毎週木曜深夜0時放送)。6月16日(木)の放送は、"無罪請負人"が、「ロス疑惑」の裏側と、「痴漢冤罪」が発生するカラクリを暴露!

「ロス疑惑」逆転無罪の裏側

「ロス疑惑」など数々の事件で無罪を勝ち取ってきた"無罪請負人"こと弁護士の弘中惇一郞さん。「ロス疑惑」とは、1980年代にロサンゼルスで起きた傷害・銃撃事件が三浦和義さんの保険金目的による犯行ではないかと疑惑をかけられ、一大センセーションとなった騒動のこと。

1981年8月、三浦さんの妻がホテルで女に殴打される事件が発生。その3ヵ月にロス市内で三浦さん夫婦が何者かに銃撃され、頭部を撃たれた妻は重体、三浦さんは足を撃たれる重傷を負った。妻の意識は戻ることなく翌年に他界したが、妻に寄り添う姿は美談として報じられた。

ところが、1984年に「週刊文春」が保険金殺人を疑う記事を実名で掲載。それに追従する形でテレビ、新聞、週刊誌などの報道合戦が激化し、三浦さんは一転して"疑惑の夫"として連日追いかけ回されるように。

1985年、警視庁は殴打事件での殺人未遂容疑で三浦さんを逮捕。1987年の一審で懲役6年の有罪判決を言い渡されて、三浦さんは控訴する。

そんな中、弘中先生の事務所に三浦さんの父親が家にまで押しかけてくる報道被害の相談へ。対応している間に三浦さんと会うことになり弁護を請け負うことになる。

1988年、三浦さんは保険金目的の殺人容疑で逮捕され、銃撃の実行犯として三浦さんの会社の関係者でロスに在住していた男性も逮捕された。検察は2人が共謀して銃撃事件を起こしたと主張。弘中先生は男性の容疑が晴れれば三浦さんの無罪も勝ち取れると確信していたそう。

しかし、男性は無罪になるが、三浦さんは"氏名不詳の第三者と共謀した"として無期懲役が言い渡される。4人の目撃者が強盗の姿を見ていないから「強盗に襲われた」という証言は嘘だと認定されたのだ。弁護団は控訴し、検察側も"氏名不詳の第三者"の認定に納得できず控訴するという異例の事態となった。そして弁護団は現地調査のためロスへ。いろいろと調べていくなかで2つの疑問が浮上してくる。

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一つ目は「時間」。検察の証拠から計算すると、三浦さん夫妻が現地に到着してから銃撃されるまでの時間は20分以上、弁護団の検証では犯人が現場にいたのは10数秒~20数秒以内という結果が。20分の間に10数秒の銃撃を4人同時に目撃した話に疑問が生じてくる。

二つ目は「目撃者」。弘中先生が4人の目撃者に再確認すると「仕事の合間に目を向けただけで現場を見続けていたわけではない」と証言したことから目撃者が2人組の強盗を見ていなくても三浦さんが虚偽の証言をしていたという裏付けにならないと主張。結果、控訴審で弁護団の言い分が通り無罪判決が下り、2003年に最高裁の判決でも無罪が確定した。

「痴漢冤罪」のカラクリ

ちなみに、冤罪と言えば「痴漢冤罪」があるが、やってもいないのに痴漢と疑われてしまうと不利な立場に追い込まれてしまうのはなぜなのか?