――ロケを振り返って、いかがでしたか？

「実は、このロケの前日に、大河ドラマの撮影に向けて乗馬の練習をしていたんです。それで、お尻の皮が剥けちゃって…（笑）。ロケ中は、お尻がずっとヒリヒリしていたんですけど、温泉に入るうちにだんだん治っていくのを感じました。いろんな温泉に入って『ここの温泉はめちゃくちゃ熱いけど、入ったら気持ちいい』とか『こっちの温泉は温度が低いけど、とろみがある』とか、徐々に泉質の違いが分かるようになった気がして…。
ロケの後、映画の撮影で和歌山に行った時、ホテルに温泉があったんですよ。その温泉でも『なるほど、こういう感じね～』なんて、すっかり分かっているつもりになっちゃって（笑）。“温泉にハマるってこういうことなのかな”と、入浴旅を経験して、その醍醐味を知ることができました」

――ニューヨークさんの印象は？

「コントや漫才を拝見していても思いますが、“面白い上にものすごくクレバーな方たち”という印象です。共演は2度目となりますが、ほぼ初めましての距離感でいきなり裸のお付き合いですから、個人的に変な緊張感がありましたね（笑）。でも今回は、1泊2日でガッツリご一緒させていただいたので、すぐにその距離が縮まったように思います。ロケはものすごく楽しかったです」

――大変なガチンコ旅だったと伺っております。

「そうですね、過酷でした（笑）。射的で進むマスが決まるというルールが、予想以上にスリリングで。“ここでこのマスを出さないとまずい”とか、“何時までにここに行くためには、このマスを出してここで温泉に入って…”とか、温泉の詳しい立地は知らされていないので、まず聞き込みをして交通手段とか歩く距離とか、いろいろ計算した上で狙った的を確実に落とさなければならない。しかも、それが軍資金になるというものすごくシビアな旅でしたから。
以前、出演させていただいた『タクシー旅』は宿代と食事代が別だったので、その点はもう少し気持ち的に楽だったかなと（笑）」

――「千原ジュニアのタクシー乗り継ぎ旅」ですね。

「そうです。あの時は結果的にゴールできたので、本当に良い思い出しかありません。ジュニアさんの盤石な判断力もありましたし、ある意味安心感がありました。でも今回は、この企画自体が初の試みで、ニューヨークのお2人もテレ東さんでは初めての旅ロケ。僕も旅慣れしている方ではないので、スタッフさん含めて全員手探りの中、よく形になったと思います。それにしても、テレ東さんの旅ロケは……本当にガチなんですよね（笑）」

――たしかに、皆さんそうおっしゃいます。

「まず温泉すごろくの難易度が秀逸といいますか、これを作ったスタッフさんたちの尽力というか用意周到さには心底感服しました。今回も何度か奇跡が起きましたけど、起きなかったらどうするつもりだったんですかね（笑）。結果はさておき、お世話になった各温泉施設をはじめ、本当に地元の方々にすごく助けていただいて…良い思い出になりました」

――ガチの旅ロケで、また違った小手さんの魅力を楽しめるのも、視聴者にとってはうれしい限りです。

「そう言っていただけると…。ただ、役柄としてはコメディーリリーフ的なところを任されますが、僕自身はそこまで面白い人間ではないので、素でロケをしていると、“これでいいのかな？”とどうにも気になってしまうんですよ（笑）。そんな私でよろしければ…いつでもお声がけお待ちしています！」

土曜夜6時30分からは、土曜スペシャル「ニューヨークの入浴旅」を放送！ 小手伸也さんは、毎週火曜深夜0時30分放送！ ドラマ「何かおかしい」第5話、第6話にも出演します。どうぞお楽しみに！

（取材・文／伊沢晶子）