6年後、”お茶バカYOU”が激変!?世界も注目する激レア茶とは?主催する秘密サロンに潜入:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回は「ニッポン!茶!茶茶!ノスタルジックな夢に大江戸タイムスリップSP」。古き良き日本にノスタルジックな思いを抱くYOUが続々登場する95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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過去にインタビューした面白YOUの、激変した現在に密着する「激変YOU」。

【放送日:2016年5月16日】
成田国際空港で声をかけたのは、2012年頃にスウェーデンから来たブレケルさん(当時30歳)。静岡県の研究機関で煎茶を学ぶ、自称"お茶バカYOU"だ。煎茶といえば、茶葉を蒸して乾燥させて作る日本人に最も馴染みの緑茶だが、この作られ方・産地・品種・いれ方など全般を勉強しているという。

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【2022年現在】
今回、そんなブレケルさんを6年ぶりに追跡密着することになった。待ち合わせ場所に現れたブレケルさんは、6年前と同じく爽やかイケメンのまま。ところが本人は、「でも実はね、だいぶ変わりましたよ!」と言う。いったいどこが変わったの?

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【2016年当時】
時は再び過去の密着へ。空港での取材後、ブレケルさんの自宅(ワンルーム/家賃:2万7,000円)にお邪魔すると、整然と並べられた茶器や、全国300種類以上の日本茶コレクションを披露してくれた。

かつてブレケルさんが日本茶を知ったのは高校3年の時。初めての煎茶は、安かったためか苦くて美味しくなかったと振り返る。紅茶好きだったお母さんの影響に加え、世界史の授業で「侘び寂び」の世界に惹かれ、もっと深くお茶を知ろうと2013年に日本(静岡)に移住したのだった。

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翌日の8時45分、自転車で向かったのは「茶業研究センター」。こちらは1908年に発足された県営の研究機関だが、店頭で手に入らない品種も扱うので、「お茶のオタクとしては最適なところ」と満足げだ。ただし研修生には給料が出ないので、貯金を切り崩して質素に暮らすブレケルさんの夢は、母国に日本茶を広め、日本茶ショップを開くことだ!

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【2022年現在】
■激変ポイント①
現在36歳になったブレケルさんの自宅は、東京都内。2018年に静岡から上京し、憧れの和室も! ...が、家賃支出は6年前の約10倍(3LDK/家賃:25万円)にも高騰していた。

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■激変ポイント②
なぜこんなに暮らしが激変したのか。理由の1つは、本の出版。2017年から日本茶の本を6冊出版し、売り上げは延べ3万部! うち1冊はアメリカの出版社から出した入門書で、10年以上夢に描いた海外に向けての日本茶発信が叶った、というからスゴい! さらに、日本茶セミナーも15ヵ国で50回以上も開催しており、伝道師としてファン拡大に一役買っているのだ。

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■激変ポイント③
続いて「ちょっと仕事が...」と、イタリアの取引先とリモート会議を始めたブレケルさん。実は2018年、オリジナル煎茶のブランド『SENCHAISM』まで立ち上げたそうで、これから商談だそう。「私が良いなと思ったお茶、例えば個性が楽しめるお茶を商品にして、通販サイトで販売しています」。取引先のサルバトーレさんからも、「イタリア人は高品質のお茶を求めるようになって、君のお茶は非常に注目されている」と期待値が高~い。

それにしても、世界が注目するのはお茶とはいったい?

数日後、静岡県の険しい山道を抜けて到着したのは、美しい緑に染まる「松川茶園」。2017年から毎年春に訪問し、商品化する新茶の出来を確かめている。もちろん今年も良い手ごたえを感じ、ワクワクのようだ。こちらのお茶は、独特な味と香りの「近藤早生(わせ)」という品種で、「ここだけで摘み取ったお茶の葉を他と一切混ぜないで、単一品種・単一農園、シングルオリジンとして商品にしたのがポイントです」と言う。

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一般的な煎茶は、さまざまな品種の茶葉を混ぜたブレンド茶で、大量生産が可能。反対にシングルオリジンは、個性を100%届けるため、1カ所の茶園で採れる1品種のみで販売する。「近藤早生」は、約2ヘクタールの松川茶園でわずか約200㎏しか作られない激レア茶。標高600mgの急傾斜地で育った新芽は寒暖差で香り成分も豊富に成長。6年ほど前、ブレケルさんはこのお茶に出会ってひと目惚れしたのだ。園主の松川さんは、「シングルオリジンで売ってくれるというのは、本当にうちのお茶の価値を高めてくれて、僕らは心強い」と、ブレケルさんへの信頼は厚い。

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その「近藤早生」を使った商品が、『THE FIRST』。他にも京都府や滋賀県など、日本各地の茶園を巡って集めた商品ラインナップは12種類だ。ここまでシングルオリジンにこだわる理由は、何より日本茶の価値を高めたいから。「私にとって煎茶は世界で一番美味しい嗜好品。日本茶の魅力を再発見するキッカケになるのではと思います」と、お茶愛しかない。

続いて、和装でキメて向かったのは、日本橋の「IPPUKU&MATCHA」。店のプライベートな茶室で、主催のお茶会を開くためだ。お茶の良さ・個性を最大限に楽しんでもらうための会だが、出席者の貴婦人によれば、「先生を独り占め」という愉しみもあるらしい(笑)。

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ワイングラスにまず注がれたのは、静岡・俵蜂産のお茶で、桜餅の香りが特徴の高級茶「SAKURA SPRING」だ。お茶は飲んだ後に鼻に上がってくる"戻り香"が強いので、先に香りを楽しむより、後味がオススメだと解説する。

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続いてのテイスティングは、「山峡(やまかい)」という超高級品種を使った旨味成分たっぷりの「SUMMER BREEZE」。冷水に成分が溶け出しやすいので、なんと氷水で風味を最大限に引き出す。併せて旨味をまろやかに整えるため、湯煎した器に注がれた茶を飲んだ出席者からは...、「もうこれじゃないとイヤ」と歓喜の声が! ここでブレケルさんは、「私もいつも楽しみにしてる。必ず皆さんの表情が変わります」と至福の表情に。

最後に「ティーブランドもできて、海外への出版・販売もできた。ただしこれが出発点。これから本格的に『SENCHAISM』の世界的ネットワークを作りたい!」と夢を聞いたところで密着は終了!

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...と思ったら、なんとスタジオにご本人が登場! 前出の「THE FIRST」を急須でいれた瞬間、バナナマンも「むちゃくちゃいい香り」と驚く。口にすると、「お出汁じゃないけど、ちょっと味がある」「知ってるお茶のあの味じゃない」と大絶賛。ブレケルさん、絶品茶をごちそうさまでした!