怪我でプロサッカー選手の夢を断念...配管工事をしながらプロリーグへ昇格を目指す：CHOTeN

全タイトル合わせ賞金総額約3億円、2021年に発足された国内最大級のeスポーツブランド「X-MOMENT」の試合の勝敗を予想する「X-MOMENT Presents CHOTeN～今週、誰を予想する？～」。

4月30日（土）の放送では、「PUBG MOBILE」（※注1）プロリーグ「PUBG MOBILE JAPAN LEAGUE（PMJL）」への参入権をかけた、オープントーナメントに出場する2チームをピックアップ。注目選手を紹介し、勝敗を予想した。

プロサッカー選手の夢を断念し転身

新進気鋭のeスポーツ軍団「Ak」。今回参加するオープントーナメントでは、プロ・アマ問わず数百チーム以上が参加し、4チームがプロリーグに昇格できる。昇格に向け、新メンバーとして今年加入したのがAsi（19）だ。

実力を買われ、最年少ながらチームの司令塔を任されているAsiだが、ここまでの道のりは決して順調ではなかったという。ストイックに夢を追うAsiの生活に密着した。

Asiは、札幌で家族と暮らしている。自室でプレイする時は、端末を冷却する扇風機をスタンバイ。端末が高温になるとプレイに支障が出ることもあるので、扇風機が必須だ。

チームでのポジションは司令塔。どんな時も焦らずに状況を判断し、チームメイトに伝わりやすいよう、落ち着いて話すことを心がけている。

チームメイトによると、Asiは加入前に助っ人としてプレイした時、1人で何人も敵をなぎ倒したという。Asi自身も「中距離が一番得意」と語る通り、冷静な指示だけでなく、撃ち合いにも強い。その実力は、プロをも凌ぐレベルだ。

「Ak」は、個人の攻撃能力は「PUBG MOBILE」界でもトップクラスの実力を誇る。しかし、昨年は司令塔が不在だったことでチームの連携がうまく機能せず、昇格は叶わなかった。今年はAsiが加入し、連携力がアップ。チームプレイに磨きをかけている。

昇格へ向けて期待がかかるAsiだが、意外にも1日の練習時間は6時間ほど。多くのeスポーツ選手が毎日10時間以上プレイしている中、練習時間は少ない。

実は、Asiはeスポーツ選手として「Ak」に所属しながら、正社員として配管工事の仕事をしている。朝5時に起きて移動し、8時から午後5時までは仕事。帰宅後、練習ができるのは夜8時半ごろからで、終了するのは深夜2時半。1日の平均睡眠時間は2時間半しかない。

休みの日は、普段の睡眠不足を取り戻すかのように、寝ていることが多いという。職場と自宅を往復する他は、練習の合間にコンビニに行く程度。時には夕食をとる時間もなくなるほどの過酷な生活を送っている。こうした生活を、両親はどう思っているのか？

父は、「やりたいことはやってもいいと思う」と理解を示し、収入が安定すればeスポーツ一本でもいいと考えていた。一方、安定を求める母は、将来が心配な様子。両親を安心させるためにも、給与保証のあるプロリーグへ昇格したいところだ。

そもそも、Asiはなぜeスポーツの道を志したのか。小学生からサッカーを始めたAsiは、高校生になると強豪校でフォワードを務めるまでに。しかし、高校1年の冬に怪我をして、プロサッカー選手の夢を断念。サッカーを辞め、退屈な日々を過ごしていた時に、たまたま目に入ったのが「PUBG MOBILE」のプロリーグで戦うMorizou選手の姿だった。

チームのために本気で戦うMorizouの姿を見て、熱い気持ちでサッカーをしていた自分がフラッシュバックしたAsiは、「この人みたいになりたい」と「PUBG MOBILE」でプロを目指す決意をしたのである。

憧れのMorizouと同じ舞台に立つには、プロリーグへの昇格が絶対条件となる。チームに信頼を寄せ、「圧倒的な成績でPMJLにいきたいです」と自信を見せるAsi。昇格はもちろん、Morizouのようなトッププレイヤーを目指す！

解散状態のチームに現れた救世主

また、シード権を持つ昇格の大本命「PHALANX」からは、新加入のAdvance（20）に密着した。昨年、昇格が確実視されていた「PHALANX」だが、あと一歩及ばず。エース選手たちがチームを去り、解散状態に。そこに現れた救世主がAdvanceだ。司令塔を務めるAdvanceは、今年2月から始まった共同生活でも率先して家事を行い、チームを引っ張っている。しかし、当初チームメイトとの仲は、良くはなかったという。加入からわずか数ヶ月、どのようにして皆と信頼関係を築いたのか？昇格を目指し、仲間と奮闘する男の物語を。