久保田紗友「想像しても考えられないことが多すぎて...」竹財輝之助、丸山智己との撮影秘話も:寂しい丘で狩りをする

公開: 更新: テレ東プラス

テレビ東京×動画配信サービス「Paravi」では、"女の復讐シリーズ"と銘打ち、珠玉のサスペンス2作品をドラマ化。その第1弾となるドラマ「寂しい丘で狩りをする」(毎週金曜深夜1時53分)を好評放送中!

原作は、芥川賞作家・辻原登による同名小説。男性に傷つけられた女性2人が絶望の淵から立ち上がり、希望をつかもうと現実と向き合う姿を描いたクライムラブサスペンスだ。

主人公の桑村みどり(倉科カナ)は、かつて交際していたカメラマン・久我(竹財輝之助)の歪んだ愛情により、心に傷を負いながらも、探偵として同じ境遇にある女性を守ろうと奔走する。そんなみどりに相談を持ちかける依頼人・野添敦子を演じるのが、俳優として飛躍が目覚ましい久保田紗友だ。

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強姦された犯人・押本(丸山智己)に逆恨みされ、執拗に付きまとわれて怯えて暮らす敦子。登場人物の愛情や憎悪などの感情がぶつかり合い、物語は思わぬ展開へと進んでいく。

「テレ東プラス」は、敦子役の久保田紗友をインタビュー。作品の見どころや撮影秘話を聞いた。

複雑な感情を表現するシーンは、特に苦労しました

――まずは今回の役について。敦子という女性をどのように捉えていらっしゃいますか?

「敦子は過去の事件があってから自己犠牲が強くなり、余裕がなくなって不器用な面が目立ちますが、本来は優しさや母性があふれている女性です。そんな敦子が抱えている問題は、大きすぎるし重すぎるし、苦しすぎます。敦子の感情をどう表現したらいいのか...不安になったこともありました」

――役とどう向き合っていらっしゃるのでしょう。

「今回の作品は、想像しても考えられないことが多すぎて。体験したことがない感情がたくさん出てくるので、自分に置き換えて想像するという作業を何度も何度もしながら演じています。
悔しいという気持ちを強く見せたいけど、その中には寂しさも含まれている...というような複雑な感情を表現するシーンは、特に苦労しました。生きていればいろいろなことが起きるし、様々な場面で複雑な感情も湧きますが、敦子としての感情をつかむのが難しかったです」

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――それでも敦子は光を見つけて立ち直っていきます。

「人生って、どんなことが起きても前に進むしかないのかなと。だから敦子も、自分の問題にきちんと向き合って闘おうという気持ちがあるのだと思います。あのような経験をすれば誰だって怖いし、前に進むのはなかなか難しい。周りの人たちに助けられながら、自分でも頑張らないといけないと思っているのだと捉えました」

――早くも、竹財さん、丸山さんの怪演が話題ですが、現場の雰囲気はいかがですか?

「押本はとても怖い役。実は丸山さんと初めてお会いした日に、トラウマとなる出来事のリハーサルが行われることになっていて、お話をする時間がないままお芝居が始まったので、私的にはカットがかかった後も怖かったというか...(笑)。でもそれは最初だけで、丸山さんはとても茶目っ気のある方なので、すぐに気軽にお話しできるようになりました。
竹財さんは、役作りなのか、現場で久我になりきるためにカメラを持っていらして、私が気づかないうちに撮った写真を「気持ち悪いでしょ~」と言いながら見せてくださいました(笑)。先輩に囲まれているので学ぶことも多いですが、みなさん気さくで現場の雰囲気はとてもいいです」

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――今作のような復讐劇の魅力はどこにあると思われますか?

「私は、1回見始めたら...蓋を開けてしまったら...結末がどうなるのか気になって仕方がないです。一気見するタイプなので12時間通して観てしまい、気がついたら朝だったということも(笑)。復讐劇は、だいたい自分の予想の斜め上をいく展開が待っているので、最後まで気を抜かず真剣に観てしまいます。人の心をつかんでしまう魅力がありますよね」