今度は”電動自転車”の旅!充電をすがりながら、YOUはなぜ北へ向かうのか?日本語旅のルーツも初告白:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎えてアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回は「あのYOUもノーアポすぎてヤバいよ!ヤバいよ!SP」。ヤバ~い事態が次々に起こる95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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2022年3月28日の放送では、コロナ禍以降4年ぶりに来日し、妻の家族にご挨拶をした「日本語自転車旅」のマルコさん(前回の記事はこちら)。「自由に人に話しかけることをまたやってみたい」ということで、今回は電動自転車で北を目指す「マルコ、電動自動車で北へ行くってよ!」をお届け!

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出発当日は、「セオサイクル」さんで旅の相棒"電動自転車のセオくん"をお借りし、お店の方に乗り方を教わったら、いよいよスタートだ。フルチャージすれば約50㎞走行可能な相棒で、今回は2泊3日で可能なかぎり北上する。

途中、東京・板橋区では男の子3人組から若者言葉などを教わったりしながら、およそ2時間後に埼玉県入り(走行距離:約10㎞)を果たした。

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バッテリーは60%ほど残っていたが、念のためチャージしておこうと、マルコさんはコンビニの外で声をかけ始めた。そこへ現れたご夫婦にお願いすると、充電OKをもらった! ご自宅でチャージする間にお約束の「1番好きな日本語は何ですか?」を聞くと、奥さんは「まんぷく(満腹)」と答え、コンビニで買ったチキンをご馳走してくれた。熱々を完食し、さっそく教えてもらった「まんぷく!」を使って感謝したら、ご夫婦で喜んでくれた。ご夫婦の家を出発してから埼玉県蕨市まで北上すると(走行距離:約20㎞)、この日はホテルで1泊。

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旅の2日目。美しい桜並木でお花見していると、天然素材にこだわる木材専門の工房を発見し、店内へ。木材加工職人の柴田さんに、タブレットで作品の木製の車などを見せてもらうと、あまりの精巧さに仰天。それもそのはず、柴田さんは農林水産大臣賞を2年連続受賞したスゴい匠だったのだ!

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そんな匠に"1番好きな日本語"を聞くと、「妥協しない。自分の思ったようにできなかった場合、諦めない信念」と教えてくれた。マルコさんも、日本語上達に妥協しないことを誓って工房を出ると、「どんな場所でもスゴい面白い人と会える。人間を知ることの冒険だね」と、自転車旅の醍醐味を改めて噛みしめた。

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ステキな出会いを求め、次は茨城県坂東市まで北上(走行距離:約50㎞)! 堤防の土手一面の菜の花を眺めながら走っていたが、気付けばバッテリーが残り少ない。なかなか充電スポットが見つからずヤバかったが、3回目に声をかけた親子が、"ツカハラさんち"に案内してくれることになった。

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到着すると、塚原さんは快くコンセントを貸してくれた。塚原さんは、大工の夫が建てた家に長男家族と共に7人で暮らす女性だ。他の家族もすぐ近くに住み、食事はいつも11人でワイワイ食べる。マルコさんは、手作りの日本家屋を眺めたり、出没するタヌキの話を聞いたり、温かいひとときを満喫した。

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夕方になると、塚原さんが一緒に夜ご飯を食べよう、と誘ってくれた。マルコさんが料理を手伝うと言うと、懐いた子どもたちも「手伝う~」と口を揃えた。いいね、みんなでご飯作りだ! キッチンでは、新鮮な菜の花のつぼみを初めて試食したり、キュウリをスライスしたり、畑のネギを収穫したりと大活躍。そんなマルコさんに、孫のシズちゃんは自作の折り紙をプレゼントしてくれた。

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午後6時半、マルコさんの歓迎も兼ねた夜ご飯の準備ができた(スタッフもご馳走になりました)。塚原さんは「ご馳走じゃないけどね」と笑うが、マルコさんは「私にとってこれは宝物。だってこれは本当の旅だと思う。たまたま会った日本人の家族と一緒に、ご飯を作って食べているから、旅の醍醐味はこれ」と感謝し、お礼に即興で感謝の歌を披露♪ ここ茨城県坂東市(2日の走行距離:約60㎞)で1泊もさせてもらい、心身共に充電したら明日はいよいよ最終日だ!

翌朝、ご近所さん総出でお見送りしてくれる中、名残惜しくも出発。「みんなスゴい優しかったよ。いきなり来て泊めてくれるなんて、なかなかないことだと思う」と振り返る。これから向かうのはつくば市方面だが、なぜマルコさんは北へ? 実はそこには深いワケがあった。

そのワケとは、「実はこの旅はね、会いたい人がいるから会いに行く感じ。彼と知り合ったおかげで日本についてもっと知りたくなった。つくばにルーツがある」と、初めて語ってくれた。"本音と建前""以心伝心""空気を読む"など、日本人独特の文化に興味を持つきっかけとなった人物が、つくば市に住んでいるんだって!

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到着したのは、マルコさんのルーツとなった場所だ。「日本語が急に下手になるかも」と緊張気味に体育館に入ると、会いたい人は剣道の指導中。ガチのノーアポ訪問で、「サプライズなんだけど、迷惑かけたら申し訳ない」と心配しつつ声をかける。

お面越しにマルコさんとの再会を喜んでくれたのは、"糸賀先生"。日本文化を学ぶため、剣道を体験した際の恩師で、「日本の昔の魂が、まだ糸賀先生には残っている。だから糸賀先生の姿を見て、日本の本格的な部分を見られた。その時本当に旅している感じがした」とリスペクトする。糸賀先生から「日々鍛錬は、いずれかに備えることができる」と聴いて、"鍛錬"の意味は知らなかったが、「日本の良さもここでわかってきました。私にとってこの場所、特に糸賀先生は大事な人」と目を輝かせた。

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そして恩師に、2年前に結婚したことも報告。と同時に、なんと詩織さんが登場! 糸賀先生は、「自分と奥さんに危ないことがあったら、"お前は逃げろ。俺はがんばるから"っていう男になれよって言っておきました」と応援してくれた。詩織さんが「(マルコさんは)最初に逃げそう」と笑うと、マルコさんは「私の魂も鍛錬します!」と、恩師に"男"になると誓った。

2018年、日本語を学ぶために始めた自転車旅は日本人を深く知る旅となった。「次は東京から北海道まで行きたい!」というマルコさん。日本人と出会う旅はこれからも続く!