卒業生の約3分の1が東大へ進学する栄光学園。高1で英検1級、英語討論日本一の実力者を生み出す教育に迫る!

公開: 更新: テレ東プラス

名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介するのは、「栄光学園中学校・高等学校」。神奈川県の"男子御三家"と呼ばれる進学校で、卒業生の約3分の1が東京大学に進学するという。また、「科学の甲子園」や「数学甲子園」などで優勝経験があり、部活動が盛んなことでも知られている。
創立から75年...なぜ、難関大学への高い合格実績を維持できるのか。その秘密を探るべく、強豪として知られる英語部のキャプテンに密着した。

meimonkou_20220424_01.jpg(取材日:2022年3月15日)

「栄光学園中学校・高等学校(以下、栄光学園)」は、神奈川県鎌倉市にある完全中高一貫の男子校。1947年、初代校長・グスタフ・フォス神父が、神奈川県横須賀市に「旧制栄光中学校」として開校し、1964年に鎌倉市に移転、現在に至っている。

全校生徒数は1097人(※2022年3月時点)。毎年、約3分の1の卒業生が東京大学に合格することでも知られており、2022年春の大学合格者数は、東大58人、その他の国公立大が140人、早慶上智が231人、医学部が41人と高い合格実績を誇る(※浪人生を含む)。
卒業生には、ベストセラー「バカの壁」で知られる医学博士および解剖学者の養老孟司氏や、宇宙飛行士の古川聡氏など、各界で活躍する人物が名を連ねている。

なぜ、難関大学の合格者が多いのか...その秘密を探るべく校舎に向かった。
JR大船駅から15分ほど歩くと、5年前に完成した新校舎が見えてくる。新校舎は、栄光学園の卒業生でもある建築家・隈研吾氏が設計・監修し、2017年度の「グッドデザイン賞」を受賞。開放感あふれる校舎になっている。

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入ってすぐの自習スペース「ラーニングルーム」から中庭を抜け、校舎の裏へ回ると、体育の授業や部活動に使われる大きなグラウンドが。栄光学園の敷地面積は、なんと東京ドーム2個分以上! 本格的なトラックを有する陸上のフィールドや野球場、大小2面のサッカーコート、テニスコートも7面を備えている。敷地内にある山は、生物の課外授業や運動部の走り込みなどに使われているそうだ。

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体育館も2棟あり、第一体育館にはバレーボールーコートやバドミントンコートが、第二体育館には2面分のバスケットコートがあり、2階には武道場やトレーニングルームも併設。
全校生徒を収容できる大講堂では入学式や卒業式などの学校行事が行われ、小講堂では、学年単位の集まりが行われている。

キリスト教の価値観を基本理念としているため、ミサを行う聖堂も。聖堂の2~3階に図書館があり、蔵書数は約4万5000冊。読書はもちろん、放課後になると閲覧席で自習に励む生徒も多い。3階には「ブラウジングルーム」を完備しており、新聞や雑誌、マンガなどをくつろぎながら読むことができる。

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学びに集中できる素晴らしい施設が揃っているが、卒業生や在校生に"栄光学園の魅力"を聞くと、その多くが「職員室」と答えた。

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「先生がフランク!」「用がなくても遊びに行ける場所。それくらい先生と生徒の距離が近い」と教えてくれたが、その言葉どおり職員室には壁がなく、廊下と直結している。先生と生徒の間には、物理的にも心理的にも壁がなく、気軽に質問や相談ができることが生徒の自主的な学びにつながっているようだ。

今年東大に合格した卒業生は、「生徒一人ひとりの状況を見て提案してくれるので、それが勉強方法にも生かされた。栄光学園だから東京大学に合格できた」と話し、在校生も「個性(得意分野)を伸ばして育てることにかなり重点が置かれている」と実感している様子。

毎週行われるOBゼミでは、大学での勉強や仕事について直接話を聞くことができ、生徒たちが自主的に将来を考える機会になっている。進路進学委員長・石川昌紀先生は、「本人が自分の意志できちんと決めて、自分の進路を切り開いていくということを目指しています。大学ももちろん大事ですが、その先に繋がるような指導を心がけています」と話す。

職員室を後にして自習室をのぞくと、休み時間も寸暇を惜しんで得意分野の勉強に励む生徒たちの姿が...。難関大学合格者が多い秘密は、「自主性を重んじ、個性を伸ばす教育」にあることがわかった。

しかし、東大へ進んだ別の卒業生に話を聞くと、どうやら秘密は教育だけではないようだ。
「今、振り返ってみると、普通の勉強だけじゃなく、部活も大きかったと思います」。

英語部のキャプテンが語る、英語の成績が上がった理由

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多種多様な部活動は、生徒たちの得意分野を伸ばす源でもある。「科学の甲子園」(2018年)では全国大会優勝、「数学甲子園」では全国大会2連覇(2018年と2019年)の快挙を達成。生徒たちは、自分の得意分野で数多くの実績を上げている。

英語部も生徒の学力を伸ばす部活動のひとつだ。部員は、中学1年生から高校2年生までの28人(※取材当時)。主な活動は、「全国高校生英語ディベート大会」への出場で、栄光学園は、過去に何度も全国優勝を果たした強豪だ。キャプテンの岡村隆聖くん(※取材当時高校2年生)も、英語部で成績を伸ばした1人。

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高校1年生で英検1級の資格を取得した隆聖くん。中学入学当初は「アルファベットも読めなかった」そうだが、今では休み時間に英字新聞の切り抜きを読むほど。栄光学園に入学し、英語のディベートに取り組むことでその面白さに目覚めた

英語のディベートとは、3人1組の2チームが対戦する形式で、議題に対し肯定・否定の立場に分かれ、英語で討論する競技。隆聖くんは高校1年生の夏、チームメイトの中嶋大耀くん、永田唯一くんと全国優勝を果たした実力者だ。英語部の顧問・片居木純太先生は「(隆聖くんの英語の実力は)日本の高校生のレベルを見ても、飛び抜けていると思う」と話す。

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現在の目標は、「英語ディベート大会」で日本一になること。高1の時に別の大会で全国優勝を果たしたが、ここ1年ほど思うような成績が残せていないという。

「仲良くなってしまったが故にお互いの気持ちを考えて遠慮しちゃったり...」。

中学から5年間を共にしてきたチームメイトに気を遣い、問題点を言い合えない状態だという。それでも「ずっと一緒にやってきたチームなので、愛着もあるし、勝ちたい」と意気込む隆聖くん。

隆聖くんたちにとっては、2週間後に行われる全国大会が高校生活最後の「英語ディベート大会」になるが、再び日本一になり、有終の美を飾ることはできるのだろうか...。

大会まであと3日。高校1年生チームとの練習試合の様子をのぞいてみた。議題は「組織的宗教は不要である。是か非か」。隆聖くんたちは否定側に回る。
まずは、チームごとに分かれて意見をまとめ、スピーチ原稿を作成し、意見がまとまったところで討論を開始する。持ち時間は1人5分で、肯定側と否定側が交互にスピーチ。競技中もチーム内で作戦を相談しながら、次のスピーチを練る。相手の意見を聴きながら反論を考えるため、チームワークも重要。最後に全員のスピーチを受け、両チームの代表者が4分間ずつ最終意見を述べる。

討論を聞いた判定員が勝敗を決定するが...隆聖くんのチームは、惜しくも1年生チームに負けてしまった。仲良くなってしまったが故に、問題点について本音をぶつけ合わなかった3人。隆聖くんの懸念が現実になってしまったのだ。

ここでついに隆聖くんが切り出した。「お互いに遠慮しているところがあると思う...」。ようやく本音でぶつかり合えた3人。本番では、この成果を出せるのだろうか。

大会当日。3人にとっての最後の「英語ディベート大会」が幕を開けた。隆聖くんは「中学の時から育ててもらった英語部に応えられるように。僕自身と僕たちのチームに全力で向き合って戦いたいと思います」と決意表明。予選リーグを勝ち抜き、決勝トーナメントで勝ち進んだ1校が優勝となる形式だが、今年はコロナ禍のため、リモートでの開催となった。

隆聖くんのチームは順調に勝ち進み、ついに決勝へ。しかし相手校は、過去に予選リーグで栄光学園が唯一敗れた強豪だった。果たして結果は? 白熱するスピーチのラリーは、ぜひ番組で!

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栄光学園が多くの優秀な生徒を生み出す秘密は、「自主性を伸ばす教育」、そして教師が生徒の個性に寄り添い、生徒1人ひとりが〝得意"に全力で向き合う姿勢にあった。

番組では他にも、チームメイトが語る隆聖くんの素晴らしさ、父親から見た隆聖くんの成長ぶりや、隆聖くんが教えてくれた「校内で一番好きな場所」、記事では伝えきれなかった校内施設の全景などを紹介する。

次回の「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「東京・広尾学園...200人以上が合格!海外の大学に強い秘密」と題して送る。
今回の名門校は、200人以上が海外の大学に合格している広尾学園中学校・高等学校。かつては順心女子学園という女子校だったが、2007年に共学化するとともに現在の校名に。注目の進学校に変貌した。

広尾学園があるのは都心の広尾駅から徒歩1分。9階建ての校舎にはエレベーターやおしゃれなカフェも。中庭から光が差す開放的な空間で生徒たちは生き生きと過ごしている。ダンス部やチアリーディング部は全国大会常連だ。

そんな広尾学園は、3つのコースに分かれている。東大を始めとした国公立大や早慶上智など国内の難関大学を目指す「本科コース」。第一線で活躍できる医師や研究者の育成を目指す「医進・サイエンスコース」。そして海外の有名大学に多数の合格者を出す「インターナショナルコース」だ。このコースでは高校生になると全て英語で授業が行われる。また、海外の大学で重視される社会活動にも生徒自ら積極的に取り組んでいる。

そんな中、カメラはこの春、インターナショナルコースの高校2年生になったばかりの女子生徒に注目。在籍しているダンス部では、振り付け担当として部員みんなを引っ張っているが、元々はシャイな性格。高2になって、そろそろ進学先を決める時期。海外の大学に進んで本当にやっていけるのか不安を覚え始めたという。そんな彼女に両親や卒業生がかけた言葉とは? 悩める青春と挑戦に密着した。

どうぞお楽しみに!

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