斎藤工×上野樹里対談!思ってもなかった突然の妊娠...子供を授かったチャンスをどうする!?:ヒヤマケンタロウの妊娠

公開: 更新: テレ東プラス

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テレビ東京がNetflixと共に企画・製作するNetflixシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」。坂井恵理の同名コミックを原作に、男性も皆妊娠するようになった世界で、自分が妊娠するとは思っていなかった男性が突然の妊娠に戸惑いながらも自分の中に芽生えた命と向き合う姿と、彼の妊娠によって変わっていく周囲の人々をコミカルに描く。

"スマート"に生きることを信条に、広告代理店のトップクリエイターとして活躍し、特定の恋人を持たず人生を謳歌する主人公・桧山健太郎を斎藤工、桧山とはつかず離れずの関係を続けてきたフリーライター・瀬戸亜季を上野樹里が演じる。"すべての男性が妊娠する可能性がある"という現実には起こり得ない設定を通して人間の心の動きをリアルに表現する斎藤と上野の芝居は大きな見どころ。2人がこの作品を通じて感じたことを、たっぷり語ってもらった。

"日本映画界の銀河系軍団"によるドラマ

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――まずは、坂井恵理さんの原作を読まれた感想からお聞かせください。

斎藤「このお話をいただいてから原作を拝見しました。作品が発表された2012年に、もっと大きく話題になっていてもよかったのではないかと思いましたし、作品の世界線のリアリティとコミカルさに引き込まれました」

上野「私も今回のお話をいただいてから原作を読みました。着眼点と発想がすごいと思いましたし、それをこういう形で作品にされたのもすごいですね」

――ドラマは原作とはまた違った世界観になっていますね。

斎藤「民放の中でも前衛的なテレビ東京とNetflixがタッグを組んで作るというところから、攻めている感じがありますよね。脚本の山田(能龍)さん、岨手(由貴子)さん、天野(千尋)さん、監督の箱田(優子)さん、菊地(健雄)さん、そしてキャストの方々と併せて日本映画界の銀河系軍団みたいで、作品の建付け自体が分厚い作品になると思いました。原作との差異に関しては、少し前に描かれている原作に対して、ドラマでは今の時代に作る意味が強く込められていると感じました」

上野「原作はほのぼのとしたタッチで、子供を授かって生むということに前向きな桧山に対して女性たちが葛藤するという印象ですが、このドラマでは桧山が妊娠に否定的なところから始まります。亜季自身も戸惑いながら、自分は産めるかどうか分からない中で(桧山が亜季との)子供を授かったチャンスをどうすればいいのだろうと、追い込まれます。仕事や、現代社会のゆとりのなさも描かれているので、よりリアリティが出ているのかなと思います」

斎藤工が思う「この人は役者をやめた方がいい」!?

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――桧山と亜季、ご自身が演じた役についてどのように捉えて演じましたか?

斎藤「妊娠した桧山の葛藤はいかがなものか、自分が演じるにあたって前もって仮説を立てておきました。現場に入ると、共演者の方や監督さん、スタッフの皆さんがそれぞれ良い意味で違う方向を向いていて。僕自身は、お腹のサイズ感や、自分の胸から乳が出てくる状態から何を感じるかを頼りにして、そしてそれ以上に現場のいろんな部署の方たちの創意工夫によって"桧山健太郎"というキャラクターが出来上がっていきました。そういう意味では、自分で掘り下げたというより、桧山健太郎をコンパスの軸として、監督はじめ共演者の方、スタッフさんに周りから作っていただきました。そうやって出来たキャラクターだから、人間性のさまざまな面が彼に宿ったのかなとポジティブに捉えています」

――ご自身の演技を見て、どう思われましたか?

斎藤「それは...自分の演技を見ると、いつも『この人は役者をやめた方がいい』と思うので...(笑)」

上野「そんなことないですよ! 斎藤さんがいなかったら、私たちもみんな存在できなかった。斎藤さん演じる桧山がいて、周りの人たちが作られていった気がします。私はNetflixの作品が初めてで、最初に企画書をもらった時、ドラマだけど映画のように撮るとうかがいました。でもドラマなんだよな...テンポ感はどうなるんだろう? セリフのトーン、映像のタッチは? など分からないことだらけで未知の世界でしたが、現場には斎藤さんが演じる桧山と、スタッフの方々がいてくださいました。こういうトーンで、こういう世界で作品が作られていくのだと斎藤さんに影響を受けて、自分も亜季としていられたんです。だから、役者は続けてください」

斎藤「ありがとうございます(笑)。実は、亜季と桧山が一緒のシーンはそんなにないのですが、客観的に作品を観ると、桧山が映っていない亜季だけのシーンでも桧山を想起させてもらっていることがすごく多くて。上野さんの懐の広さで、桧山を描いてもらっているのを感じましたね」

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――上野さんは、亜希をどのように作っていったのですか?

上野「亜季は、フリーランスで働く中で受ける重圧など厳しい環境で仕事をしている女性です。今は亜季と同じくフリーランスで働く方もたくさんいらっしゃいますし、自分がやりたいことをやるために選んだ道だけど、思うようにいかない現実もあると思います。子供を生むのか、結婚するのか、いや、そもそもそんなことを考えている場合じゃないと悩んだり、自然の流れに任せているけれど、いつまで私はこのまま流されていってしまうんだろうと漠然とした不安を抱えたりしながらも、自分らしさを追求している。桧山が妊娠してからの亜季は、パートナーとして彼をサポートしたり引っ張ったりしていきます。そういうところには、男性も共感できるのかなと。女性が共感する部分と、男性が共感する部分があることを意識して、また自分が亜季らしくいられるビジュアルを考えて、楽しみながらキャラクターを作っていきました」

明日公開の斎藤工×上野樹里トーク【後編】では、妊娠を疑似体験した実感、作品を通じて感じた妊娠・出産への思いに迫る!

<斎藤工>
ヘアメイク:赤塚修二 Shuji Akatsuka(メーキャップルーム)
スタイリスト:三田真一 Shinichi Miter(KiKi inc.)
ジャケット¥292,600、シャツ¥108,900、パンツ¥162,800(THE ROW)
シューズ スタイリスト私物

<上野樹里>
ヘア:Shotaro(SENSE OF HUMOUR)
メイク:Sada Ito for NARS cosmetics(donna)
スタイリスト:岡本純子 Junko Okamoto
トップス¥52,800、スカート¥63,800(ロキト/株式会社アルピニスム)

(撮影/Marco Perboni 取材・文/伊沢晶子)

Netflixシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」は、Netflixにて全世界独占配信中!

<ストーリー>
自分が妊娠するとはまったく思っていなかった男性も妊娠するようになってから約50年。広告会社で働く桧山健太郎(斎藤工)は上司やクライアントの信頼も厚いエリートとして仕事も絶好調。恋愛も特定の恋人を作らず軽やかに遊ぶ毎日を謳歌していた。ある日、病院に行った桧山は、自身が妊娠していることを知る。相手は同じく仕事最優先で結婚も出産も考えていないフリーライターの亜季(上野樹里)。妊娠による体調不良を伝えられず会社から睨まれていた桧山は、まだまだ社会では珍しい自身の妊娠を世間に公表することで一躍時の人となる。妊娠を利用した桧山だったが、妊娠した男性仲間との出会いで親としての自覚が芽生えていく。一方、亜季は「妊娠した男性のパートナー」として家族や友人から心無い言葉を投げられ、桧山と共に子供を守ることを決意する。家族についての考え方にすれ違い、悪戦苦闘しつつ、新しい人生を模索する2人。しかし突然、死んだはずの桧山の父が現れ...!?

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Netflixシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」
4月21日(木)Netflixにて全世界独占配信中

原作:坂井恵理『ヒヤマケンタロウの妊娠』(講談社「BE LOVE KC」所載)
監督:箱田優子 菊地健雄
脚本:山田能龍 岨手由貴子 天野千尋
出演:斎藤 工 上野樹里
筒井真理子 岩松 了 高橋和也 宇野祥平 山田真歩/リリー・フランキー
細川 岳 前原 滉 森 優作 山本亜依 伊勢志摩 篠原ゆき子 橋本 淳 小野ゆり子 木竜麻生
斉木しげる 根岸季衣
エグゼクティブ・プロデューサー:高橋信一(Netflixコンテンツ・アクイジション部門マネージャー)
プロデューサー:間宮由玲子(テレビ東京)太田勇(テレビ東京)平林勉(AOI Pro.)
製作:Netflix
企画・制作:テレビ東京
制作協力:AOI Pro.
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