緊急取材!ウクライナ危機 いま日本ではどんな影響が出ているのか...:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

2月24日、ロシア軍がチョルノービリ(チェルノブイリ)原子力発電所を占拠した。
1986年、関連死亡者数(推定)約1万6000人(出所:国際がん研究機関)という史上最悪の原発事故を起こした廃炉中の施設が、ロシア軍の占拠後、安全性を失われる状況に陥ったといわれている。さらにロシア軍は、ヨーロッパ最大級の原発にも攻撃を加えた。

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長崎大学で被ばく医療を専門とする原発後障害医療研究所の高村昇教授は、ウクライナの原発の状況を深刻に受け止めていた。

高村さんは、チョルノービリ原発事故の調査に25年間携わり、「ロシアが原発の炉心を攻撃すれば、特に運転している原子炉を攻撃すれば放射性物質が大量に出る。もしもそれをやったら、35年前のチョルノービリから何も学んでないことになる」と話す。

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高村さんと一緒に活動してきた研究者たちは、今も現地にたくさんいる。チョルノービリ原発事故の影響はロシアやベラルーシにも及び、かつては各国が協力して研究を進めていた。高村さんは「3つの国が敵味方に分かれて戦うのは、我々にとっては耐え難い状況」と話す。

また高村さんは、福島第一原発から約3キロの双葉町にある「東日本大震災・原子力災害伝承館」の館長も務めている。福島原発事故の直後から調査や研究に携わってきたからだ。
3月12日に開かれた原発事故の研究報告会では、今も現地にとどまり、調査を続けるウクライナ国立学士院・原子力発電所安全問題研究所のオレナ・パレニュークさんがチョルノービリ原発の現状を報告した。

「3月10日時点で16日間、原発立ち入り禁止区域での放射線の情報がなく、状況が全く分かっていません。非常に不安で、ウクライナの人々は恐れています。この事態を人々に知らせることは、こうした状況下では非常に重要です」。

最後はロシア語表記の「チェルノブイリ」ではなく、ウクライナ語表記の「チョルノービリ」のスペルを紹介した。

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「今、ウクライナが大変な時期。こういう状態で科学者ができることは限られているが、私自身はチョルノービリに育ててもらったわけですから、そういった人間としてはやっぱり(支援を)何かやらなきゃいけない」と高村さん。
現在、長崎大学をはじめ多くの大学がウクライナからの学生の受け入れなどを表明。学問の世界でも支援の輪が広まっている。

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番組ではこの他、福島・南相馬市で「双葉屋旅館」を営む女将とウクライナ人たちとの深い親交を伝える。

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