情勢不安で注目集まる金「デジタル金貨」も登場!?<WBS>

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ジパングコインは暗号資産の発行や金の調達を三井物産のグループ内で行うことで、暗号資産の信頼性を高める狙いがある。

不安定な情勢が続く中「安全資産」とされる金の価格は、指標となるニューヨークの先物価格が1900ドル近辺で推移するなど、およそ8ヵ月ぶりの高値になっています。投資対象としての金の注目度がますます高まる中、「デジタル版の金貨」の取引が始まりました。いったい、どのようなものなのでしょうか。

玉川高島屋で21日まで行われている大黄金展。今年の干支である寅の置物や、合格祈願のだるままで1000点ほどの商品が一堂に会しました。今回の目玉は、アメリカンコミックのヒーロー、スパイダーマンをかたどった商品で、価格は1200万円を超えています。かわいらしい純金製の雛人形も、値段は91万3000円です。情勢不安やインフレの影響で注目を集める金。会場にある買取コーナーにも、商品を持ち込む多くの客の姿が見られました。

「貨幣価値が下がっているのであって、金が特別に上がっているという感じはしない。世界中で認められている金という現物資産の価値が上がってきている」(SGCの土屋豊会長)

金をめぐっては、新たなビジネスの動きも出ています。金への関心の高まりを受けて、三井物産でも金にまつわる新たな事業を始めました。

「金におおむね連動する暗号資産の発行を開始した」(三井物産 商品市場開発部の辰巳喜宣さん)

17日から発行を始めた新たな暗号資産「ジパングコイン」。ジパングコインは発行した1ジパングコインを金1グラムとして、その量に応じた金を実際に調達します。金の価格と連動させることで、ビットコインなどに比べて価格の変動を少なくできるといいます。

暗号資産の発行や金の調達を三井物産のグループ内で行うことで、暗号資産の信頼性を高める狙いがあります。購入は500円から可能で、これまで金投資になじみが薄かった若い世代の購入を見込んでいます。さらに、辰巳さんによれば「これから数年をかけて、スーパー・コンビニという小売店での決済をできるようにしたい」と買い物に使える決済手段としての活用を目指しています。

ジパングコインの価値を金で裏づけることで、利用は投資以外にも広がるとみていて、初年度は20億円分、今後3年で120億円分の発行を目指します。三井物産はジパングコインをどこでも使えるデジタル通貨のようにすることで、ビジネスの幅を広げていく考えです。

「暗号資産市場全体が伸びているところと、改めてゴールドの価値がいま注目されている。この2点で取引量は増えていくだろうと考えています」(辰巳さん)

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