エスカルゴが700円!?福岡・天神で大人気!フランス料理の屋台YOUが本場の味を格安で提供できる秘密とは?:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを、空港や街でアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(夜6時25分~)。今回のテーマは、「人生最高のニッポン飯に!YOUのオイシ~!が溢れすぎちゃうよSP」。"ニッポンの味"と"YOUの人間味"にまいう~!美味~!うまし!な95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白YOUをガチ捜索する「出張YOU」。

今回の出張先は、全国市町村「住みたい街ランキング」2021年(出典:いい部屋ネット住みたい市ランキング2021<全国版>)で1位に輝いた福岡市(福岡県)。交通や生活の利便性の高さが人気の秘密で、博多ラーメンや明太子をはじめ、「混ぜもつちゃんぽん麺」(まぜ麺 田しゅう)などの最新グルメも豊富。また、スピッツの大ヒット曲『ロビンソン」』の歌詞のモチーフになった室見川は、今やサイクリングコースとして有名だ。

you_20220221_02.jpg(ロケ日:2022年1月13日)

街で声をかけたのは、屋台を出そうと来日し、約20年間博多に住んでいるフランス出身のレミさん(45歳)。取材をお願いすると、快諾してもらえたので密着決定!

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さっそく街で1時間ほどかけて設営した屋台は、約4畳の広さ。屋台スペースは、福岡市から約6万5000円(約3カ月間)で借りており、電源と水道も市で準備してもらえるという。

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午後6時半、オープン直後に顔を出した常連客によると、こちらはコロナ禍の前まで20~50人くらい行列ができていた店だそうで、店内はあっという間に満席に。同時に続々とエスカルゴがオーダーされるが、いったい何の屋台なのか?

するとレミさんは、「ここはラーメンがない屋台。焼き鳥も餃子もない屋台。ここはフランス料理の屋台です」と教えてくれた。ちなみに場所は天神地区の屋台通りにあり、天神は中州・長浜と並ぶ福岡3大屋台街の1つ。餃子などが定番の屋台グルメの中で、「レミさんち」のエスカルゴは唯一無二の存在だ。作り方は、バター・パセリ・ニンニクなどを合わせた特製のガーリックバターをエスカルゴにかけ、最後にグリルする。

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エスカルゴは、ホテルやレストランでの相場は1500~2000円ほどするが、「レミさんち」ならなんと700円! 他にもムール貝のワイン蒸し600円、本日のキッシュ500円、フランス風とろけるトン足400円(骨付き)と、どれも破格だ。常連客にも福岡で一番人気だと絶賛される屋台だが、その人気の秘密はどこにあるのか?

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そのウラ側に迫ろうと、自宅のキッチンで働くレミさんの様子をのぞいてみると...まずは完売したラザニアを仕込んでいた。パスタ生地もソースも、一から手作りするのが美味しさの秘密という。

続いて1日寝かせたかぼちゃのニョッキを作りながら、傍らではキッシュ生地をオーブンで焼き、鍋では豚足をとろけるまで茹でる。安くて美味しい料理を提供するためには人件費を節約し、約20品のメニューをすべて1人で仕込むのだ。「福岡は安くて美味しいところばかりだから負けないようにがんばる!」がモットーで、起きている時間は常に仕込み。人気の秘密は努力にあったのだ!

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一転、屋台でのレミさんは底抜けに明るく、苦労を感じさせることがない。常にお客さんを楽しませ、ギャグやフランス国歌を斉唱するネタで笑いをとる。 "愉快な店主がいる美味しいお店"というガイドブックの情報を頼りにやってきた日本人カップルも、「想像以上だった」と絶賛!

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そもそも母国でレストランの料理人をしていたレミさんが、なぜ日本で屋台をやろうと思ったのか?

レミさんが23歳で初めて福岡に来た夜、屋台でラーメンを食べていると客が大騒ぎしていたという。その日は福岡ダイエーホークスが初優勝した日で(1999年)、もちろん県民はお祭り騒ぎ。それを知ったレミさんは、優勝祝いに相乗りして朝まで飲み明かすことに。こうして3日の予定だった福岡滞在を、3カ月に延ばすほど屋台にドハマりしたレミさんは、翌年にはきっぱり料理人を辞めて来日したのだった。

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しかし同時にシビアな問題にも直面した。福岡で屋台をやりたいと言うと、地元の方から「難しい」と言われたのだ。じつは福岡の屋台は世襲制であり、営業者の配偶者か血族の家族しか営業を認められていない。それでもレミさんはあきらめず、居酒屋で働きながら日本語を猛勉強、16年待ったところで大きな転機が!

屋台が約400軒から約150軒に減少したため、文化存続のため新規公募されることになったのだ。信じて待ち続けたレミさんは、こうして2017年にフレンチ屋台「レミさんち」をオープンさせることに成功。「屋台は観光の方が多いから、大好きな福岡の良さを伝えられるようにがんばる」と決意した。

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ある日の休日、バイクでお出かけしたレミさんだが、約20分後に到着した家で待っていたのは、なんとレミさんの日本人の奥さんと2人の子ども(ユウマくん&アスカちゃん)だった! 仕事が深夜になるので、平日は1人で暮らし、休日だけ家族の元に帰る二拠点生活をしているそう。

そんな多忙なレミさんが家族との昼ごはんに作った料理は、屋台の看板メニュー「エスカルゴ」。子どもたちは「たまにしか食べられない」と寂しそうだが、とにかくパパの料理が大好きで、食べると「美味しい」と笑顔に。

最後にレミさんの夢を聞くと、「今後は夫婦の屋台も面白そう。奥さんと2人の屋台も考えてる」と教えてくれた。奥さんも「手伝えることがあれば手伝う」と協力的で、じつはユウマくんも屋台を夢見ているのだとか!レミさんが「今度は『レミさんち』じゃなくて『ユウマくんち』かな」と、親子屋台の夢が膨らんだところで密着は終了。レミさん、これからもがんばってね!