CFRAのスチュワート・グリックマン氏
ウクライナ情勢の緊迫を受け、原油価格の上昇基調が続いています。ニューヨーク原油先物価格がおよそ7年半ぶりに90ドル台で推移する中、エネルギー株の専門家であるCFRAのスチュワート・グリックマン氏にどのような投資戦略を練っているか聞きました。
「実効性のある対露制裁が科されれば、ニューヨーク原油先物は1バレル100ドルを超える。世界の原油生産量は日量1億バレルほどで、ロシアに制裁を科せばおよそ10%がなくなる。いまエネルギー株に投資するなら、原油価格の影響を受けやすい開発・生産企業だ。デボン・エナジー、パイオニア・ナチュラル・リソシーズ、コノコフィリップス、EOGリソシーズなどだ」(グリックマン氏)
ただ、グリックマン氏は現在の価格水準は長く続かないとみています。
「サウジアラビアなどの産油国は1バレル100ドルを超える水準が続くことを望んでいない。景気後退を招き、原油価格が再び暴落するリスクがあるからだ。原油高でもおかしくない経済状況だが、地政学リスクもあり、やや過熱気味だ。経済の基礎的条件をみれば、90ドル台は高すぎる水準だが、80ドル台は妥当だ」(グリックマン氏)