今年の「猫の日」は、2022年2月22日（火）と、いつもより2（にゃん）がいっぱい！ この日は「ＢＳテレ東」が「ＢＳキャッ東」となり、1日猫まみれの番組を放送。SNSなどでも大人気、歌手・藤あや子さんの愛猫マルくんとオレオちゃん（通称・マルオレ）が1日社長を務めます。

写真提供：藤あや子Instagram

そして、藤さんは、夜10時から放送の「猫のこと、ちゃんと考える～猫の幸せ 私の幸せ～」のMCを担当。猫たちと幸せに暮らすために知っておきたい「猫の腎臓病対策」「猫の交通安全」「保護猫活動の実態」について真剣に考えます。

藤さんとマルオレちゃんの出会いは、2019年7月。保護猫活動をしているお義母様の元に生まれた4匹の子猫に会いに行った藤さんは、黒猫のマルくんに一目ぼれ。一緒に生まれた"ハチワレ"（額が八の字に見える模様）のオレオちゃんとともに引き取ることに。最近はマルオレちゃんのママとしても大活躍の藤さんに、猫ちゃんとの暮らしについてお話をうかがいました。

マルオレには"おかか"が最強！

――まずは、マルくん＆オレオちゃん、「ＢＳキャッ東」1日社長就任おめでとうございます。社長に代わって藤さんから所信表明をお願いいたします！

「ありがとうございます。ＢＳテレ東さんの猫の日プロジェクトは以前から注目していて、2022年という例年以上に2＝"にゃん"が多い年にこうして声をかけていただいたことを大変うれしく思っています。しっかり務めたいと思います。

社長就任の写真も、『ＢＳキャッ東の社長さんになれるんだって！すごいね！』と話しながら楽しく撮影しました。メガネにネクタイ姿が面白過ぎて。マルは本当に社長のような貫禄を見せていましたし、オレちゃんはキリっと知性派な一面が出ていました。SNSなどでこれまでたくさんのコスプレをしてきた2人ですが、"社長"が一番似合っているようです(笑)」

――SNSや写真集を拝見しても、マルオレちゃんのモデルぶりには感動します。猫ちゃんが嫌がらずにコスプレしてくれるのも珍しいですし、食べ物を前にしてもいい子でカメラ目線なんて！

「プロのカメラマンのように、『かわいい！素敵！きれい！』と声をかけながら撮影しています。最終手段は『おやつあげるよ』。これでだいたい乗り切れます(笑)。一番のお気に入りのおやつは"おかか"。以前は塩分のことを考えて、おかかを煮だして乾燥させたものをあげていたので風味が抜けてしまっていたのですが、塩分50％カットのものがあると教わりすぐに入手しました。

SNSなどに掲載している"マルオレ食堂"（食卓で撮影したシリーズ）で、これまでどんな食べ物を前にしてもビクともしなかったのに、先日、おかかのかかった冷や奴にオレちゃんが反応するという猫らしい一面を見ました。食卓の撮影には、おかか禁止ですね（笑）」

――大人気のSNSから、かわいいお写真の撮影裏話を教えてください。まずは、お話に出た「マルオレ食堂」。おかか以外なら（笑）、どんなに美味しそうな食事を前にしても動じないマルオレちゃんがすごいです。

写真提供：藤あや子Instagram

「普通の猫なら焼き魚やお刺身を前に平然とはいられないと思うのですが、やれちゃうのがマルオレなんです。フォロワーの方から『猫は肉食だから』とコメントをいただいたのでステーキで試してみましたが、やはり平然。マルオレのすごさを改めて痛感しました（笑）。

私が食事の準備をしていると、どちらかが『そろそろ？』と言わんばかりにキャットタワーから降りてきて、イスに横たわって待機。並べ終わるころには2人そろって背すじをシャキンとしてくれるんです。撮影だとわかっているんですね。最近では撮影後も姿勢を崩さずシャキンとしていますよ」

――「まるおれ城」からひょっこり顔をのぞかせる"オレ姫"と"マル家老"の写真も好きです。その後、破壊されていく様子を追った写真や動画も楽しくて。

写真提供：藤あや子 マルオレ専用Instagram

「段ボールの建築物は、すぐに元の形がわからなくなるほど無残な姿になりますが、まるおれ城はかなり頑丈で、しばらく落城せずに耐えていました。...が、オレちゃんが芸術的なセンスでちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返し、今ではすっかり風通しがよくなりました。まさに職人技。私はオレちゃんを"匠"と呼んでいます」

――匠のオレちゃん（笑）。マルくんは、爪切りを嫌がってキャットタワーにしがみついている姿が忘れられないです。

写真提供：藤あや子 Twitter

「特にマルくんは爪切りが嫌で。私が爪切りを手にした瞬間に気づいて、ワーッと逃げるんです。いざ爪を切り始める時は『おやつね。おかかあげるからね』と言いながら切るんですが、"おかか"というワードが聞こえるとオレちゃんが寄ってくるんです（笑）」

――SNSのお写真は、マルオレちゃんの魅力いっぱいです。かわいい瞬間を写真におさめるコツはありますか？

「いい子たちなので、苦労はないんです。私がかわいく撮るというより、常にかわいい彼らの決定的瞬間を逃さないことが大事。だから、起きた瞬間から寝るギリギリまで携帯を握りしめています（笑）。マルオレと暮らすまでは、ほとんど携帯をさわらなかったのに。正反対の生活になりました」

写真提供：藤あや子 マルオレ専用Instagram

――他にも、マルオレちゃんとの生活の中で、ご自身に変化はありましたか？

「オンオフのメリハリがつくようになりました。2019年から一緒に暮らし始めて、その後、コロナ禍になりコンサートが立て続けに中止や延期になったんです。本来であれば気持ちも焦るところですが、これまで仕事の間はお留守番してくれていたマルオレとずっと一緒にいられる時間ができ、知らなかった姿や行動パターンなど発見が多くて。そこでわかったのは、彼らはマイペースで自分の好きなことしかしないということ。だからストレスが溜まらないのだとしたら、人間も同じだと気づいて。自分がやりたいことだけやっていれば、こんなに平和に暮らせるんだ、と。まさに彼らは私の人生の師匠です」

――マルオレちゃんと暮らすようになって"猫友"など交友関係は広がりましたか？

「広がりました。Official髭男dismの大ちゃん（小笹大輔）は、マルオレのSNSを見てDMをいただいてから交流が始まった"猫友"で。大ちゃんの影響でギターをやってみようと思ったり、ギターを選んでいただいたり、私自身の音楽環境にも変化がありました。これもマルオレちゃんが運んできてくれた縁だと思っています。

猫関連のお仕事も増えて、猫好きさんたちの熱量を感じています。猫好きというだけで年齢やキャリアの垣根がなくなり、自然と集まる感覚がありますね。SNSへのコメントも読ませていただいていますが、悪意のあるコメントがないんです。今回の番組収録の合間に住吉（美紀）さんもおっしゃっていましたが、"猫好きには悪い人はいない！"と確信しています」

――藤さんは、昨年9月8日（9クロと8ハチワレで"マルオレの日"）には、マルオレちゃんのチャリティーグッズ販売などによる収益金222万2222円を宮崎徹教授による猫の腎臓病薬研究のために寄付。YouTubeでは全国の保護猫カフェをめぐり家族を探す活動もされています。他にも、「マルオレフェス」を開催したいと以前からおっしゃっていますが、どんなものになりそうですか？

「世の中が落ち着いたら、『マルオレフェス』はぜひ実現させたいです。大ちゃんをはじめ猫や犬など動物好きなアーティストに参加してもらって、ドレスコードはマルオレの"白黒"で...なんて想像するだけでも楽しくて。明るい未来を信じて、みんなで現状を乗り切りたいですね」

彼らからもらう幸せは計り知れない

――最後に、今回、藤さんがMCを担当される番組「猫のこと、ちゃんと考える～猫の幸せ 私の幸せ～」の収録を終えてのご感想と見どころを。

「勉強になることばかりでした。微力ながら私も保護猫活動をさせていただいておりますが、ボランティア活動をされている方々には頭が下がります。人間だけの世の中ではないと改めて思いましたし、同じ地球上の生き物として人間がケアしていかなければならないことがたくさんあると感じました。この番組には、猫も人間も幸せになるためのいろんな情報が詰まっているので、私もどんどん参加していきたいと思いました」

――番組のテーマでもある「猫の幸せ、私の幸せ」。マルオレちゃんの幸せ、藤さんの幸せとは？

「マルオレと出会ったことによって、人生がこんなに豊かになるんだと実感しています。もちろん私も愛情いっぱいに育てていますが、彼らからもらう幸せは計り知れないものがあって。一緒に寝ているので起きた瞬間から幸せなんです。そんなことって人生の中で今まであったかなと、大げさではなく思います」

【プロフィール】
藤あや子（ふじ・あや子）
1961年5月10日生まれ。秋田県出身。1985年NHK「勝ち抜き天国」で優勝し、1987年デビュー。代表曲に「こころ酒」「むらさき雨情」「雪 深深」など。演歌歌手だけでなく、最近は「マルオレちゃんのママ」としても活躍。保護猫活動などにも精力的に取り組んでいる。
オフシャルサイト
Twitter：@fuji_ayako
Instagram：@maru0reland
YouTubeマルオレランド

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（取材・文／伏見香織）