<感動>どら焼きを愛するイタリア人女性が人気店で猛特訓!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

ニッポンで小鼓の稽古に励むアメリカ人男性! 憧れの人との初対面も

続いては、ニッポンのあるものが好きすぎて来日し、そのまま住むことを決意した外国の方を応援する「ニッポン住んじゃった人応援団」。

紹介するのはニッポンに住んで7年、アメリカ出身のJDさん。

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JDさんが愛してやまないのは、小鼓。ニッポンの伝統打楽器「鼓」には、大鼓と小鼓があります。小鼓の歴史は古く、奈良時代から雅楽で使用されていた太鼓「壱鼓(いっこ)」の形が変わり、室町時代に能の囃子に使われて現在の形に。江戸時代には歌舞伎囃子の楽器として定着しました。そんな歴史ある小鼓の価格は、100万円以上するものも!

小鼓の音が「めっちゃ好きですね」というJDさん。JR大塚駅から徒歩圏内にある稽古場にやって来ました。JDさんの先生、石塚由孝さんは伝統芸能の世界に入って50年。十代目坂東三津五郎の舞台を盛り立てた、歌舞伎囃子の演奏家です。JDさんの腕前については「鳴らすことができる人なかなかいないですよ。アメリカ人で」と絶賛! そんなJDさんは、どんなきっかけで小鼓と出会ったのでしょうか。

今から15年前、アメリカの大学に通っていたJDさん。イベントでやってきたニッポンの打楽器グループが演奏する和太鼓に感動し、すぐさま虜に。7年前、より深く和太鼓を学ぶために来日。塾講師をする傍ら、日々練習を重ねてきました。

いつものように和太鼓の練習に励んでいる中、ふと、先輩が取り出したのは小鼓。初めて見た小鼓の形に驚き、「なんて面白い音を出すんだ!」と、聞いたこともなかった音に衝撃が走ります。叩かせてもらうと、紙を叩いたような音しか出すことができず、ショックを受けたそう。

一瞬で小鼓に魅了されたJDさんは「小鼓を叩けるようになりたい!」と、人づてで歌舞伎囃子の稽古場へ。先生である石塚さんは、突然稽古をつけてほしいと現れたアメリカ人を不思議に思ったものの、追い返すことはせず、すぐ帰るだろうと思って稽古を快諾しました。

まず教えていただいたのは「調べ」と呼ばれる紐の握り方。叩くと同時に、握った調べを緩めるのがポイントです。ところが「腕を鞭のように使う」という教え通りに叩いても、なかなか音は出ません。懸命に取り組むその姿を見て、最初は半信半疑だった石塚さんも、徐々に心を打たれていきます。

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そしてついに音が出ると、石塚さんは「イエス! イエス! イエス! グー!」とサムアップ! 自分でも音が出せたことで、JDさんはどんどん小鼓の魅力にのめり込んでいったのです。

自宅に帰っても、小鼓が頭から離れることはないJDさん。自ら作った味噌煮込みうどんを食べた後、いつも持ち歩いているノートを見せてもらうと、そこには解読不可能な記号が。

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これは、歌舞伎囃子の譜面。譜面がなかった時代、旋律やリズムは「チリカラ」などの音を言葉にした「口唱歌(くちしょうが)」と呼ばれる方法で伝承。今は口唱歌を記号で表し、譜面にしています。

ここで、JDさんが贔屓にしている小鼓のお店に向かいます。和太鼓の製造と修理を行う畑元太鼓店は、小鼓奏者の御用達店。店主の畑元徹さんは、職人歴40年になります。

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小鼓は胴と皮が別になっていて、組み立てて使います。胴とは小鼓の中心にある筒状の部分で、空洞になっているのが特徴。胴と皮は別売りで、組み合わせで音が異なるそう。仔馬の皮を使用している小鼓の皮は、使うほどに手の脂などが染み込んで軟らかくなり、澄んだ響く音が出るとか。「皮一枚でもね、ちょっといいやつだと50万円くらいする」と畑元さん。

昔の胴は100万円するものも。胴の価値は、音の良さはもちろん、蒔絵という漆の美しい装飾、そしてかんな目という内側の削り細工で決まるそう。ちなみにJDさんの胴は、オークションで3万円。畑元さんによると、本当に使ってくれるならもっと安くするそうで、「お客さんの懐次第」とのこと。

翌日、この日は弟子たちが集まっての稽古。準備は弟子になって日が浅い人が行います。石塚さんは鼓のリズムと掛け声のコンビネーションをチェックし、稽古が4時間続くことも。厳しい稽古を頑張れるのも、「心ある芸を世界に広める」という目標があるからなのです。

そんなJDさんは、小鼓を使って、あることを考えていました。やってきたのは東京・西麻布にある学習塾。ここに通う人の多くは、世界の名門校を目指す外国籍の学生たちです。実はJDさん、普段はこの学習塾で化学の講師を担当。今回、生徒たちにニッポンの伝統文化を知ってほしいと、小鼓を使った特別授業を初めて行ったのです。
1時間半の特別授業が終了し、授業の手応えは「グッド!」とJDさん。

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と、ここで応援サプライズ! JDさんを都内のスタジオにご招待し、インターネットを通じてある方と対面してもらうことに。ある方とは、宮城県を拠点に活動する男女2人組の和太鼓ユニット「幻創」。ニッポンはもとより、海外の日本大使館や大学から招待を受けて演奏。世界に和太鼓の文化を発信しています。

実は15年前、JDさんが通っていたアメリカの大学から招待されたことがあり、当時大学生だったJDさんは幻創の和太鼓を目の当たりにしてニッポンの伝統文化の虜に。幻創との出会いから、すべてが始まったのです。

しかし、JDさんはコンサートを見ただけで、お2人と直接話をしたことがありません。そこで今回、幻創の半田孝夫さんと南部聡子さんに連絡。JDさんのことを伝えたところ、リモートでの初対面を快く受けてくださいました。

思わぬ対面に「びっくりです!」とJDさん。面と向かって話すのはお互い初めてですが、実は10年前、JDさんからお2人に手紙を送ったことがあるそう。

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2011年。震災の1週間後、アメリカにいたJDさんは、被災地の宮城県で活動していたお2人に宛てて、仲間と集めた義援金と手紙を送ったそう。手紙には、幻創への感謝と安否を心配する言葉が綴られていました。お2人は今も手紙を持っていて、「こういう形でお礼を言えるなんてありがたい」と南部さん。

せっかくなので、JDさんが小鼓を披露すると拍手が! そして改めて、幻創のお2人へ感謝を伝えることに。

「お2人のおかげで『和』の道を進み始めて、私の人生が変わりました」「和太鼓幻創が15年前に大学に来ていただけなかったら、この道を選ばなかったと思います。お2人にとても感謝しております。『ありがとう』と言いたい」とJDさん。

JDさんの言葉を受け、南部さんは自分たちのしてきたことが、誰かの人生のきっかけになったのが嬉しいと涙を浮かべます。

「いつかアメリカに帰るなら、歌舞伎囃子とか習ったことを色々広めたいという思いがあって。『心の芸』、心を持っている芸を広めていきたいと思います」。お2人は、「そうだね! お互いにそうだね!」「応援します!」とエールを送りました。

「世界にニッポンの伝統的な音楽を広めるぞ!」

ニッポンの伝統芸能で世界に心ある芸を広めたい! JDさん、頑張ってください!

2月14日(月)夜8時からは、ゲストに黒沢かずこを迎え、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」“ご招待で人生変わっちゃった!”を放送!

「ニッポンの温泉が大好き!」
人生で一度も湯船につかったことがないモロッコ人のムスタファさん。和歌山県南紀白浜で1300年前からある「最古の露天風呂」で人生初の温泉に!さらに、秋田県黒湯温泉では“湯治”について学ぶ。帰国前には当番組のレギュラー、高橋茂雄(サバンナ)の案内のもと、東京の銭湯でサウナの楽しみ方を教えてもらう。あれから3年!お世話になった黒湯温泉のご主人にとんでもない事実が!

「ニッポンで本格的に墨絵を勉強したい!」
“墨絵”を愛するイタリアの女子大生のジュリアさん。尊敬する墨絵アーティストの西元祐貴さんの常設ギャラリーがある福井県へ!
憧れの場所で大興奮する中、目をつけたのは作品に使われ、1500年の歴史がある“越前和紙”。職人歴56年、伝統工芸士にも選ばれている長田栄子さんの元を訪ね、和紙が完成するまでの工程を体験する。あれから6年!ジュリアさんから感謝のメッセージが!

どうぞお楽しみに!