独占取材!世界EV戦争勃発...「ホンダ」はどうする?:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

12月24日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「独占!ホンダの生きる道~『脱炭素』との戦い②」。脱炭素の流れが強まる中、日本を代表するメーカーの一つ、「ホンダ」を長期独占取材! 自動車産業激動の時代を生き抜く新たな闘いを追った。

EV大国・中国で始まった!ホンダの新型EV開発

ホンダは2021年をもってF1から撤退。その最後となるレース「F1世界選手権 最終戦」が12月12日にアブダビで開かれた。栃木県さくら市の「本田技術研究所」では、深夜、ホンダの三部敏宏社長はじめ社員がレースの行方を見届ける。序盤から厳しい展開に静まり返るが、ラスト一週で奇跡が起こる・・・。

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F1撤退から遡ること8ヵ月前、ホンダは日本の自動車メーカーとして初めて、2040年にガソリンエンジン車の販売をやめ、電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)に絞ると宣言した。ホンダの次世代を担う「燃料電池車」の開発現場には、F1技術者を続々投入し開発スピードを加速させる。いま世界の自動車メーカーは「テスラ」など新興企業のみならず「鴻海精密工業」など異業種も続々と参入し、開発競争が激化している。

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中国・上海では、EVなどの新エネルギー車を示す「緑ナンバー」の車が増加。ガソリン車用の「青ナンバー」は180万円ほどの費用がかかりオークション制なのに対し、「緑ナンバー」は無料で政府から貰えるためだ。

EV市場が本格的な普及期に入った中国には、携帯電話のバッテリーからスタートした「BYD」やIT企業の経営者が立ち上げた「小鵬(シャオペン)」など、電気自動車メーカーだけでも約300社あると言われている。

医療関連の会社を経営する王さん(34)の新車は、新興メーカー「NIO(ニオ)」の電気自動車。以前は「ボルボ」のガソリン車に乗っていた。ニオは2014年創業ながらすでにヨーロッパに進出し、高級ブランドとして名を売り、その先進性から「中国のテスラ」とも呼ばれている。

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電気自動車が増え続ける中国では、充電スタンドの混雑が問題になっているが、ニオは電池交換式のスタンドをすでに国内700ヵ所以上に整備。今後はさらに増やしていく予定だ。

さらに、今中国で最も売れているEVが超小型EV。約50万円という価格帯から若者を中心に人気を集めている。「EV大国」へと突き進む中国で、ホンダはどう闘うのか。

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10月13日、ホンダは中国・広州市で5車種の電気自動車を発表した。中国を中心に、ホンダの電動化を加速させていくと宣言したのだ。EV専用の工場を2ヵ所新設し、2024年に稼働を開始するという。

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長らくヨーロッパ市場を担当し、電動化戦略の指揮を任されたホンダ中国・総経理の井上勝史さんは、「(中国市場は)進化が早い。想像をはるかに超えるスピードで競合もお客も動いているので、このスピードに乗り遅れないよう勝ち抜いていくだけで本当に大変」と話す。

ホンダは1999年に中国へ本格進出し、2020年には約163万台を販売。一方、EV市場では出遅れていた。広州にあるホンダの拠点では、「心を揺さぶるほどの感動を与える"未体験EV"」を目指して開発を進める。「感動するEV」を目指す。

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ホンダが社運をかけ、いよいよ世界最大のEV市場へ挑む。番組は、普段テレビカメラが入れない広州市郊外の研究開発施設に潜入。来春に発売を控えた新型EVの走行試験を独占取材した。テストコースを疾走するカムフラージュされた秘密のボディとは......。

"新生ホンダ"の切り札に!㊙の「空飛ぶクルマ」開発を独占取材!

番組案内人の松下奈緒が三部敏宏社長と待ち合わせたのは、埼玉県和光市にある「本田技術研究所」。三部社長案内のもと、ホンダデザインスタジオに入ると、プロペラがついた小型飛行機のような模型がお目見えした。

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本邦初公開となるホンダの空飛ぶクルマ「eVTOL(イーブイトール)」の5分の1モデル。

町中からすぐに飛び立てる画期的な乗り物で、最大航続距離は約400キロ。このeVTOLは航空機大手・ボーイングやエアバスもすでに開発に着手しており、中国ではすでに人を乗せて飛んでいるものも。ここにホンダも挑戦するのだ。

「eVTOL」は「エレクトリック・バーティカル・テイクオフ・ランディング(電気で垂直に離着陸)」の略で、2023年には試作機を飛ばす予定。その開発プロジェクトのリーダーに指名されたのが、「本田技術研究所」シニアチーフエンジニアの東弘英さん(55)だ。
「ホンダジェットの開発を担当したい」と2000年に転職した。

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東さんは、過去、ホンダのある極秘プロジェクトに参加した経緯を持つ。しかし課題が多く、幻に終わってしまった。ものづくりもビジネスにならなければストップがかかる。東さんは「エンジニアとしてやりたい放題やれば飛ぶことはできるが、ビジネスにならないという結果になりかねない」と話す。ホンダ肝いりの新事業を成功させるため、東さんは社内外を奔走する。果たして、東さんの奮闘は実を結ぶのか......。

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