「日本一の体育祭」に憧れて入学。勉学にも部活にも全力でぶつかるラグビー部員が体現する、伝統校・湘南高校のモットーとは?

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歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回の主人公は、神奈川県屈指の公立高校「神奈川県立湘南高等学校(以下、湘南高校)」に通う三枝傑くん(2年生)。ラグビー部では、フォワードの要として活躍し、放課後は夜遅くまで塾通いの毎日。その支えになっているのは、共に汗を流してきた仲間たち。ラグビーにかける青春に密着した。

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神奈川県立湘南高等学校があるのは、海辺の街・神奈川県藤沢市。今年で開校100周年を迎えた歴史ある進学校で、毎年多くの東大合格者を輩出している。

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教育モットーは「最も困難な道に挑戦せよ」。湘南生はその言葉どおり、勉強で、部活動で高みを目指す3年間を送る。湘南高校で青春を謳歌した卒業生には、元東京都知事で作家の石原慎太郎やノーベル化学賞受賞者の根岸英一さんなど、多彩な分野で活躍する顔ぶれが名を連ねている。

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公立高校でありながら、2つの体育館と夜間照明のあるグラウンドを完備し、部活動も盛んだ。複数の部を掛け持つこともでき、ほぼすべての生徒が部活動に励んでいる。

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さらに特徴的なのは、年間を通じて行われるさまざまな学校行事。中でも最大の盛り上がりを見せるのが体育祭で、生徒全員が仮装して舞い踊る「仮装演技」は、まさに圧巻! そのスケールの大きさから、「日本一の体育祭」ともいわれている。文武両道では飽き足らず、学校行事を加えた"三兎を追う"のが湘南生なのだ。

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身長174cmで体重93kg、ラグビー部でも屈指のパワーの持ち主である傑くんが湘南高校を選んだ決め手も、名物の学校行事だという。「体育祭がすごいからっていうのが志望動機。みんなで作り上げてやるっていうのはなかなかないと思うので、それを経験できるのはすごいなって思います」。傑くんは学校行事の運営リーダーも務め、今年最後の学校行事であるクラス対抗の駅伝大会の日も、大会を盛り上げようと趣向を凝らして応援していた。まさに"三兎を追う"日々を送っている。

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傑くんが所属するラグビー部は、夏に3年生が引退し、現在の部員は1年生と2年生を合わせた31人。2年生のキャプテン・荒木應介くんと、副キャプテンの傑くんがチームを牽引。12月には、代替わり後、初めての公式戦となる"新人戦"を控えている。これまでの戦績は、神奈川県のベスト8が最高で、昨年はベスト16止まり。今年はなんとしてもベスト8を奪還し、シード権獲得を目指す。

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部員のほとんどが高校からラグビーを始めているなか、キャプテンの應介くんは幼稚園からラグビーを始めたという数少ない経験者。傑くんは高校からラグビーを始めたが、力なら應介くんにも引けを取らない。

そのパワーを生かしてついたポジションは、がっしりした体型の選手が向いているとされるフォワードの柱、「プロップ」。スクラムを組む時に最前列で対戦チームの選手と直接組み合う、スクラムの要となるポジションだ。何より求められるのは、相手を押し込む強力なパワー。傑くんの役割は華々しくトライを決めることではなく、チームの勝利のためにひたむきに体を張ること。いわば、縁の下の力持ちだ。

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新人戦に向けて気合十分の傑くんは、授業前にもトレーニングに余念がない。顧問を務める三上拓塁さんは傑くんについて、「3年生がいる時からスタメンとして試合に出ていたし、チームの中心選手として一番期待していると言っても過言ではない」と、高く評価している。

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新人戦を前に、明日は平塚学園高等学校との練習試合。新チームになって初めての実戦ということで、代替わりしたラグビー部の主要メンバーである應介くんと傑くん、同じくラグビー部員の古矢健太くんが話し合っていた。「ペナルティ3つまでは良しとしよう」と、達成可能な目標を掲げる傑くんと健太くんに対し、「1つも許容しちゃダメだ」と妥協したくない應介くん。

試合に勝ちたい気持ちは同じだが、達成できる目標にするのか、それとも完璧を求めるべきなのか。新チームとして高い理想も必要なのかもしれない...傑くんの心は揺れていた。

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いよいよ、新チームになって初めての練習試合の日。新人戦を前に是が非でも勝ちたい試合だが、なんと傑くんはメンバーから外れていた。練習中に鼻を強打し、骨に異常がある恐れがあるため、試合に出られなくなったのだ。この日は審判を務めながら、仲間のプレーを見守る。試合は湘南高校が勝利したが、傑くんは「試合に出られなかったのは残念でした。不甲斐ない感じで、本当に申し訳ない」と肩を落とす。

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実は、ケガをしたのは今回が初めてではない。高校からラグビーを始めた傑くんは、入部早々に手首を骨折し、戦線を離脱していた。「当時はラグビーが怖くて、倒れる時に手から着地してしまった。ラグビーは全部ぶつかるスポーツ。ケガが痛かったし、復帰後も怖かった」と振り返る。しかし一番つらいのは、ラグビーができないこと。

3年生が引退し、いよいよ自分たちが牽引する番だというのに、ケガのため練習にも参加できない。傑くんの心は折れかけていた。「みんなが必死に頑張っているなか、ケガだから仕方がないけど、自分が置いていかれる感覚」と胸の内を明かす。

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ラグビーを辞めるか悩んだ時期もあるが、傑くんの心を奮い立たせたのはキャプテンの應介くんだった。「三枝(傑)くんありきでずっと練習をしてきたので、いるかいないかで大きな差が出てくる」と應介くん。時には意見が食い違うこともあるが、傑くんに絶大な信頼を寄せている。それに応えるかのように、傑くんは気持ちを切らさず、ラグビーに向き合ってきた。

「一番のモチベーションは、部活のメンバー。自分ひとりで立ち向かう瞬間はあるけど、恐怖や緊張はみんな同じ。全員で向かうところに一番楽しさを感じる」。目標のベスト8に向けて、傑くんにもう迷いはない。果たして傑くんは無事、新人戦に出場できるのだろうか。

ラグビーに打ち込み青春真っ盛りの傑くん。三兎を追う若きラガーマンの志望校は"あの大学"。気になるケガの状態と新人戦出場の可否、そして志望校は...ぜひ番組で確認を!

番組では他にも、多種多様な部活動、駅伝大会のもようや、傑くんの豪快な食べっぷりなどについて紹介する。

12月20日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「福岡雙葉高"社会課題をアイデアで解決"女子目線でモノづくり」と題して送る。

今回紹介する学校は、福岡雙葉高等学校。7割の生徒が、推薦で大学に進学する福岡の名門女子高校だ。昼休みに教室を覗いてみると、おにぎりを乗せた列車のようなものを走らせている生徒が。かと思えば、タツノオトシゴのようなものを使い、ドアの把手を手で触れずに開けている生徒の姿も。さらにはレーザーカッターで杉の木を加工し、加湿器を作っているグループもいる。

実はこの学校、自主的なものづくりを通してさまざまなことを学ぶ生徒が多くいる学校なのだ。慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)が主催するものづくりコンテストでもさまざまな賞を獲得している。彼女たちはなぜものづくりに挑戦するのか。どんな困難を乗り越えてプロジェクトを実現したのか。高校生ならではの新鮮な視点でものづくりに挑戦する女子高生たちの青春を追う。

どうぞお楽しみに!