<独占取材>国産ワクチン開発の全貌!本当の実力は?:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

12月17日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「ワクチンの真実3 独占取材!"国産開発"の全貌」。新型コロナウイルス征圧の闘いに挑み続ける日本の製薬メーカーや開発者たちに独占密着した。

自ら増殖する次世代ワクチン

すでに日本人の約8割、1億人以上が新型コロナワクチンを接種したが、打っているのはいまだ外国産のワクチンだ。国産はいつ打てるようになるのか。

国民の意識も高まっている。会員数が96万人以上いる被験者募集サイト「生活向上WEB」には、国産コロナワクチンの治験に応募が殺到し、希望者数は2万7000人にも。サイトを運営する会社の代表は「ここまで希望者が殺到する治験はない」と驚く。

現在開発中の主な国産ワクチンは5つ。「日本の皆さんに期待してもらっていい」。そう話すのは開発の1つを担う「VLPTジャパン」の赤畑渉代表だ。赤畑さんは京都大学大学院を卒業後、2002年に渡米。国立衛生研究所を経た後、アメリカでワクチンベンチャーを立ち上げ、がんやマラリアのワクチンを研究している。

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2020年、コロナワクチン開発のため「VLPTジャパン」を設立。そんな赤畑さんが作る次世代型ワクチン「レプリコン」は、抗体を作るという通常のワクチンの働きに加え、体内で自己増殖するのが特徴だ。ワクチンが増えることで多くの抗体を作り出せるため、接種する量が少なくて済み、副反応の怖れも低くなる。

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また、約1ヵ月で体内から消えるため、いつまでも増え続けることもない。原料が127グラムあれば日本人全員(1億2000万人)に接種できるといい、2022年の承認申請を目指す。

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「VLPTジャパン」が挑むのは最初の治験で、10月半ば、大分大学医学部附属病院で約40人にレプリコンが接種された。

実用に王手をかけつつある製薬会社も

大手製薬会社「塩野義製薬」も、早くから開発に取り組んできた"国産ワクチン第1号"の有望株だ。開発中の「組換えタンパクワクチン」は、コロナの遺伝子をもとにしたタンパク質を培養して作る。
インフルエンザワクチンなどですでに確立された手法で、年内に最終治験に入り、2022年3月までの供給開始を目指す。手代木功社長は「有効性と安全性のバランスがとてもよく取れている」と自信をのぞかせる。

インフルエンザワクチンのシェアトップ(2020年度)を誇る製薬会社「KMバイオロジクス」も、実用化まであと一歩に迫る。着手しているのは、ウイルスをもとに作る「不活化ワクチン」だ。

大型の培養槽に入った動物由来の細胞に新型コロナウイルスを感染させ、大量に増やすというもの。増えたウイルスを薬剤で無毒化し、不純物を取り除く精製の工程を経て、ワクチンにする。永里敏秋社長は「小児用の定期ワクチンは不活化ワクチン。安全性は一番高いはず。コロナウイルスに対しても安全性は担保できる」と話す。

「KMバイオロジクス」は、去年5月にワクチンの開発を発表した。それから約10ヵ月で、治験用の不活化ワクチンを完成させている。
今年3月から始まった第1/第2相の試験では、有効性・安全性ともに一定の結果が得られた。そこで、KMバイオは全国の治験施設で2000人を対象に10月下旬から第2/第3相試験へと駒を進める。

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そんな最中、社長の永里さんはワクチンの実用化に向けて他社にはない、大胆な戦略を打ち出す。

各国が自国製ワクチンを必要とする理由

そんな中、新たな脅威となる変異ウイルスが出現した。今や世界中で急速に感染が拡大している「オミクロン株」だ。日本国内でも11月末に感染者が確認され、拡大が懸念されている。オミクロン株はこれまでの変異ウイルスに比べ、感染に関わる部分に約30ヵ所の変異があるのが特徴だ。すでに日本人の約8割が接種したワクチンは、オミクロン株に効果はあるのか。

番組では、新型コロナワクチン開発のトップを走るアメリカの製薬大手「ファイザー」の研究部門の最高責任者を直撃した。
ドルステン氏は「ファイザー」が手がける新ワクチンについて、ガイアの独占インタビューで何を明らかにしたのか?

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番組ではこのほか、新型コロナを無効化することが期待される国産治療薬の開発現場に独占密着。"天才化学者"が手掛けるコロナ征圧の秘策を追った。

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