一条もんこ×「よこすか海軍カレー」鈴木社長×「KIFUKU」岡野社長「コロナに負けないスパイス業界」スパイスが紡ぐ絆とは?

公開: 更新: テレ東プラス

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「今までにない味わい!スパイスの味が癖になる」「飲んだ瞬間、お腹の底からポカポカするのが不思議...これぞスパイスの効果」「ノンアルのカクテルみたい!」とSNSで話題! 「クラフトコーラ」の存在をご存知でしょうか。

シンプルで奥深く、飲みやすい...誰もが安心して飲める身体にやさしいコーラ、それが「クラフトコーラ」。皆さんが良く知る「コーラ」の起源をたどると、実は1886年にアメリカの薬剤師が開発した栄養ドリンクがはじまりだったと言われています。

今回「カナコレ」では、神奈川県初となる「横浜クラフトコーラ」と「よこすか海軍カレー」を始めとした神奈川県の特色あるレトルトカレーを販売。
「横浜クラフトコーラ」は、横浜に構えた専用工房でひとつ一つ手作り。添加物などは一切使用せず、滋養強壮や美容効果が期待できる数種類のスパイスや砂糖をブレンドし、湘南ゴールドなどの柑橘類も全て国産にこだわりました。

「テレ東プラス」では、この販売を記念して、「横浜クラフトコーラ」の開発・販売を担当する「Gold Heart」岡野授ニ矢社長、よこすか海軍カレーを手掛ける「ヤチヨ」の鈴木孝博社長、スパイス料理研究家として幅広く活動し、「横須賀カレー大使」としての顔も持つ、一条もんこさんによる豪華スパイス鼎談を開催! 今回は後編をお届けします(※前編はコチラ!)。スパイス業界のコロナ事情、地元・神奈川県での町おこしからおすすめスポットまで...お話を伺いました。

kanakore_20211020_2_02.jpg▲左から岡野社長、一条もんこ氏、鈴木社長

コロナで生活を変えざるを得なかった..."自分の生き方を見つめ直そう"という人が増えたと思う

――前編では、「カナコレ」で販売している「横浜クラフトコーラ」誕生の経緯やご苦労、"スパイスの効能"についてお話を伺いました。今回「カナコレ」では、神奈川名物として名高い「記念艦三笠 よこすか海軍カレー」も販売されます。まずは「よこすか海軍カレー」が誕生した経緯をお聞かせください。

kanakore_20211020_2_03.jpg▲「カナコレ」で販売している「横浜クラフトコーラ」と「記念艦三笠 よこすか海軍カレー」(※右から2つ目)

鈴木「平成11年に、横須賀市と横須賀商工会議所、我々民間事業者が声を合わせて、『カレーの街よこすか』を宣言しました。本来"いろんなカレーが食べられる街をみんなで作ろう"というスタートだったと思いますが、そのメニューの中の1つが『よこすか海軍カレー』でした。推進委員会のメンバーに海上自衛隊の総監が入っていたので、『自衛隊が食べているカレーを広めてみてはどうか』という話が出て、海軍カレーというブランドを作ったのが始まりです。やがていろんなメディアに取り上げられるようになり、『海軍カレー』という名前が全国的に広がりました。

メンバー内でも"なぜここまでブレイクしたのか"考えることがありますが、『よこすか海軍カレーって何?』と思わせること、どこか昔懐かしいノスタルジック的なネーミングが良かったのではないかと思っています。横須賀に来ていただくとわかると思いますが、実は『よこすか海軍カレー』っていろんな味があるんですよ。基礎のレシピはありますが、それ以外はそれぞれのお店でアレンジしてOK。それが、カレー好きな皆さんの間で、食べ歩き文化の一つになったのかなと。どこに行っても海軍カレーが同じ味だったらここまで成功しなかったのではないかと思っています。

決して狙って仕掛けたわけではなく、複合的ないろんなことが重なり合って、20年経った今、『横須賀ってカレーの街だよね』『よこすか海軍カレーって聞いたことある』と言ってもらえるようになったのかなと思っています。それと、レトルト商品は横須賀市外でも売られていますが、出来立ての『よこすか海軍カレー』は、横須賀市に来ないと食べられないという制約を設けています。町おこしにもなりますし、結果的に良かったのではないでしょうか。コロナの影響で2年間開催出来ていませんが、また『横須賀カレーフェスティバル』を開けるようになればいいなと思っています」

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もんこ「海軍カレーは歴史がすごく長いので、私も食べに行くことに憧れていました。だから、横須賀で初めて海軍カレーを食べた時は感動しましたね。『やっと食べられた!』みたいな(笑)。現地で食べる醍醐味を残しているところがいいなと思うし、だからこそ価値があるのではないでしょうか。認知度は日本で一番! 『海軍カレー=横須賀』を知らない人はいないと思うので」

――「よこすか海軍カレー」を展開する飲食店の皆様も、コロナ禍で大変なご苦労があるのではないでしょうか。そんな中、スパイスやカレーを通した絆やつながりなど感じる瞬間はありましたか?

岡野「僕からしたら、まさに今、もんこさんや鈴木さんとお話しているこの瞬間、絆を感じて感動しています。『横浜クラフトコーラ』を開発していなければ、この席に呼ばれることはなかったと思いますし...。僕が開発を始めたのは、2019年の12月で、その1ヵ月後ぐらいから新型コロナが騒がれ始めました。その時に漠然と『あれ? これひょっとしたら、飲食店にとってまずい事態になるんじゃないかな』と思って、開発を急いだんです。クラフトコーラを通しての出会いや、絆を感じる瞬間はたくさんありました。僕もそうですが、いろんな方が、コロナによって生活を変えなくてはならなくなった。"自分の生き方を見つめ直そう"という人も増えたのではないでしょうか」

鈴木「コロナの影響もありますが、もう日本も大量生産大量消費の時代じゃなくなってきていますよね。地域や個人、マイクロクラフトが注目されている。これはいろんな世界でそうなってきていると感じています。そういうところにちょうど岡野さんが手作りしているクラフトコーラが出てくると、すぐに注目されますし、同じことを考えている人たちの輪が出来てくる...」

もんこ「私もコロナ禍で生活はだいぶ変わってしまいましたが、改めて"人と人との結びつきは本当に素晴らしい"ということを体感しています。スパイスやカレーの仕事をしていく上で、一番の魅力はそこだと思うんですよね。
岡野さんが『クラフトコーラを作らなきゃ』と思ったちょうど同じぐらいのタイミングに、私は料理教室を構えました。すると、"ステイホームで時間があるし、この機会にスパイスと向き合ってみよう"という方たちがたくさん申し込んで下さったんです。飲みにも遊びにも行けないけど、料理教室は学びの場だから...という方が多くいらしたので、この2年間で新しい仲間がすごく増えました。生徒さんたちがカレーによって繋がり、情報交換することで、コロナ禍の生活に潤いがもたらされるというか。『料理教室に来るとコロナのことを一瞬忘れることができます』と仰る方もいて、みんながそういう気持ちでカレーを食べている姿を見ると、『あーこのタイミングで教室を始めて良かったな。カレーやってて良かったな』と感じます。なので、神奈川県でもお料理教室ができたらいいなと思っています」

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鈴木「横須賀も、コロナ禍で観光客がほとんど来なくなってしまったので、お店自体は非常に厳しい状況ですけど、"カレーの街よこすか事業所部会"のメンバーで出来ることをやっていこうと話しています。コロナが収束する日を目標に新しいメニュー作りをしたり、いろんな企画を考えたり...今はそんな段階です」

もんこ「海軍カレーはレトルトの種類もたくさんありますからね。コロナ禍で結構買いましたけど、黄色の箱の『よこすか海軍カレー』が一番好きです。そういう意味では、コロナ禍で需要が増えるレトルトカレーってすごいですよね」

鈴木「今、もんこさんとコラボレーションした商品を開発しているんですよね」

もんこ「そうなんです。実は今、よこすか海軍カレーの新バージョンを作っていて...。年内には発売されると思うので、皆さんぜひ楽しみにしていてください!」

――今後、皆さんが神奈川県で考えているビジネスプランはありますか?

岡野「直近では、そのまますぐに飲める『横浜クラフトコーラ』の炭酸バージョンを考えています。コンビニで販売する予定もあるので、今後はさらにいろんな場所で手に取っていただけるかなと。将来的には"日本のコーラ"として勝負していけたらいいなと思ってます。メイドインジャパンを今一度盛り上げていきたいです」

もんこ「これからも、神奈川県の皆さんと一緒に、カレーで地域を活性化するお手伝いをさせていただきたいです。よこすか海軍カレー、横浜カレー、いろんな地域のカレーがあっていいと思うんですよ。常識にとらわれず、新しいカレーを発信できるような企画やプランを神奈川の皆様と一緒にやっていけたら嬉しいです。地元の方たちと手をつないで商品作りなども行っていきたいですね。料理教室もやりたいです! 木べら一つでどこにでも飛んで行くので(笑)」

鈴木「引き続き、地域で頑張る皆さんと様々なコラボレーションをし、商品を開発したり、町おこししていきたいと思ってます。実はコロナ禍前、もんこさんのお力をお借りして、横須賀、神田、下北沢、武蔵小杉、柏と、カレーで町おこしをしている5つの街のメンバーでパネルディスカッションをしました。その時、"カレーの街連携プロジェクト"という会を立ち上げまして、代表を務めさせていただいておりますので、コロナが収束した暁には、5つの街で互いに送客を図れるような企画を展開していきたいと思っています。首都圏をカレーで盛り上げていきたいですね。企画の構想をいろいろと考えています」

――楽しいお話をありがとうございました! 皆さんの"熱いスパイス愛"が伝わりました。スパイスは医食同源! 秋も深まり、徐々に寒さも増していくこの時期、あなたのそして大切な人たちの健康のために...「横浜クラフトコーラ」「よこすか海軍カレー」でしっかりと体を温め、パワーチャージしてみませんか。

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「横浜クラフトコーラ」「よこすか海軍カレー」のお求めは「カナコレ」で!

【スペシャルコラム:神奈川のおすすめスポットは?】

●すかなごっそ(岡野氏)
「僕が店長を務める『KIFUKU』のスープカレーは、神奈川県の野菜をふんだんに使用しています。そのため、三浦や鎌倉に行く機会が多いのですが、神奈川の野菜はとにかく優秀。野菜を買いながら三浦半島を車でドライブするだけで、嫌なことも全部吹っ飛んでしまいます(笑)。道の駅から葉山に入り、三浦半島の海辺を通りながら横須賀方面へ...。このドライブコースを、僕は週1くらい走っています。特におすすめなのは『すかなごっそ』という、横須賀にあるJAの直売所。フレッシュな野菜や果物が手に入ります」

●「ソレイユの丘」(一条もんこ氏)
「初めて行った時、ものすごく感動しました。ぜひ、ソレイユの丘で青空カレーを食べていただき、幸せ気分に浸って欲しいです。その後は岡野さんもおすすめしている『すかなごっそ』へ! ソレイユの丘とセットで楽しんでください」

●三浦半島(鈴木氏)
「三浦半島は本当に素晴らしいところなんですよね。海も山もあって自然が豊富。ソレイユの丘は2024年に向けて大リニューアルが行われるので、ぜひ楽しみにしていてください。ヴェルニー公園にも力を入れていますし、今後は浦賀ドックを中心に、しっかり観光スポットを作っていく予定です。日本の歴史が学べる東海岸と、豊かな自然あふれる西海岸。横須賀・三浦半島・逗子・鎌倉も含め本当におすすめなので、ぜひ全国の皆さんに来ていただければと思います」

【岡野授ニ矢 プロフィール】
北海道で食品工場向けの営業を長年経験し、北海道の食材を食べ尽くし、最後に辿り着いたのがスープカレー。サラリーマンをしながら、北海道の複数のスープカレー屋で修業をし、その後、横浜市旧市庁舎の近隣にて、スープカレー店「KIFUKU」を構える。
コロナの影響により飲食店売上激減する中、スープカレーのスパイスのノウハウを用いて、神奈川県初のクラフトコーラとなる「横浜クラフトコーラ」を開発。ラベル・パッケージを変更した「カナコレ」オリジナル商品を手掛ける。
公式サイト

【鈴木孝博 プロフィール】
1983年横須賀市久里浜にて「ヤチヨ」を創業。レトルトカレー「横須賀海軍カレー」の販売、横須賀海軍カレーレストラン2店舗、横須賀のアンテナショップ2店舗の経営、業務用食品等卸売、オリジナル商品の開発など、幅広いビジネスを展開している。行政と連携し、横須賀、三浦半島の魅力の発信にも注力。
ヤチヨ
横須賀海軍カレー本舗

【一条もんこ プロフィール】
1977年生まれ、新潟県出身。スパイス料理研究家として、テレビ、ラジオなどメディア出演、書籍出版など多数。新潟カレー大使、横須賀カレー大使に就任し、カレーによる地域おこしの活動も積極的に展開している。
一条もんこ公式サイト