もぎたてキャンプに前代未聞のソフトクリーム...イオンが展開する”知られざる”コラボ大作戦:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

11月5日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「イオン 巨大企業の裏側 知られざるコラボ大作戦」。新たな商品やサービスを生み出すべく、グループ会社同士の本格的なコラボレーションに乗りだした「イオン」の挑戦、その裏側に迫った。

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従業員約57万人、連結営業収益8兆6000億円を超える巨大グループ「イオン」。前身である「ジャスコ」は、52年前、大手スーパー3社「岡田屋」「シロ」「フタギ」の合併からスタート。その後も合併や買収を繰り返し、グループ傘下の企業数は300を越える。最近も、四国最大の総合スーパー「フジ」を傘下にしたほか、100円ショップ業界3番手「キャンドゥ」の買収にも乗り出したが、大きすぎるが故のグループ内での課題も。それが、苦戦を強いられているグループ会社の存在だ。

そこで、グループ会社同士が本格的なコラボレーションを開始。イオングループ全体が成長していくことを見据えた"コラボ大作戦"が始まった。しかしそこは、培ってきた文化がまるで違う会社同士、時として軋轢が生まれることも...。様々な障害を乗り越え、新たなものを生み出すことができるのか。

流行のキャンプに勝負をかけろ!

「イオンモール」などで展開している「スポーツオーソリティ」。運営する大手チェーン「メガスポーツ」は、人口の減少や他社との差別化が図れず赤字になる中、コロナが拍車をかける事態に。

新規事業部長・鳥居裕二(54)さんは、キャンプ用品の売り場が好調なことから、イオングループの農業法人「イオンアグリ創造」とコラボし、甲子園球場約3個分、11ヘクタールに及ぶ農場の中に「三木里脇 もぎたてキャンプ場」(兵庫・三木市)をオープンさせた。

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こうしたイオン農場は全国に20ヵ所あり、収穫された作物はイオングループのスーパーに出荷され、早いものは収穫から3~5時間で売り場に並ぶという。ダントツの鮮度が自慢だ。
鳥居さん、「農場とキャンプのコラボ。もぎたての野菜をその場で採ってキャンプ場で焼いて食べられる」そう考えていた。

しかし、キャンプ場がオープンして1カ月半。目玉となる野菜の収穫体験で夏の時期に収穫できるのは、旬のミニトマトと年間を通して栽培している青ネギだけ。お客からは「子連れとしては(収穫体験が)青ネギと聞いてがっかりした」という声が...。

「その場で採ったものを夕飯や昼ごはんで使わなければ、本当の"もぎたてキャンプ"ではない」。

鳥居さんは、農場を取り仕切る「イオンアグリ創造」生産本部西日本担当部長の新井正枝さん(50)と話し合うが、農場側にも事情があった。年間の作付け計画が決まっているため、キャンプ場のために、育てる作物を変えることはできないのだという。だが、互いに赤字、キャンプ場を成功に導きたいという思いは同じ...。

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鳥居さんは「スポーツオーソリティ」で売っているキャンプ用品をレンタルするなど、少しでも売り上げをたてようと必死だ。「キャンプ場でうちの道具を体験した人が『いいね』と、今度は店で商品を買ってもらうのが最終的な目的」と話す。一方、キャンプ場を訪れる人たちと触れ合ううち、新井さんの心にも変化が。ついには、新たに収穫体験専用の畑を作ることを決めた。

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「イオン農場の野菜はおいしかったと、店でお客さんがキャンプ場の経験や思い出と一緒に野菜を手に取ってくれたら最高」と話す新井さん。いよいよ本格的な秋のキャンプシーズンを迎えるが、畑違いの両社は実を結ぶことができるのか――。

激戦の「弁当」を制する!

「イオンリテール」が運営するスーパーマーケット「イオンスタイル」。店に並ぶ惣菜・お弁当の数は500種類。ハンバーグやオムライスなど洋食弁当は好調でも、和風の弁当は強化が必要。そこでタッグを組んだのが、イオングループで和食を得意とする「オリジン東秀」だ。根強い人気を誇るのが、鶏五目ごはんを使った商品で、炊き込み鶏五目のおにぎりは、1日に4000個売れる大ヒット。「イオンリテール」はこれに目をつけた。

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一緒に開発するのは、鶏五目ごはんをアレンジしたお弁当。食材の中でも「ゴボウ」をより際立たせたいというのが「イオンリテール」の要望で、「オリジン東秀」も、イオンを通じて全国の消費者に"自分たちの味"を知ってもらうチャンスと捉えている。

9月9日。山梨県上野原市にある「オリジン東秀」自社工場。鶏牛蒡ごはんの味を決めるため、「イオンリテール」商品開発部・平尾佳緒梨さんがやってきた。出迎えたのは「オリジン東秀」商品開発部部長・斧窪聖人さん。オリジンの鶏五目ごはんは少し濃い目の味付けだが、今回はファミリー層がターゲットのスーパーで販売するため、薄味で仕上げることに。

試食した平尾さんは「あっさりしすぎている気がする」。斧窪さんは、すぐに配合を変えて作り直す。2回目は、1年以上熟成させた醤油を含め、厳選した3種類をブレンドしたが、「薄すぎる気がする...」と平尾さん。
斧窪さん、3度目の挑戦。3合の米に対し醬油1グラムを足したもの、醤油1グラムと塩0.3グラム足したものと炊飯器2台を仕込む。違いは塩だけ。しかもわずか0.3グラム。

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「オリジンが大切しているのは"お母さんが家族のことを思って作る料理"。毎日食べたくなるっていうところに持っていけたらいいなと思っています」と平尾さん。試食が始まって4時間が経過した。担当者のぶつかり合いを経て、新たな人気商品は生まれるのか。

コンビニで勝てずとも...看板商品で勝つ!

国内に約2000店舗を展開するイオングループのコンビニチェーン「ミニストップ」は、万年業界4位。そんな「ミニストップ」の絶対的な自信作が、北海道産の生乳と生クリームを贅沢に使ったソフトクリームだ。ソフトクリームの専門店「ミニソフ」を立ち上げ、中でも、台湾密芋とソフトクリームを組み合わせた「台湾蜜いもソフト」はバカ売れだという。

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「台湾蜜いもソフト」を大ヒットに導いた、ソフトクリーム事業部の森山美奈さん(42)は、国内に95の映画館を展開する「イオンエンターテイメント」から、「上映中、2時間ずっと楽しめるソフトクリームが欲しい」という驚きのリクエストを受ける。「イオンエンターテイメント」は、集客に繋がる新たな商品を探していたのだ。

8月6日、前代未聞のソフトクリーム開発がスタートした。さらに、映画館の定番商品「塩ポップコーン」も使って欲しいとのリクエストが。2度目のコラボ会議では、森山さんがソフトクリームとポップコーンの間に様々なお菓子で仕切りを設けることを提案するが、「イオンエンターテイメント」の反応は芳しくない。

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日々、子育てをしながら商品開発に励む森山さんは、息子の春翔くんがおいしそうにソフトフトクリームを食べる様子を見て、「こうやって食べてくれるお客さんがいっぱいいると思ったら、頑張りがいがある」と発想を大きく変えて開発を再開する。様々な試行錯誤が続く中、あるアイデアに辿り着くが...。

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