13人の大家族!父は猛反対、母はガンに...昼は工場で働きながら掴んだプロの道:CHOTeN

公開: 更新: テレ東プラス

全タイトル合わせ賞金総額3億円以上、2021年発足された国内最大級のeスポーツブランド「X-MOMENT」の試合の勝敗を予想する「X-MOMENT Presents CHOTeN~今週、誰を予想する?~」(毎週土曜夜11時25分放送/テレビ東京系)。10月30日(土)の放送では、今年の「RAINBOW SIX JAPAN LEAGUE」(※注1)で、トップリーグから降格する可能性がある「エヴァ:e」と「Crest Gaming Lst」の2チームを紹介。11月に行われる入れ替え戦で、どのチームが残留するか予想した。

「ゲームで食えるわけがない」父親の猛反対

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今年で結成3年の「Crest Gaming Lst」。当初は試合に出場しても初戦負けが続き、昨年は解散の危機に。しかし、最後の試合と挑んだ大会「Six Invitational 2021-APAC Qualifier」で見事優勝。その勢いのままトップリーグの「RAINBOW SIX JAPAN LEAGUE」に参戦するも、結果が残せず、リーグ残留をかけた入れ替え戦の対象になった。

崖っぷちのチームを支えているのが、司令塔のWh1skey(22)。メンバーからは「チームの勢いを作ってくれている」と言われる頼もしい存在だ。しかし、Wh1skeyには、eスポーツを全否定する父親という壁が!? 夢を掴むため、365日フルスロットルで練習。日々努力を惜しまず壁を乗り越えた、Wh1skeyの生活に密着した。

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Wh1skeyは、フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれた、4人兄弟の末っ子。埼玉県の自宅を訪ねると、日本、フィリピン、アメリカと3カ国の国籍が入り混じる、ワールドワイドな大家族が迎えてくれた。自室の枕元には三国志の本が置かれ、歴史好きの一面も。

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にこやかに話をしていたWh1skeyだが、チーム練習が始まると、まるで別人のようにゲームに集中。チームの司令塔としてメンバー全員の動きを把握し、指示を出す。一度も休憩をとることなく、4時間の練習が終了した。

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Wh1skeyの一日は、チーム練習がおよそ7時間。それ以外は個人練習にあて、朝4時までみっちりスキルアップに励んでいる。

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トップリーグ残留をかけた入れ替え戦に負けた場合、給与保証の350万円がゼロに。降格になったらどうするのか聞くと、「みんな別に負けることは考えてないんで」とWh1skey。メンバーのOkOmEshは、Wh1skeyについて「試合に負けると人一倍悔しがっているし、その分勝ちに対する気持ちも強い」と語る。

熱い気持ちでeスポーツと向き合っているWh1skeyだが、子供の頃は野球もスイミングも上手とは言えず、体育の成績も中ほど。ただ、ゲームはすぐに上手くなり、「僕の一番得意なのはこれなんだ」と感じた。初めて自分が一番になれる、輝ける分野を見つけたのだ。

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夕食の時間、家族で誰が一番Wh1skeyのファンなのか聞くと、皆が指したのは父親。YouTube配信などで試合の状況をチェックし、誰よりもWh1skeyを応援している父親だが、昔は色々あったそう。

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高校卒業後、eスポーツ選手になることを夢見て、毎日練習に励んでいたWh1skey。しかし、当時知識がなかった父親にとって、eスポーツはただの遊び。「ゲームなんかやってても、飯食えるわけねぇだろ」「世間的にも恥ずかしい」と理解を示さなかった。

そんな時、追い討ちをかけるように母親にガンが見つかる。Wh1skeyは母親の代わりに、父親が経営する町工場で働くことに。だが、Wh1skeyにとってeスポーツは唯一自分が輝ける場所。簡単に諦めるわけにはいかない。「もう、やるしかない」と、昼は工場、夜はeスポーツの練習という生活を丸1年続けた結果、今年3月、リーグ戦への参加が決定。給料がもらえるプロのeスポーツ選手になる夢を掴んだのである。

父親の気持ちが変わったのは、プロになる話があった時。「そこからは、親としては阻むことはできないですね」と、父親は当時の思いを明かす。プロ入りをきっかけに、今や父親もeスポーツの魅力にハマっている。

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「プロになったからにはトップ目指せよ」という父親の言葉を胸に、Wh1skeyは入れ替え戦に臨む。応援してくれる家族と、父の期待を裏切らないためにも、絶対に降格はできない。残留をかけた、熱い戦いが始まる!

父親が難病で、一度はプロの道を諦め就職するが...

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また、去年9月に発足した新チーム「エヴァ:e」からは、驚異の照準精度を誇る切り込み隊長、amb3rxd(22)に密着。先日のリーグでは、最終局面でわずかな隙間から敵を射抜いて勝利した。

勢いに乗るamb3rxdだが、一度はプロを諦めた過去があった。進路を決めるタイミングでプロからスカウトされたが、父親が難病を発症したため介護士の道へ。しかし2年後、父を亡くし、心が空っぽに......。そんなamb3rxdを救ったのは、小さい頃、父が教えてくれたゲームだった。家族のため、人生を捧げる男の物語を。

※注1:「RAINBOW SIX SIEGE」は、2チームに分かれて戦うリアルガンシューティングバトル。「RAINBOW SIX JAPAN LEAGUE」は賞金総額3200万円をかけた8チームの総当たり戦で、一番ポイントの高いチームが優勝する。

明日11月6日(土)の放送は、「eスポーツで母ちゃんに恩返し」スペシャル。「集団リンチされました」「小学校から気にしてくれたのは母さんだから」と語る、二人のeスポーツ選手。彼らを支えたのは、母の愛だった。母に恩返しをするため、eスポーツの頂点を目指す若者たちに密着!