往復5時間!小学生が九州の名門・久留米大学附設に新幹線で通う決断をした理由とは?高校生の今、変化が...

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歴史や校風、卒業生のネットワークまで、名門校の知られざる姿を通してその秘密に迫る「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回の主人公は、九州の名門「久留米大学附設中学校・高等学校(以下、久留米大学附設)」(福岡県)に通う高校1年生の宮之原清華さん。「東京大学に行きたい」という理由から、片道約2時間半をかけて鹿児島の実家から通学している。じつは番組では昨年、中学3年生だった清華さんを取材していた。あれから1年、どんな高校生活を送っているのか? その後を追いかけた。

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久留米大学附設中学校・高等学校は、全校生徒数1000人を超える中高一貫校。2021年春の東大合格者数は36人(現役合格は27人)で、言わずと知れた九州屈指の名門進学校だ。出会った当時の清華さんは中学3年生だったが、長距離通学を決断したのは小学6年生の頃。自分の意志で、地元・男子校の名門、ラ・サール学園(ラ・サール中学校・高等学校)に匹敵する進学校を探したという。そこで片道約2時間半かかる久留米大学附設への入学を選択した。

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まだ夜が明けきらぬ早朝、九州新幹線の始発に乗って地元の駅を出発する清華さん。乗車するや否や、参考書を取り出して勉強開始。「帰りもあるので、1日2時間は有効活用できる」ということで、長距離通学にもすっかり慣れた様子。新幹線を降りるとバスに乗り込み、約30分後、ようやく学校に到着。

現在、高校1年生の清華さんは演劇部に入り、青春をエンジョイしているらしい。昼食は学食からお母さんの手作り弁当に変わっていた。このお弁当に、1年前には語られなかった母と娘の物語が隠されていた。

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じつは中学生の頃からお母さんにお弁当を作ってほしかったと明かす清華さん。「学食はラーメンや定食などが多くて、おいしいけど、女子が毎日食べるにはきつい。高校に入ってから、お母さんに『お弁当がいい』と話したら、『いいよ』って言ってくれた」。

しかし中学生のときは、「お弁当を作ってほしい」とずっと言い出せなかったという。それは「お母さんに負担をかけたくない」という思いからだった。そこで最初は自分で作ると申し出たが、「今まであまり何もしてあげられなかったから」と、お母さんが作ってくれることに。

清華さんのお母さんは、複数の会社を営む敏腕経営者。仕事に明け暮れる毎日で、夜は帰りが深夜0時を過ぎることもあり、出張も日常茶飯事だそう。

「お母さんの仕事が終わるのが、今よりも遅い時期があった。だから夜一緒に過ごせないのが申し訳ないと思っていたのでは。お弁当を作ってくれると思わなかったから、作ってくれること自体が奇跡」と嬉しそうに語る清華さん。母親の大変さを誰よりも理解しているからこそ、「お弁当を作って」のひと言をなかなか言い出せなかったのだ。

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これまでほとんど料理の経験がなかったというお母さんにとっては、いっぱいいっぱいの毎日。しかし娘のためならどんなことにも耐える覚悟だそう。「娘が小さいとき、特に忙しくて、接した時間は申し訳ないくらい少なかった。彼女のために何かしてあげられる期間は(高校卒業までの)残り3年だなと...。今は、彼女のためにお弁当を作れるのが、愛おしくありがたいと思える時間。最後のギフトかな」。睡眠時間は4時間ほどで、毎朝4時からお弁当作り始め、5時過ぎには清華さんを駅まで車で送っていく。

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最後に清華さんに夢を聞いてみた。すると、「起業したりとか...お母さんの会社を継ぐことを考えています」との返事が。仕事にも娘にも全力で向き合う母親の生き方は、しっかりと伝わっていた。

番組では他にも、小学生の娘の決断を受け止めたご両親の心境、清華さんの演劇部での活動の様子や、お母さんがお弁当作りとともに始めた毎朝の日課などを紹介する。

11月1日(月)夜10時放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)は、「地方の進学校に通う高校生のリアルな生活」と題して送る。

今回の主人公は創立145年、信州で歴史ある屈指の県立の進学校、長野県松本深志高等学校(以下、深志)に通う矢島優奈さん、2年生。深志は制服無し、校則もほぼ無しという、自由でゆるく見える校風が特徴。学校に決められるのではなく生徒がどんな学校生活を送りたいのか委ねられるポリシーが長年受け継がれていた。父親も深志OBだという矢島さんのリアルな高校生活を追いかけた。

どうぞお楽しみに!