住宅ローン減税の「特例」で駆け込み需要も マンションの本当の買い時は?<WBS>

公開: 更新: テレ東プラス

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住宅ローン減税で最大の恩恵を受けるためには11月中の契約が必要だが...。

首都圏のマンションの販売価格は、この10年ほどでおよそ4割も上昇しています。年々高くなるマンションを購入する際、助けになるのが住宅ローン減税ですが、今の制度で最大限恩恵を受けるには、11月中に契約しないといけません。マンション販売の現場では、駆け込み需要も起きているようですが、本当の買い時はいつなのでしょうか。

横浜市港北区にある野村不動産が手がける大規模マンション「プラウドシティ日吉」。4LDK、約90平米の部屋は7299万円からです。価格は上昇傾向ですが、コロナの影響でより広い間取りが人気を集めているといいます。

マンション購入の後押しとなっているのが住宅ローン減税です。ローンの年末残高に応じて最大1年で40万円、10年間で400万円が所得税などから控除されます。さらに一昨年に消費税が増税された際、期間が3年延長され、最大で80万円が追加で減税される特例が適用されました。ただ、この特例の恩恵をフルで受けるには、分譲住宅の場合、11月末までに契約を済ませる必要があります。このため、一部で駆け込み需要が発生しているのです。

また、単独のローンよりも夫婦それぞれでローンを組むペアローンであれば、13年間にわたって2人分の減税措置を受けることができます。「プラウドシティ日吉」の購入者の多くは共働きで、野村不動産の担当者によれば「6〜7割ぐらいの方々がペアローンで組まれている」といいます。

申し込みの期限が11月末に迫っている住宅ローン減税の特例。マンションを買いたい人は、急いだ方がいいのでしょうか。東京カンテイ市場調査部の高橋雅之さんは「コロナ禍が収束に向かっていないため、もう1年ぐらい延長する可能性は大きいとみています」と話します。住宅ローン減税は、コロナで落ち込んだ日本経済を回復させるためにも重要な政策のため、大きく変わることはないと高橋さんはみています。

一方、高橋さんは住宅価格は中古マンションも含めて、今後も高値が続くと予想します。

「新築は、土地代や人件費、建築コストが今後も下がらない見通しのため、販売価格でもなかなか下がってきません。中古マンションは新築との連動性もあり、強気の販売価格を設定されていて、品薄の状態のため、価格が早期に下がる兆候は全く見当たりません」

では、住宅の買い時はいつなのでしょうか。

「あまり税制だけに振り回されるのではなく、コロナ禍だと先が読みにくい状況のため、かなり吟味して購入を判断することが賢明だと思います。資金力や、コロナ禍でも不安がない人、条件に合った希望の物件を見つけた人は早めに購入するといいでしょう」

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