成城石井で人気のエスニック系総菜 開発の舞台裏<WBS>

テレ東プラス

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高級スーパーの成城石井で人気が高いエスニック系総菜。これまでは、実際に海外に足を運んで本場の味を再現することもあったそうですが、コロナで出張ができない中、意外な方法で新商品を開発しようとしていました。

都内にある成城石井。ずらりと並ぶ総菜は200種類以上もあります。売れ筋を見ると「海老とオクラのシンガポール風焼きビーフン」「タイカレー炒めのせご飯」などエスニック系が人気です。実際、成城石井のエスニック系惣菜の売り上げは右肩上がりで伸びています。

成城石井の原昭彦社長は「専門店でしか手に入らないような総菜の売り上げが上がってきている。より本格的なものであるとニーズはすごく高い」と話します。

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成城石井のエスニック系惣菜の売り上げ

7月上旬。成城石井の原社長が向かったのはシンガポール大使館。目的はシンガポール料理の試食会です。これまで成城石井はシンガポールなど現地で味を確かめ、商品開発に生かしてきました。しかし新型コロナウイルスの影響で海外に行けない中、日本にある大使館に協力してもらい、新たな総菜を開発しようというのです。

大使館で出されたのはエビを使った3種類の麺料理「ドライ・ラクサ」「エビラーメン」「ドライ・ミー・シアム」。中でも原社長が注目した、エビ風味たっぷりの焼きビーフン「ドライ・ミー・シアム」を開発することにしました。

1週間後、再びシンガポール大使館。厨房で成城石井のシェフたちがレシピを学んでいました。教えているシンガポール大使館のピーター・タンさんは、実は駐日シンガポール大使。大使館の客に料理を振る舞うほどの腕前です。最初に炒めているのは香辛料が入ったペースト。その中にある隠し味として日本でいうエビミソ、さらに干しエビを細かく砕いたものとエビの風味を次々加えていきます。成城石井製造本部の勝本浩二シェフは「(通常)作る工程は見ることができないので大変勉強になっている」と話します。

大使が自ら料理するほど協力するのには理由があります。

「海外旅行ができない今、食を通じて日本のみなさんにシンガポールを思い出してもらうことが重要です。成城石井には本物の味を伝えてもらいたい」(ピーター・タン駐日大使)

シンガポールの観光業はコロナで大きなダメージを受けています。そのため、コロナ後を見据え、シンガポール政府観光局は日本での情報発信を強化。成城石井に協力することになったのです。

大使館での試食から1ヵ月後、シェフが作った試食品を原社長が試食する日です。用意されたのはエビの風味がきいたあの焼きビーフンです。試食した原社長は「今までと別物になりましたね。より現地の味に近づいた良い商品」と話し、1回目の試食で合格点が出ました。

成城石井では10月末のシンガポールフェアでこの新商品を発売予定。今後は大量生産するための味付けや調理方法の改良を重ね、商品化を目指します。

「なかなか海外旅行に行けない、外食も制限されている中で、本格的なものを食べたい、食に変化をつけたい客は多い。このニーズの高まりをしっかり捉えたい」(原社長)

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