毎週日曜よる9時、TBS日曜劇場で放送中の阿部寛主演ドラマ『ドラゴン桜』。偏差値32で経営破綻寸前の龍海学園を舞台に、学園再建のため元暴走族の弁護士・桜木(阿部寛)が “東大専科”の生徒たちと真剣に向き合いながら、東京大学合格を目指す姿を描く本作。学年トップの成績を誇り、優秀ゆえに見下す癖があったため周りから浮いていたが、東大専科に入って内に秘めた焦りや臆病な一面も見せるようになった生徒・藤井遼役の鈴鹿央士にインタビューし、藤井を演じる際に意識していることや共演者の印象などを聞いた。
「東大専科いいな」ってずっとみんなに言ってました(笑)
――藤井くんを演じるにあたって意識していることはなんでしょうか?
東大専科に入ってみんなに対する仲間意識を持ってそれぞれのメンバーとどういう関係を構築してどれくらいの関係性になっているのかなどを考えながら演じるようにしています。ちゃんと人間らしさを出したいなというのは念頭にあって、薄っぺらくならないようにと意識してます。
――その人間らしさを出すために特に意識していることは?
3話5話で専科のメンバーに対していろいろひどいことを言ったりしてしまうんですけど、その裏に兄弟の問題や家庭の中での微妙な立ち位置というものを藤井は抱えているんです。それが描かれていないので視聴者の方々には純粋に性格の悪い奴とか本当に嫌な奴だと思われてきたと思うんですけど、みんなと一緒に授業を受けたりカレーを食べたり行動を共にする内に本来の藤井の一面が出てくるんですよね。
孤独になりたくて孤独になった人ではなくて、東大専科に入ったときにメンバーに対する仲間意識は多分人一倍強く感じていたと思うので、そういうところを出せるようにしました。嫌なやつの一面と楽しんでるときの距離感を意識すればキャラクターの厚みを出せるのではないかと思って演じました。
――藤井が東大専科に加わるまでは鈴鹿さん自身さみしい思いなどもありましたか?
寂しかったですね…休憩時間に「東大専科いいな」ってずっとみんなに言ってました(笑)。
――休憩中は東大専科のメンバーとどんな交流をされてるんでしょうか?
ジェスチャーゲームや「あっち向いてほい」といったゲームをしたり、「ご飯昨日何食べた?」みたいな世間話から演技の相談などいろいろな話をしてます。

――さまざまなお話をされる中で刺激を受けることはありますか?
(加藤)清史郎くんと(細田)佳央太くんと一緒に話すことが多いんですけど、俳優としての意識というような話もしていて。やっぱり一人一人違う部分があるんですが、清史郎くんは子役時代から活躍してて俳優歴も長くていろんなことを経験してるので、その経験を踏まえて色々と意見をくれるんです。仕事に対して思っていることを吐露すると「自分もそう思うよ」とか「これはこういうことだよ」と返してくれたり。あと撮影中は「今さっきこうだったからこうした方がいいかな」と毎シーン大切にしながら演じてるんですよね。僕もどちらかといえばそういうタイプなのですが、すぐに「よし次!」となるタイプなので清史郎くんの姿も参考にさせてもらっていて。東大専科メンバーのみんなお芝居に対する意識がそれぞれ違うのですが、お互いに認め合えていて良い刺激をいただいてます。
――そんな東大専科メンバーを導く桜木先生を演じる阿部さんのご印象は?
9話で桜木先生と2人のシーンがあったんですけど「他人のためじゃなくて自分のために生きろ」という言葉があって、周りがどうこうじゃなくて自分がやりたいことをやっていけということなんですけど、これは藤井遼だけでなく自分自身にもグサグサ刺さったんです。桜木先生の言葉を阿部さんがおっしゃると全く嘘がなくて、飲みこまれる感覚があってより深く刺さるんですよね。エネルギーのやりとりを阿部さんとできている気がして嬉しかったです。尊敬する俳優さんとこうして共演させていただけて自分は幸せ者だなと日々実感しています。

――本作は鈴鹿さんの役者人生においてどういう経験になっていますか?
阿部さんや長澤(まさみ)さんなど日本を代表する俳優さんたちのお芝居を現場で直に拝見することが出来て、共演させていただけるというのはすごく貴重で、大切なものだなと毎回感じています。本当に良い経験をさせていただいてます。
あと東大専科の中では年長ですけど僕より歴の長い方が多くて、映画でメインに活動している人、ミュージカルを経験している人などいろんな経験を持つ人が集まっていて、それぞれ現場での居方やどういう思いで作品に臨んでいるのか、芸能界に対してどう思ってるのか、役に対しての向き合い方などを近くで見て学べるというのも貴重だなと。これまで同年代がここまで揃って長く一緒にいるという現場がなくて、気軽に思いを打ち明けることはなかったんですけど、今回はみんなとそういうことも話しながらできてるのでとても楽しいです。
――改めて鈴鹿さんが感じる本作の魅力を教えてください。
東大合格を目指して頑張っている東大専科のみんなの姿は魅力的なんじゃないかと思います。1人1人、東大を目指す理由や思いが違うんですけど、それぞれ役に向き合って考えながら表現していてそういう熱が画面越しにも伝わってよりストレートに視聴者の方に届くんじゃないのかなと。あとやっぱり桜木先生の言葉は核心をついていて生徒たちだけでなく視聴者の皆さんの胸にも届くと思うんです。僕自身それを楽しみにしているので最終回も見どころになると思うので楽しみにしていただければと思います。

番組概要
[番組名]
日曜劇場『ドラゴン桜』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54(※6月27日[日]放送の最終回は15分拡大)