過酷すぎる“100km行進&地獄の武装障害走”
陸上自衛隊の幹部自衛官になるためには、「幹部候補生学校」を卒業する必要があります。学校の訓練の中でも最も過酷と言われるのが、100kmを歩き続ける「総合訓練」と、全長2.2kmに設置された20個の障害を時間内にクリアする「武装障害走」です。
過酷な訓練① 30kgの荷物を背負って100km歩く
100kmの距離を3夜4日歩き続ける総合訓練では、総重量30kgの荷物を背負い、実戦を想定しながらわずかな仮眠のみで行進します。

すぐ動けるよう、休憩中も膝を立てた警戒態勢を維持。食事にはレトルトの白米やハンバーグを冷たく硬いまま食べ、スプーンや箸が折れることもあります。
さらに100kmを踏破した直後に待ち受けるのが、敵の拠点を占拠する最終訓練。疲労が極限に達する中、敵地に突撃し、目標の占拠に成功してはじめて合格となります。

過酷な訓練② 銃を背負いながら障害走
武装障害走では、約4kgの銃を背負い、鉄帽など約8kgの装備を身につけて、全長2.2kmに設置された20個の障害を時間内にクリアしなければなりません。
設置されている障害はたとえば、スピードを落とすことなくロープをつたい、約3mの崖を一気に駆け上る「ロープ登坂」。

その他にも「地獄の坂」と呼ばれる約150mの急こう配の坂や、200m先の的を狙う「射撃」などの難関ポイントがあります。
特に射撃では、撃てる弾丸は4発のみ。1発も的に当てられないと、追加で200mを走るペナルティが課せられます。

武装障害走に設けられている合格タイムは、女性隊員の場合は32分以内。
この時間内にゴールできれば合格となりますが、タイムオーバーしてしまった場合は、再試験となります。
1日のスケジュールは分刻み
特別な訓練の日に限らず、幹部候補生の生活は大変厳しいものです。
起床後は2分で支度して外で乾布摩擦、朝食は5分で済ませます。

日中は、幹部としての心構えを学ぶ座学の講義や、実戦を想定した銃の訓練などが詰まっています。
6時の起床から23時の消灯まで、自由時間はわずか10分という、まさに分刻みのスケジュールで1日を過ごしています。

幹部候補生学校で過ごす期間は約半年。通常の訓練に加え、演習場での大規模訓練を乗り越えた候補生だけが学校を卒業し、幹部自衛官としての一歩を踏み出すことができます。
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