「スマート漁業」って何?
「スマート漁業」とは、最新のハイテク技術を取り入れた、効率のいい漁業のこと。
中でも注目を集めているのが、AIが魚の獲れそうな漁場を教えてくれる「トリトンの矛」というソフトです。

これまでは、“九州の南側”といった広い海域の中から、漁師の経験やカンで魚のいそうな場所を決めて漁を実施。しかし、トリトンの矛を使えば、AIがピンポイントで“鹿児島県枕崎沖”などのように漁場を提案してくれます。
どうしてAIで魚が獲れる場所が分かるの?
トリトンの矛のAIが漁場を予測できるのは、ベテラン漁師の過去の操業データを蓄積し、分析しているからです。
AIは、最初に漁師が実際につけた過去20年分の操業日誌を参考。

日誌には、魚の獲れた時間・場所・水温・魚種・漁獲量などが細かく記されています。AIは、この長年の経験と実績をすべて読み込み、その情報を過去の気象データと紐づけて法則化。
そうすることで、漁に出る日の水温や天気、潮の流れなどを計算して「その日最も魚が獲れる場所」を予測して教えてくれます。

さらに、トリトンの矛を利用して実際に魚が獲れたデータは、魚種や潮の流れなど細かいデータとあわせてAIに取り込まれるため、より高い精度の予測ができるようになります。
燃料費も含めて“最も儲かる漁場”が分かるように!?
トリトンの矛は、オーシャンソリューションテクノロジー(株)が開発。2021年4月から月額1万円の定額制で販売開始の予定で、既に3,000隻の利用を見込んでいます(※2020年12月放送時点)。

会社の最終的な目標は、“日本のまわりの海を、どこに行けば何が獲れるのかすべて分かる、巨大な養殖場のようにすること”。
ゆくゆくは、「どこに行くと・どの種類の魚が・どれだけ獲れて・売るといくらになる」ということまで計算。

獲れる魚の種類や量、燃料費も含めて「最も儲かる漁場」を教えてくれるようなシステムの構築を目指しています。
また、AIを活用した漁業は、ベテラン漁師の長年の経験を若い漁師が活用できるというメリットも。「若い漁師があとを継いだ時に、漁獲量が先輩の半分近くになってしまう」というケースが多くありますが、トリトンの矛を使えば、経験の少ない若手でも魚を獲れるようになり、事業を受け継ぐ時の強い味方となります。
がっちりマンデー!!
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