大手メーカーが依頼をする日本の会社
ユニクロ・リーバイス・EDWINなどの大手メーカーから注文を受け、デニム生地を作って卸している会社「カイハラ(株)」。

“作り方が特殊で難しい”とされているデニム生地ですが、カイハラではメーカーごとに色合いや風合いを調整し、あらゆるデニム生地を作っています。
ブランドごとに作り分けができるヒミツ
メーカーごとにデニムの作り分けができる理由は、糸の製造から生地の染色まで、一貫して生産しているため。
一般的に洋服などの生地は「糸を製造する」「糸から布を織る」「生地を染める」といった工程をそれぞれ違う会社が担いますが、カイハラではデニムにおいてこれらを全て自社で行っています。
さらに、独自のスゴい技術によって、多くのメーカーから支持を集めています。
スゴい技術① 色合いを調整
デニム生地で何より大切なのは、「青色」の染め方です。
普通の布は“糸を生地にしてから”染めますが、デニム生地は“生地にする前の糸をロープ状に束ねて”塗料に入れ染めていきます。
ジーンズの色・インディゴブルーには、糸を染める回数と空気に触れさせる時間によって色合いが変化する特性があります。

その特性に注目したカイハラは、メーカーごとに染める回数と空気に触れさせる時間を変えることで、色合いを調整。それによって「カイハラブルー」と呼ばれる独特の青色を出しています。

スゴい技術② “風合い”も調整
デニムには、使い込んでいくうちに出てくる、「あたり」と呼ばれるデニムの風合いがあります。

カイハラでは、デニムの糸の染め方とデニムの糸のデコボコさを工夫をすることで、メーカーごとに風合いも調整しています。
普通の生地は糸の中心までしっかり色を染めますが、デニム生地の場合は、糸の白い部分をあえて残して染めます。

あたりの出方は糸の白い部分次第で変わります。カイハラでは複数ある染色機を使い分けることで、白く残す部分をコントロールしています。
また、デニムの中でも特にジーパン生地の場合は、糸の太さを一定にせず、わざとデコボコに仕上げています。そうすることで色が落ちた時に、模様のような風合いが生まれます。

調整によって、各メーカーが要望する“味わい”が出るようにしており、働くスタッフの中には「糸からイメージをして作らないと、モノづくりはできない」と話す人もいるほど。
カイハラは年間にしてジーンズ2100万本分の生地を作っており、デニム生地の国内シェアはおよそ55%。現在、売上は年間約150億円(※2020年9月放送時点)と絶好調です。
10/25(日)の『がっちりマンデー!!』
がっちりマンデー!!
日曜あさ7:30~