「カニみそ」があるカニと、ないカニの差って何?

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身はもちろん、トロトロのカニみそも美味しいカニ。特に、旬を迎えて食べるものは絶品ですよね。
しかしお店に売られているカニには、カニみそがあるカニとないカニが存在します。この差は何なのでしょうか?

そもそもカニみそは、脳みそじゃない

カニみそは「中腸腺」と呼ばれる部分。人でいうところの、肝臓やすい臓の機能を併せ持った器官です。

カニみそは「中腸腺」カニみそは「中腸腺」

すべてのカニにある中腸腺ですが、お店に並ぶカニの中にはこの部分を取り除いて売られているものもあります。

カニみそがあるまま店頭に並んでいるものは「ズワイガニ」「毛ガニ」「ワタリガニ」などがあり、カニみそが取り除かれて店頭に並ぶカニには「タラバガニ」や「花咲ガニ」などがあります。

カニみそがあるカニとないカニカニみそがあるカニとないカニ

この違いは、種類の違い。実は、カニは「カニ類」と「ヤドカリ類」の2つに分類されます。

カニみそがあるズワイガニなどは、2本のハサミを含めた合計10本の足で歩き、触角が短いという特徴を持つ「カニ類」です。

触角が短い「カニ類」触角が短い「カニ類」

カニみそがないタラバガニなどは、2本のハサミを含めた合計8本の足で歩き、ヤドカリのように触角が長いという特徴を持つ「ヤドカリ類」。つまり、カニみそがない状態で売られているものは厳密にはカニではなく、ヤドカリの仲間です。

触角が長い「ヤドカリ類」触角が長い「ヤドカリ類」

しかし、カニみその部分である中腸腺は、すべての甲殻類が持つ器官。ヤドカリ類のタラバガニにもたくさんのカニみそがあります。

ヤドカリ類のタラバガニにもカニみそが!ヤドカリ類のタラバガニにもカニみそが!

なぜヤドカリ類のカニはお店に並ぶ前にわざわざカニみそを取り除いてしまうのでしょうか?

カニみそが取り除かれる理由

カニは死んでからの劣化が早いため、基本的に獲った後にすべてゆでて、それから全国に出荷されます。カニ類のカニみそは、ゆでると固まるため、カニみそがある状態で売られています。

それに対してヤドカリ類のカニみそは脂肪分が多く、ゆでると溶けてなくなってしまいます

ヤドカリ類のカニみそは溶けるヤドカリ類のカニみそは溶ける

その上、溶けたカニみそは脚に流れ込んで身の劣化をさらに早めてしまうため、ヤドカリ類のカニは獲った後、ゆでる前にカニみそを取り除きます。スーパーなどに並ぶ時にカニみそがないのはそのためです。

ちなみに、ヤドカリ類のカニみそは新鮮なら食べることも可能。漁港近くではタラバガニのカニみそが食べられています。

タラバガニのカニみそタラバガニのカニみそ

タラバガニの身をカニみそにひたして食べるとその味は絶品。出会えたら是非食べてみてください。

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