金曜ドラマ『フェルマーの料理』最終回へ!岳と海が紡ぐ「料理の真理」への軌跡をドラマプロデューサーとプレイバック!

公開: 更新: TBS Topics


TBSで放送中の金曜ドラマ『フェルマーの料理』が最終回を迎える。天才数学少年・北田岳が、謎に包まれた料理界のカリスマ・朝倉海とともに、超一流レストラン「K」で、世界中から集まった料理のプロフェッショナルたちと切磋琢磨し、数学的思考で料理という難題に立ち向かう。

この若きプロフェッショナルたちが本気で料理の頂に挑む青春ストーリーもついに最終回。そこで岳と海の活躍を振り返りつつ、本作のプロデューサー中西真央氏にドラマ制作に懸けた思いやキャスティング理由、そして制作秘話などを聞いた。

天才的な料理の思考を持つ主人公のドラマをつくりたい!

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

天才数学少年・北田岳(高橋文哉)の夢は、フェルマーのような偉大な数学者になること。名門・ヴェルス学園で学内トップの成績を誇り、特待生として通いながら、数学オリンピック出場を目指していた。しかしその選考会で岳は、その夢を果たせないこと悟ってしまった。周囲のライバルたちがスラスラとクリアしていく中、彼の手は止まってしまったのだ。――岳に“見えた”のは、ライバルたちとの圧倒的な実力差。そして人生初の挫折だった。
失意の中、岳が学食のバイト中にまかない料理をつくっていると、サングラス姿の男が足を止めた。それは料理界のカリスマ・朝倉海(志尊 淳)だった。海は岳がつくったナポリタンを完食すると、おもむろに「何℃?」と尋ねた。「あ、45℃です」と即答した岳に笑顔を向け、去っていく――。

“数学×料理”を斬新に描いた金曜ドラマ『フェルマーの料理』。プロデューサーと本作の出会いはどんなものだったのだろうか? 
「もともと、いつか料理を題材にしたドラマを制作したいと思っていました。というのも社会人になり、学生時代には触れることがなかったプロの料理人の方がつくる料理をいただく機会が増え、おいしい料理を食べるとワクワクした気持ちを抱いている自分に気づいたからです。
そもそも料理って、段取りや分量などが重要で、計算しながらつくったほうが断然おいしくなるもの。だから、料理を題材にしたドラマをつくるなら、“天才的な料理の思考を持つ主人公のストーリー”をつくりたいと思っていました。そんなときに原作を読み、ぜひドラマ化したいと思ったんです」

原作の登場人物の魅力を最大限に膨らませたキャスティング

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

「料理の出来上がりを答えとするなら、そこから逆算して計算式、つまりレシピを組み立てていくのは得意だろ?」という海の一言で、岳の頭には一気に数字が広がった。海は、数学と料理を無意識に融合させてしまう岳の天才的な才能に気づいていたのだ。海がオーナーシェフを務める二つ星レストラン「K」で働く、赤松蘭菜(小芝風花)ら料理人たちも同様に、岳の天才的な能力を察した。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

そんな岳、海、そして蘭菜を演じる高橋文哉、志尊 淳、そして小芝風花。彼らをキャスティングした意図は――?
「高橋さんが調理師免許を持っているというのは以前から知っていたのですが、実はキャスティングの際はすっかり忘れていて(笑)。それよりも、とにかく高橋さんならきっと一番岳が似合うと思ってお声がけしました。岳というキャラクターは、後ろ向きな感情も明るい感情も同時に持ち合わせていて、くるくると表情が変わっていきます。なので、繊細で丁寧、だけどタフで芯が通ったお芝居をされる高橋さんに岳を演じていただきたいと思い、オファーしました。
一方、原作の海から感じたのはミステリアスな魅力でした。作品によっていろいろな役柄を演じ分けてこられた志尊さんに、海のような振り切ったキャラクターを演じていただけたら、きっとおもしろい作品になると思ってお願いしました。今回ドラマ版の海は悲しい真実を一人で抱えています。志尊さんの物憂げな表情や心をかき乱されていく表情はきっと観てくださる方々の心を打つと思いました。
ただ「K」で唯一の女性シェフ・蘭菜に関しては、原作の蘭菜から感じた人柄だけでなく、私の女性料理人への思いも重ねています。女性より男性が圧倒的に多い料理人の世界。小芝さんのお芝居を見ていると、どんなキャラクターを演じていてもタフさを感じます。実際の小芝さんの明るく真面目なところも蘭菜というキャラクターのタフさに通ずるのではと思って、小芝さんにオファーしました」。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

海がヴェルス学園・西門景勝理事長(及川光博)に掛け合ってくれたおかげで、特待生として通っていた高校を中退することなく無事卒業することができた岳。卒業後、超一流レストラン「K」で下働きから始めることに。岳は、「料理をもって神に挑む」と宣言する海とタッグを組み、料理の真理を目指すことを決めた――。

料理シーンは代役ゼロ!戦場のような撮影現場で感じた前向きさとプロ魂!

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

「K」で働き始めた岳が、まず取り組んだのはスタッフたちに提供するまかない。この、まかない料理で全員から認めてもらわなくては、働くことはもちろん、スタッフたちの名前を知ることすら許されないのだ。テスト期間は通常1か月間設けられているが、岳に与えられたのはわずか1週間。しかし岳は、その難題を見事6日目にクリアした! 
無事に「K」の一員として認められた岳。ただ、周囲の優秀な料理人たちと比べると、知識や実力には大きな差があった。しかし天才的な料理への嗅覚で、蘭菜や日本料理界の御曹司・乾孫六(板垣李光人)、スーシェフの布袋勝也(細田善彦)らから認められていく。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

そんな彼らの職場である厨房は、常にあわただしく描かれてきた。撮影現場の様子をプロデューサーに聞くと――?
「第1話の1シーンの撮影は一発録り。何度もリハーサルで動きを確認、練習してくれたおかげで、本番は1回でOKになりました。何より、厨房セットでの撮影が始まって2日目にはスタッフとキャストのチームワークが完成していました。料理シーンの撮影はとても時間がかかるのですが、みんなで前向きに取り組んでくれて。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

そして驚いたのは料理人役の俳優さんたちの料理技術です。公に行われた練習は数回だけだったので、皆さんがそれぞれ、自宅で練習してくださったんだと思います。厨房セットに入った当初から、皆さんの包丁さばきが素晴らしいので、“難しいからこの撮影はあきらめよう”とか“代役を立てよう”ということはほぼなく、順調に撮影してきました。皆さんが当たり前のように応じてくださるので忘れてしまいがちでしたが、すごくすてきなキャストの皆さんと出会うことができたことを感謝しています。
おかげで、ドラマで掲げた“若きプロフェッショナルたちと切磋琢磨”した姿を、撮影現場でもリアルに繰り広げることができました」。

岳の口癖「合理的ですね」に隠されたドラマのメッセージとは

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

国内外で強い影響力を持つレストランビュアー・綿貫哲平(早乙女太一)から「また通いたい」と絶賛されるなど、岳が加わった「K」はさらに魅力的なレストランへと成長していく。岳もパーティ料理やコース料理をつくり、任されるまでに成長した。
しかしその一方で、海が謎の行動を見せた。パリでの出店準備をすると言い残し、「K」の仲間たちの前から姿を消したのだ。しかも不在の間の料理長に指名されたのは、岳。なぜか給士長の寧々(宮澤エマ)も出勤してこない。蘭菜も休みを取りたい言い出したことから、残ったスタッフたちで営業を続けていく。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

海の身に何が起きているのか――。なんと海は、料理人の命である“味覚”を失いつつあった。海が自分の味覚に違和感を覚えたのは3年前。脳外科医の権威である淡島優作(高橋光臣)を訪れ、手術を懇願した。しかし淡島の判断はノー。手術をしても腫瘍とともに複雑に絡まった味覚をつかさどる神経まで取ってしまう可能性があるとのことだった。徐々に失われていく味覚。それは海にとっては、生きる価値を失うような大きな問題だった――。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

実は海には、異国の地で親に捨てられたという過去があった。そんな幼い海を救ったのが、料理界で伝説のシェフと呼ばれた渋谷克洋(仲村トオル)。渋谷は、幼いながらに優れた味覚を持つ海に、徹底的に料理を教え込んだ。二度も捨てられたくないという思いから必死に料理を覚える海に渋谷は、「料理を極めたいなら孤高を極めろ」と言い聞かせた。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

振り返ると岳は、高校生にして数学者になるという夢をかなえることができないと悟った。それまで費やしてきた時間、労力は無駄になったと嘆いた岳。しかし海は、“その力を料理に生かせ”と言い、岳は再び夢中になれるものを見つけることができた。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

そして海にとって料理は、人生のすべてを費やしてきたといっても過言ではない存在。そんな海にとって、味覚を失うことはすべてを失うことに値するのだろうか――?

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

「いまはタイムパフォーマンス重視の時代。最近でいえばChatGPTが生まれるなど、何事も “合理的”に進めることがスマートで正しいと考えているように感じます。…岳の口癖でもありますしね(笑)。でも、このドラマでは“無駄なことなんてないんだよ”という想いを伝えられたらと思っています。
私自身、“くだらないこと”や“ごちゃごちゃしたこと”が好き。逆に、無駄だと思ってそぎ落としすぎてしまうと、つまらないものしか残らないと感じてしまいます。世の中が便利になると人為的なミスが減る分、不確定なことやエラーは起こりにくくなります。けれどそれは同時に、もしかしたら起こっていたかもしれない“おもしろいこと”や“楽しいこと”を見逃してしまうのではないか、と。
そんな想いを込めて、岳と海が無駄なことはないんだと気づける話にしたいと思いました」。

金曜ドラマ『フェルマーの料理』より金曜ドラマ『フェルマーの料理』より

料理の真理を追究するため“孤高”でいることを選んだ岳と海。しかし第9話終盤で、2人が選んだのは、一緒に料理と向き合うことだった。支え合うことの大切さを痛感した2人は料理人としてどのような選択をしていくのか――。料理をもって神へと挑んだ2人の行く末を最後まで見守りたい。

■番組概要
[タイトル]
金曜ドラマ『フェルマーの料理』
[放送日時]
毎週金曜よる10:00~10:54

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