報道局の特派員がSDGs企画で“ごみの旅”へ『クレイジージャーニー』インタビュー

公開: 更新: TBS Topics


5月15日放送の『クレイジージャーニー』(月曜よる9時)は、アフリカ、アジア、南米を巡る“ごみの旅”。『クレイジージャーニー』とTBS報道特派員がタッグを組んでお届けするSDGs特別企画だ。案内するジャーニーは、戦場ジャーナリストこと中東特派員の須賀川拓さん、ロシアのウクライナ侵攻を数多く伝えているTBS最年少特派員でニューヨーク支局の増尾聡さん。経済から事件までさまざまなジャンルで活躍するロンドン特派員で支局長の岡村佐枝子さん。収録後の3人に話を聞いた。

左から須賀川拓さん、岡村佐枝子さん、増尾聡さん左から須賀川拓さん、岡村佐枝子さん、増尾聡さん

まず皆さんの経歴を教えてください。

須賀川:TBS入社は2006年です。スポーツ局に4年程いて、報道局では社会部、警視庁クラブ、『Nスタ』などを担当し、2019年から中東特派員としてロンドン支局にいます。

増尾:2013年に入社して丸10年になります。ずっと報道局で、最初の3年間はカメラマン。記者になってからは社会部で警視庁や宮内庁を担当して、ニューヨーク支局に移ったのが2021年9月です。

岡村:入社は1998年で、スポーツ局を経て2001年から報道局です。社会部や夕方のニュース番組などを担当し、その後経済部へ。昨年10月にロンドン支局に移りました。

『クレイジージャーニー』出演の感想は?報道番組とバラエティ番組で何か違いはありますか?

須賀川:今年1月に『クレイジージャーニー』でアフガニスタンの現状を伝えましたが、「こんなの初めて見た!」という反響がほとんどでした。それまでTBSのニュースはもちろん、YouTubeや映画でも届けていましたが、届いていない人がいることを痛感。見る人の層って本当に違うんですよね。特に若い人が見てくれる『クレイジージャーニー』なので、報道の要素をできるだけやわらかく伝えることで、普段ニュースを見ない人にも届くといいなと思っています。

それと、この番組は問題提起に特化している感じなので、解決方法まで掘り下げることはしません。でも、問題を提起するのは何より大事なことだと思うので、とにかく知ってもらうきっかけになれば。できればこうしたコラボをずっと続けていきたいです。

増尾:取材VTRを見て、報道とバラエティを掛け合わせたお互いのいいところがすごく出ているなと感じました。ファクトを積み重ね、伝えたい思いをさまざまな角度から切り取るという従来の報道的取材を、バラエティ的な観点で調理(編集)するとこうなるんだって。自分たちだったらこういう編集はできない(笑)。

社会で起きている問題にスムーズに入っていくには、面白く見るって一つとても大事なこと。考えるきっかけになるといいですよね。私自身は普段と同じように伝えましたが、いい(コラボ)経験になりました。

報道局の特派員がSDGs企画で“ごみの旅”へ報道局の特派員がSDGs企画で“ごみの旅”へ

岡村:私も取材に関しては報道もバラエティも変わりはないですね。自分のしゃべりは多く入れましたが、伝えたいと思ったことを『クレイジージャーニー』でもやらせてもらいました。須賀川さんも言ったように、普段ニュース番組をあまり見ない方にも届けられるというのは、取材者としてはとてもうれしいです。

スタジオ収録の感想は、SDGs大使でもある設楽さんがさすがだなと。頭の回転が速いし、まとめ方も上手。やりとりを聞きながらMC力にずっと感動していました。

皆さん『クレイジージャーニー』ファンとのことですが、気になるジャーニーはいますか?

須賀川:気になるのは丸山ゴンザレスさんです!めっちゃ面白いですよね。ツイッターもフォローしてます(笑)。ぜひ一度お会いして、機会があればどこか一緒に行ってみたい。

増尾:私は写真家のヨシダナギさん。雰囲気はとてもやわらかいのに、ガッツがありますよね。あの力強い旅に惹かれます。

岡村:虫が好きなので、アリの島田拓さん。先日の放送も楽しく見ました。私は爬虫類も好きで、トカゲとか大好きなんですよ。

今回はSDGs特別企画です。「ごみ」をテーマに、企画からロケ、撮影まですべて特派員チームでされたそうですね?

須賀川:そうです。3人それぞれで場所やネタを探しました。報道で過去に取材したものではなく、完全に新規。今日の収録で、アジア、アフリカ、南米といい具合にエリアも分散したなと気づきました。SDGsは目標とする17のゴールがありますが、身近な“ごみ”を見ていくと「貧困」「飢餓」「教育」「海を守る」など、ほぼすべての項目に関わっていることがよくわかりますね。

須賀川拓さん須賀川拓さん

須賀川さんがリポートしたのはセネガルのゴミマウンテン。アフリカ最大級のごみ捨て場だそうで、どんな取材旅でしたか?

須賀川:日本にいれば町がきれいだし、ごみが出たらごみ箱や集積所に捨てれば、もうごみは見えなくなりますよね。その先に処理をしてくれる人がいるから。下水も同じです。でも、僕が行ったセネガルはごみが全部見えている場所なんです。人間がいれば、ごみは出る。そのことをあらためて思い知って、ごみを出すこと、処理することを真剣に考えないといけないと思いました。

増尾さんは、南米チリのアタカマ砂漠に広がる「衣服の墓場」と「車の墓場」ですね。

増尾:アタカマ砂漠は「花が咲く砂漠」とか「火星に一番近い地形」と言われ、星もきれい。貴重な自然が観光スポットにもなっているところです。でも、少しずつ汚染されているんですよね。私たちはよく「長く使えるものを買おう」「長く着よう」と言いますが、その理由が今回の「衣服の墓場」にある気がします。世界中から集まって来る服を砂漠で燃やすため、そこに暮らす人が健康被害にあったり、生態系を壊したり。これはアタカマ砂漠の問題ではなく、自分を含めみんなに関わっている問題で、そういうことを感じていただけるのではないかと思います。

増尾聡さん増尾聡さん

岡村さんは、インドの「ごみと暮らす村」。インド政府が「プラスチック禁止」という対策に乗り出したようですが・・・。

岡村:日本を含め、プラスチックが社会からなくなることはないでしょうね。インドでは、ごみをその辺にポイッと捨てるのが当たり前。捨てる前に分別して、収集して、処理をしましょうという動きが今出てきたところです。でも、みんなのマインドがまだ切り替わっていないから、法律で急に禁止にしても無理がありますよね。

ごみの山で働く人たちの問題も大きいです。教育や習慣を変えていくのは本当に大変なことだし、インドは人口も増えているのでごみもたくさん出るでしょう。数年で人々のマインドを変えるのは難しいと思いますが、でもやらなくちゃ何も始まらないというのも事実ですよね。

岡村佐枝子さん岡村佐枝子さん

取材を通して、どんなことを伝えたいですか?

須賀川:確かに知らない人が捨てたごみの話だし、遠い国で起きているごみ問題かもしれません。ただ、人間の営みがあればごみを生むし、そのごみは巡り巡っていきます。処理されているものもあればされていないものもあり、処理をしている人たちもいる。そういう一つ一つに目を向けることで、日々の生活が少し変わるかもしれない。ごみはもう人類共通の課題だと感じてもらえるといいですね。

増尾:今買おうとしている服や捨てようとしている服が、どういうところに行くのか、それがどんな影響を及ぼすのか・・・。自分の行為の先までイメージするってなかなかないと思いますが、今回のVTRを見て、少しでも考えてもらえるといいなと思います。

岡村:ガラス瓶は誰かが丁寧に洗ってくれて初めてリサイクルができるし、プラスチックをリサイクルするには10種類ぐらいに細かく分ける必要があるそうです。今回初めて知りました。正直、私はパスタの缶をシャカシャカと洗って、少し汚れが残っていても「ま、いいか」と捨ててしまうことがありました。そういうごみのために、こんなに頑張ってくれている人たちがいることを知って、意識が全然足りなかったなと。私が取材したのはインドですが、皆さんもぜひ “自分事”としてごみ問題を考えるきっかけになればいいなと思います。

番組情報

クレイジージャーニー
毎週月曜よる9時から放送中

PICK UP