TBSで放送中の高橋一生主演の金曜ドラマ『インビジブル』(毎週金曜よる10時)。本作は高橋演じる元捜査一課の刑事・志村貴文が、警察すら存在を知らない凶悪犯、通称“クリミナルズ”をとらえるため、犯罪コーディネーター“インビジブル”・キリコ(柴咲コウ)と異色のバディを組む前代未聞の犯罪エンターテインメントだ。今回はキリコが保護されている“民宿”と呼ばれるセットを紹介。こだわりについて美術デザイナーの串岡良太郎氏に話を聞いた。
ワクワクする世界観を作りたかった

警察の隠語で“民宿”と呼ばれるキリコが暮らす部屋は、警視庁管轄の建物にあり、要人を匿うためのシェルターという設定。もともとはシェルターのイメージ通りに無機質な部屋にしようと考えていたそう。「“民宿”の廊下を下見に行ったのですが、簡素で独特な雰囲気がすごく気に入りました。セットとしてはその廊下とセット内のギャップを持たせられたら面白いなと考え、内装を洋館テイストにデザインしました」とのこと。

参考にしようと数々の洋館を巡ったそうだが、世界観についてはファンタジー要素を入れたとか。「ハリーポッターの世界観やディズニーランドなど、入ったらワクワクする空間にしたいと思いデザインしました。シックな色合いで統一しつつ、差し色で青を入れたり冷蔵庫やカーテンの一部に色があるものを入れることで華やかさを出しました」。

冷蔵庫をはじめ、家具や置物にもこだわりが。「冷蔵庫と湯沸かし器はメーカーさんを紹介していただきお借りすることができました。家具もアンティークのものなど高価なものを置いていて、実際に売られている絵をギャラリーからお借りしたりもしました。ほかの飾りも装飾の牛山範洋さんがイメージにぴったりものを選んでくださいました」。

地下室ながら高い天井なのも印象的。「シェード付きのシャンデリアが個人的に好きで、今回使うことにしました。また、ある程度天井が高い円柱状の空間にしたのですが、躯体の曲線部分を分かりやすく表現するために螺旋階段を取り入れました。床にもこだわっていて、市松模様はくどくならないような素材を選びました」。

区切りがほとんどなく、ひとつの大きな空間として存在しているが、「場所によって背景が毎回違うと単調にならないのではないか」と考え、壁紙を細かく切り替えているという。「やりすぎると下品になってしまうので、色味に統一感を持たせて柄を変えています。規則性はあって、低いところは木目で、高いところにしか柄は使わなかったり、2階部分だけ黒系を使ったり。画替わりはするけどあくまで違和感がないように気をつけました」。

独特の空間にさまざまなこだわりが詰め込まれている民宿。今後、志村とキリコがどんなやりとりを繰り広げるのか、お楽しみに!
■番組概要
〔タイトル〕
金曜ドラマ『インビジブル』
〔放送日時〕
毎週金曜よる10時~10時54分