コーヒーを入れたあとに残る、粉。大手食品メーカー「ネスレ日本」が、そのコーヒー粉を使った新しい試みに取り組んでいます。
コーヒーでTシャツを作る!?
「ROASTELIER by NESCAFÉ」(兵庫・神戸)は、ネスレ直営のカフェ。こちらのお店では、一日約3キロ・年間約1トンもの使用済みコーヒー粉が出ているそうです。

これまで廃棄していたコーヒー粉を再利用するため、ネスレが繊維メーカーと協力して開発したのが、染料です。コーヒー粉の染料でじっくり染め上げると、生地は美しいベージュ色に。

さらに、生地も企業と組んで開発しました。
原料になるのは、家庭用コーヒー詰め替えパック。パックからリサイクルした再生紙を糸にしてつむぎ、綿糸と共に編み込みました。

完成した生地は、綿だけのものより、さらっとした肌ざわりに。仕立てたTシャツを着てみると「生地に張りがあるので、高級感が出る」という感想を持つ人もいます。

今後、ネスレでは、染色した生地を使い、直営店のユニフォームや、キャンペーン景品用Tシャツ等を作る案を検討しているそうです。
身近で、楽しい「SDGs」の活動を
こうした取り組みを行っているのが、「ネスレ日本」の吉永さん。コーヒー製品の企画開発・プロモーションを統括する部署で働きながら、商品を使った身近な「SDGs(※持続可能な開発をしながらより良い世界を目指す国際目標)」の活動に取り組んでいます。

吉永さんが考えるのは、「子どもたちや未来の世代の人たちに、わかりやすくこの活動を感じていただく」こと。
ほかにも、エコ工作をネットで紹介、家庭用コーヒーの詰め替え容器で作ったノートで人気漫画『宇宙兄弟』とコラボする等、気軽にエコに興味を持てるきっかけ作りを行ってきました。

捨てられるものを楽しいものに生まれ変わらせる、ユニークな挑戦を吉永さんは続けています。
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