TBSで放送中の日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』(毎週日曜よる9時放送)。小松左京による不朽の名作「日本沈没」に大きくアレンジを加えた今作は、2023年の東京が舞台。主人公含めオリジナルキャラクターが、沈没の危機に立ち向かう姿を描く。今回は小栗旬演じる環境省の天海啓示をはじめとする日本未来推進会議メンバーと共に、日本沈没から国民を救うべく奮闘する、若き総理大臣・東山栄一役の仲村トオルをインタビュー。役どころや印象的なエピソードについて話を聞いた。
国民を説得しなければいけないシーンが一番しんどかった
――東山総理を演じての感想を教えてください。
東山は日本が沈没するかもしれないという危機的状況の中で舵取りをしなければならない総理大臣でありながら、本当の意味での最大権力者ではない人物。物語の序盤は特に弱さや人としての小ささも垣間見えたと思いますが、危機に直面しながら、人として、総理大臣として成長していくつもりで演じました。
気が抜けないシーンばかりで、想像よりはるかに背負うものが大きくて、特に撮影が始まった頃は予想していた以上に緊張しましたね。ただ、共演経験のある小栗(旬)くんや香川(照之)くんと一緒のシーンは、シーンとしての緊張感はありましたが、どこか安心感のようなものも感じました。
――大変だったシーンはありますか?
記者会見のシーンですね。多くの記者の方を前にして、自分の話す言葉を快く聞いてもらえないことが内心わかっている状況の中で、国民を説得しなければいけない、というのが一番しんどかったです。総理大臣という立場だからこそ伝えきれない真実もありますが、それでも後に裏切ったと言われるような発言にならないように意識して演じていました。
撮影が終わってから現実の政治家の方々が発言している映像などを見ると、いろんな事情があって言えないことがあるんだろうなと、どこか優しい眼差しで見るようになりましたね。

――演じる中で、印象的なエピソードがありましたら教えてください。
昔、香川くんと小栗くんとは、大きな災害があった首都圏で復興を目指す連続ドラマで共演して。その作品では小栗くんが大学生の役で僕は若手の国会議員の役、香川くんは病院の医局長の役でした。その時の話を香川くんとしていたときに、「当時の大学生が国のために働こうとして勉強して官僚になって、若手の国会議員が努力して総理大臣に上りつめたと考えるとちょっと面白いよね」と盛り上がりました。そのイメージは今回、演じる上でプラスになったかなと思います。
――最後に視聴者の方へメッセージをお願いします。
国が国土を失い、国民の財産が失われるかもしれない厳しい状況で、リーダー的存在の人間たちが巨大な不幸に抗う姿から希望を感じていただけるように頑張りました。そこを是非見届けていただければと思います。
■番組概要
〔タイトル〕
日曜劇場『日本沈没―希望のひと―』
〔放送日時〕
毎週日曜よる9時~9時54分