TBSで放送中の金曜ドラマ『最愛』。殺人事件の重要参考人となった女性実業家・真田梨央(吉高由里子)と、彼女を追う刑事・宮崎大輝(松下洸平)、そして梨央を支える弁護士・加瀬賢一郎(井浦新)を中心に描かれるサスペンスラブストーリー。物語が後半に差し掛かり、改めてラストに向けての見どころを聞くべく、宮崎大輝を演じる松下洸平にインタビュー。心境の変化や撮影でのエピソードなどを聞いた。
大輝は僕が思っていた以上に不器用な人間でした
——これまで宮崎大輝を演じてきて、新たな発見はありましたか?
台本を読んだだけではわからない大輝と梨央との関係性は回が進むごとに見えてきたと思います。大輝の細かい性格についても、桑田(佐久間由衣)や山尾(津田健次郎)と一緒にお芝居することで、つかめました。そして、改めて芝居は1人ではできないものだなと。共演する方々と一緒に演じることで人物がふくらんでいくことを『最愛』の現場で感じました。また、恋愛に関して、僕が思っていた以上に大輝は不器用な人間だということもわかりました。もう大人ですし、梨央に対してはっきり自分の気持ちを伝えるのかなと思っていたら、もじもじしてしまうところもあって(笑)。大輝はとても可愛らしい一面を持った人だったということが演じていく中で見つけた新たな発見です。
——撮影で印象に残っているシーンはありますか?
第5話で容疑者である情報屋の生田誠(高橋文哉)が、梨央の弟の優であることを大輝が認識したシーンがありました。そのとき山尾に生田誠は朝宮優だと報告するときの芝居はとてもつらかったことを覚えています。白川郷で一緒に過ごしていた9歳の優の笑顔が一瞬でフラッシュバックしてきて。でも、刑事として隠しておくわけにはいかない。その気持ちを抑えて報告するときは、非常に苦しかったです。逆に役者としては俳優冥利につきる素晴らしいシーンをいただけたと思います。

あと、第6話で「もう会わんようにする」という梨央に「勝手に決めんな!」と大輝が叫ぶシーンがありました。現場ではいろいろな角度から撮るのでリハーサルも含め、20回ぐらい叫んだんです。実は撮影の翌日、歌のレコーディングがあったので「大丈夫かな」と不安だったのですが、喉が解放されたせいか、めちゃくちゃ声が出ました。これからレコーディング前の練習に叫ぶことを取り入れようかなと思ったほどです(笑)。
——撮影で一番距離が縮まった共演者の方はどなたですか?
新さんです。尊敬する先輩ですし、僕のほうから率先して新さんに話しかけました。今では何かあると連絡をいただけますし、Instagramのコメントでも楽しくやりとりをさせていただけるので、本当にうれしいです。とても大好きな方です。
——宇多田ヒカルさんの歌う主題歌「君に夢中」にインスピレーションを受けることはありますか?
僕にとって「君に夢中」の存在はとても大きいです。現場では、みなさんと「今のところで絶対にイントロがかかるよね」と言い合いながら撮影をしたり。歌詞は、梨央や大輝、加瀬、誰にも当てはまるフレーズだと思います。僕自身この曲に助けられたことが何度もあって。僕は俳優業だけでなく、音楽やいろいろなことをさせていただいているのですが、うまく切り替えられないとき、「君に夢中」を聴くだけで体が“大輝モード”になります。自分の体に宇多田さんの楽曲が浸透しているんだと実感しました。宇多田さんに主題歌を手掛けていただいて、本当に良かったと思いますし、たくさんの刺激をいただいています。

——物語はこれからさらに佳境を迎えていきます。見どころなどメッセージをお願いします。
第7話で大輝は捜査一課を外されてしまいます。ショックだとは思いますが、自分で行動した結果なので大輝も後悔していないと思っていて。そんな大輝が、第8話から梨央とどう向き合っていくか。そして捜査一課を外されて、事件を追うことができなくなった自分を許せるのか。彼がこれから生きていく上で、自分の立ち位置が試される第8話になると思います。どうぞご期待ください。
■番組概要
[タイトル]
金曜ドラマ『最愛』
[放送日時]
毎週金曜よる10時~10時54分