不思議なシンボルが描かれた屋根
南イタリアにある世界遺産の街「アルベロベッロ」。そこには、「トゥルッリ」と呼ばれるトンガリ屋根の家がおよそ1600軒も建ち並んでいます。
家々をよく見ると、なぜか屋根に月やハートなどが描かれているものがあります。

実は、これらのシンボルは“家族を悪魔の目から守る魔よけ”、あるいは“豊作を願うお守り”などの理由から描かれたと考えられています。
また、屋根の先端にも「ピナーコロ」という不思議な飾りがついており、“屋根職人が署名代わりにつけたマーク”だったとされています。

しかし一説では、“原始の太陽崇拝にルーツがある”という説もあるそうです。
400年前の世界遺産をリフォーム!?
もともと16世紀に移り住んだ開拓農民が建て始めたというトゥルッリ。住居などに使用して、受け継がれてきました。
街にはなんと、モダンなリフォームを施して暮らす家族もいます。

開口部が少ないトゥルッリですが、白く塗られた壁や高窓などにより明るさを保っています。
石造りであるため、気温が40度を超す真夏も室温は18度ほどに保たれ、冷房は必要ないそう。
夏は涼しく冬は暖かい性質のあるトゥルッリですが、現在はそれらをスイートルームにして営業するホテルもあります。

アルベロベッロのトゥルッリは「伝統を今に伝えるユニークな建築」であることから1996年、世界遺産に登録されました。

修復作業も、昔ながらの方法で続けられているというトゥルッリ。
およそ400年にもわたって人々が守り受け継いできた“おとぎの国”のような街は、今も美しい景観を私たちに見せてくれます。
世界遺産
日曜よる6:00~