“東京の水道水”で造ったお酒が美味だった!

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「東京の水道水」は日本酒にぴったり

東京港醸造(とうきょうみなとじょうぞう)が造っているお酒は、「All Edo」や「All Tokyo」など、東京の水道水を使った日本酒

実は東京の水道水は、お酒の味を落とす“鉄”や“マンガン”が全く含まれていないうえに、高度な浄水処理がされていて安全です。

All EdoAll Edo

お酒の美味しさを左右する水ですが、東京の水道水の水質は、“名水”と呼ばれる京都の伏見の水によく似ているとされており、優しい口当たりの日本酒を造ることが可能です。

ちなみに「All Tokyo」に使われているお米は、多摩のコシヒカリ。

東京の水道水を使った日本酒東京の水道水を使った日本酒

日本酒造りに欠かせないお米を発酵させる酵母菌は、日比谷公園のハチから採取したものです。すべて東京産の素材で造られた日本酒は、スッキリと飲みやすい一品に仕上がっています。

「4階建ての狭いビル」で日本酒造り

東京港醸造は、東京23区内で唯一の酒蔵で、港区にあります。一般的な酒蔵は、自然豊かな場所にあって広々としているイメージですが、東京港醸造があるのは4階建ての狭いビル。

東京港醸造東京港醸造

大きなビルが立ち並ぶ街のど真ん中、“ビルの谷間”で日本酒を製造しています。このような環境で日本酒造りを行うのには、2つの利点がありました。

利点① 日本酒造りにビルがぴったり

日本酒は、酒蔵の窓をできるだけ小さくするなど、なるべく日の当たらない場所で米を発酵させて造るのが基本。そのため、日差しが直接当たらないビルの谷間は、日本酒造りにピッタリの環境です。

また、ビルの狭さや“縦長”な構造を生かし、コンパクトな設備でお酒造りを行っているのも特徴のひとつ。

たとえば、重力を利用してパイプなどからお米やお酒を階下に落とすことで、材料などの移動を効率的に行っています。

利点② 一年中酒造りができる

酒造りでは、温度管理が重要です。
通常、夏場はエネルギーをかけて冷やさなければならないため、“冬しかお酒を造らない”という酒蔵がほとんどです。しかし、狭いビルの中なら温度管理も容易。

常に新鮮なお酒を提供常に新鮮なお酒を提供

冬と同じ環境にするための電気代が少なくて済むため、東京港醸造では、春夏秋冬一年を通して酒造りが可能。常に新鮮なお酒を提供することができます。

東京港醸造を運営する(株)若松は、社長の自宅を使い7年ほどかけて勉強しながら、東京での日本酒造りを実現しました。
当初は、昔の水道水のイメージが悪いことから「水道水で造った酒なんか飲めるか!」と敬遠するお客さんも中には存在しましたが、キッチンカーで都内のお祭りやイベントなど、至る所で宣伝を実施。

キッチンカーで宣伝キッチンカーで宣伝

実際にお客さんにお酒を飲んでもらうことで、お酒の美味しさを広めることに成功しています。

(株)若松の酒造部門の売り上げは、日本酒を造り始めて以降毎年2割3割アップしており、コロナ後はさらに出荷量が増える見込みと好調です(※2021年8月放送時点)