毎週日曜よる9時、TBSで放送中の鈴木亮平主演の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。最新の医療機器とオペ室を搭載した「走る手術室」で、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、“一人も死者を出さない”ために奮闘する救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く本作。今回、入院している子供たちやその家族をサポートするNPO法人のスタッフとして働いている、主人公・喜多見幸太(鈴木)の妹・喜多見涼香を演じる佐藤栞里にインタビューし、主演・鈴木の印象や本作の魅力、演じる上で意識していることなどを聞いた。
調子に乗って「自慢のお兄ちゃん!」と思っている時があります(笑)
――涼香を演じる際に意識していることは?
演技や連続ドラマがほとんど初めてで、役作りというものを今までしたことがなかったのでどうしたらいいかわからなかったんですけど、撮影が進んでいく中でお兄ちゃんの顔を思い浮かべると自然と涼香になれるようになった感覚があります。涼香さんも多分、人一倍思いやりがあって優しくて正義感もあってというタイプで、お兄ちゃんである喜多見幸太さんを感じる部分が多くて。あと、現場で監督が涼香の気持ちや行動の意味を私にお話してくださるので、それで何とか涼香に近づけているのかなと思う日々です。
――ビジュアルなど何か佐藤さんの方からご提案されたことはありますか?
いえいえ、初めての現場なのでおこがましいと思ってそこまではできていないのですが・・・でもヘアメイクさんが「涼香は優しくて子供想いだから、髪は巻いた方が優しく見えるよね」というふうに教えてくださったり、「音羽先生と2人きりのシーンだからワンピースを用意してみたよ!」って衣装さんから言ってくださって。服装からも「なるほど、やっぱり涼香はこういう方なんだな」といつも勉強させてもらってます。
――放送始まってから周囲のご反響などはいかがでしょうか?
すごく反響をいただいてます! ドラマが終わった後、Instagramに「勇気が出ました」「明日から頑張ります!」という声もたくさんいただきますし、南原(清隆)さんやいとうあさこさん、チョコレートプラネットの松尾(駿)さん、など『ヒルナンデス』でご一緒している方々が生放送前にドラマに対する熱い感想を言ってくださるので、すごく嬉しくて励みになっています。スタッフさんにも「見たよ、感動した」と言ってもらえるので、会話のきっかけになっていることもとてもありがたいです。
――涼香の兄・喜多見幸太を演じる鈴木亮平さんのご印象は?
本当にすごく素敵な方です! 撮影初日、私が信じられないほど緊張してたんですけど、最初のシーンのリハーサル後、鈴木亮平さんが「僕たち目が垂れているし、身長も高いから本当の兄妹みたいだよね」と声をかけてくださって、とても安心しました。4話の撮影で私のセリフのタイミングが遅くてもう一度、となった時も「大丈夫だよ、何回もやればいいから」と言ってくださったり。
あと印象的だったのは、5 話の撮影でヘルメットを被ってエレベーターまで降りてくるシーンの時に、どうやらヘルメットが少しきつかったみたいで、渡してくれたスタッフの方に「あれ、ちょっと小さいな。俺、今日頭腫れてるのかな(笑)」 と笑いながらおっしゃっていました。“サイズがきつい”ということをユーモアを交えてお伝えになっていて、そのスタッフさんも周りのみんなも笑っていて、こういう亮平さんのお人柄とか優しい言葉が、この現場のあたたかさを作り出しているんだなと、なんだかジーンと来てしまいました。周りを常に見てくださってる方だなと感じて、調子に乗って「かっこいいお兄ちゃん!」「自慢のお兄ちゃん!」と思っている時があります(笑)。
――演じていて大変だった場面は?
第5話のエレベーターに閉じ込められた事故で音羽先生に向かって「最低!」って睨み付けるシーンがあったんですけど、正直そういう表情や言葉をあまり普段使ったことがなかったので「どうしたらいいんだろう」と悩んでたんです。そしたら音羽先生役の賀来賢人さんが「怒りの表情を出したいときはアゴを出したらいいんだよ」と教えてくれて、なるほどと思って、カメラに向かってアゴを出しながら「最低」って言ったら賀来さんが「ねぇ、嘘だよ!」とすごい笑いながら仰ってて(笑)。
第5話の撮影初日ですごく緊張していたんですが、カメラマンさん監督さんなど皆さんが笑ってくださったので、その瞬間緊張がフッと解けた感覚がありました。それまでは不安でいっぱいで、周りの方に迷惑かけちゃいけない、失敗しちゃいけないという気持ちばっかりだったんですけど、賀来さんのその言葉で緊張がほぐれて、涼香に集中できた気がします。
音羽先生メイン回だったのでご自身にとっても重要なシーンばかりで覚えることがたくさんあったと思うんですけど、周りのことを見て和ませてくださって・・・すごく感謝しています。
――第5話は特に涼香にとっては大変な回でしたね。
エレベーターの中で彩乃(河井青葉)さんという妊婦さんを「大丈夫ですよ、必ず助けは来きますから」と涼香が励ますシーンがあったんですけど、リハーサルのときから感極まってしまってずっと声の震えが止まらなかったんです。彩乃さんも本当に苦しそうだし、赤ちゃんの命の危険を皆さんの演技で感じたし、音羽先生がこの状況下の中、必死に命を救おうとしている姿を間近で見て感情が高ぶってしまって・・・。
でも本番前に監督が私のところに来てくださって「涼香はすごく強い人で彩乃さんを一生懸命励まそうとしてるから、強い心を持ってね。今は『必ず助けるんだ』という気持ちだけで。泣かないで」と言われたんです。それで、私とは違って涼香は強い人だから、涼香の意思を持って演じなければいけないなと思うことが出来ました。改めて涼香の素敵なところを感じた瞬間でもあったので、やっぱりあの回はすごく印象的です。
――お芝居で共演者の方々から刺激を受けたことはありますか?
MERチームのみなさんとご一緒するのはスタッフルームのシーンが多いのですが、皆さんの会話がプライベートでお喋りしてるみたいにリアルなんですよね。私だったら、相手の言葉を待ってからセリフを言うという感じになってしまうんですけど、皆さんは本当の会話みたいにスムーズにキャッチボールしていて、どう練習してたのかなと思うくらい驚きました。皆さん普段から仲が良くて、クラスメイトみたいにずっと和気あいあいとされていて私は勝手に青春を感じますし、その空気感が撮影にも出ているなあと思います。
――これまで放送された中で特に感動したお気に入りの場面などは?
お気に入りのシーンはすごくたくさんあって迷うのですが・・・特にバディのシーンが好きです。例えば第4話のトンネル崩落事故で喜多見先生と千住さんが一緒に現場に入ろうとする場面で、「止めても無駄ですよ」「足を引っ張ったらぶっ飛ばす」「了解」みたいにやり取りをするところとか、喜多見先生と千晶さんのグータッチ、音羽先生のエアーグータッチ、あとは第5話で倒れ込む音羽先生を喜多見先生が抱きかかえるシーンもすごく好きです。でも本当に毎話どのシーンも素敵で、台本読んで泣いて、オンエアを見ても泣くという・・・そんな状態で毎週暮らしています(笑)。
――音羽先生と涼香の関係に注目している視聴者の方もいると思うのですが、今後どうなるんでしょうか?
クッキーの差し入れをする時に小箱を特別に用意するくらいなので、涼香さんはきっと音羽先生への思いが話数を重るごとに強くなっていると思います。私は視聴者としても涼香としても、音羽先生の笑顔を見たいなと思っていて、その笑顔を引き出せるのはきっとMERのメンバーだとは思うんですが、そこにちょっぴり涼香も入れたらいいなという個人的な思いがあります(笑)。
――改めて、佐藤さんご自身が感じている本作の魅力を教えてください。
涼香さんのセリフで「誰にだってできることはあると思います」という言葉があって、それがとても好きなんです。私は常に自信がないタイプですが、どの立場、どんな状況でも今自分にできることはあって。それが何かを考えて探して見つけてもし行動することができたら、その場にいる誰か1人でも笑顔になってもらえたら「私はここにいてよかったんだな」と思えると思うんです。
『TOKYO MER』では、そうやってチームの皆さんそれぞれが自分にできることを最大限に表現していて、私も視聴者として見ていてすごく勇気をもらえています。毎話、「自分にできることは何だろう」とか「明日これを頑張ってみよう」という気持ちになれる作品だなと思うので、ぜひ皆さんにも感じていただけたらと思います。
■番組概要
[タイトル]
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54