『TOKYO MER』夢のERカー&スタッフルームのこだわりに迫る!美術セット紹介

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毎週日曜よる9時、TBSで放送中の鈴木亮平主演の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』。最新の医療機器とオペ室を搭載した「走る手術室」で、危険極まりない重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、“一人も死者を出さない”ために奮闘する救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く本作。

8月22日に放送された第8話ではついに喜多見(鈴木亮平)の“空白の一年”が明らかになりチームの団結力が更に増し、ますます見逃せない展開になっているが、本作の魅力をさらに深堀りすべく渡辺良介プロデューサーと美術デザイナー・古積弘二氏にインタビューし、MER“8人目のメンバー”とも言える特殊車両・ERカーの内部とスタッフルームセットのこだわりや注目ポイントなどを聞いた。

近未来的なカッコいいビジュアル&オリジナルギミックてんこ盛り!

――“走る緊急救命室”ことERカーのコンセプトを教えて下さい。

渡辺:ERカーの製作には、約6ヶ月間かかりました。“走る緊急救命室”というサブタイトルにもあるように、TOKYO MERメンバーと共にオペカーも主役の一部であるという考えでした。テーマは、“救命現場に駆けつける究極のオペカー”。近未来的なイメージのスタイリッシュで存在感のあるデザインを目指しましたが、それが非現実的なものではなく、今の技術で実現可能なオペカーにすることにはこだわりました。

古積:近未来に、といってもすぐ先の未来、つまり何年か後の現実の世界に登場してもおかしくないリアリティを狙いつつも、ワクワクするようなビジュアルとギミックが詰まったオリジナルのデザインを目指しました。

AIを搭載した設定のERカーはT01(ティーオーワン)と呼ばれ、ある種擬人化されており、MERメンバーの音声を認識し装置を作動させます。手術前の着替えや手の消毒などを行うオペ前室天井の空気洗浄ファンやくもりガラスが透明になる機能を持つ自動ドアの開閉などがそれに当たります。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内

また、手術室内にドックと呼ばれる装置を作りました。運び込まれたストレッチャーがそこにおさまると、その真上の円形天井がせり上がることで露出した照明により一気に部屋が明るくなると同時に無影灯がロック解除されて使用できるようになり、手術の開始を知らせます。この一連の動きも、監督やプロデューサーと何度も打ち合わせを重ねて作り上げた、TOKYO MERオリジナルのギミックです。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内

――スタッフルームのコンセプトも教えて下さい。

渡辺:スタッフルームは、病院の一部に急ごしらえで作られたという設定を意識しています。どこかガレージの雰囲気のある空間を目指しました。現実離れしておらず、かつ機能的で、チームの居場所としての居心地の良い場所でありたいと思いました。また、喜多見(鈴木)が筋トレしやすい場所を作ることも考えてあります。

古積:彼らの居場所であるスタッフルームは、総合病院の本棟と車両ガレージの間にある倉庫を改修してできたという設定です。MERという組織は、その新しい試みが正式に認可されるかどうかという位置付けから始まるので、未だ全てが潤沢というわけではありません。倉庫をベースにしたシンプルで無骨で気取らないセット、というコンセプトが最初にありました。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム
『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム

――作っていく中で特にこだわったところは? 

渡辺:ERカーは狭い空間をいかに機能的にするかを詰めていきました。本来オペをする場合は患者の移し替えが必要ですが、現場で患者を載せたストレッチャーがそのままオペ室まで運べてオペ台になるという仕組みにしたのは、1秒が生死を決める救命現場においての理想を追求した結果でドラマオリジナルの仕様です。本来、救急搬送用の電動ストレッチャーは、ボタンひとつで昇降し、力をかけずに救急車両への搬出入ができる患者さんの安全な搬送と救急隊員の負荷軽減に役立つアイテムですが、今回は作品の演出上、実際とは異なる使い方をさせてもらっています。また、患者の生体情報モニターを一元化していたり、狭い空間でオペをしやすい空間を作ることに役立っています。

(ストレッチャーの正しい使い方動画はこちら)

古積:“本格救命医療ドラマである上で必要なリアリティ”と、それと共存できる”ビジュアルの格好良さ”、にこだわりました。大人も子供も「かっこいいね!」と思えるような車体のデザイン、内部セットのデザイン。T01だけでなく乗用車タイプのT02やバイクのT03に至るまで、格好いいデザインにこだわっています。中でもT01の外装デザインは、プロデューサー陣、監督らと打ち合わせを重ね、何十パターンのプランを比較検討した上で決定されています。配色だけでなく、バンパーの設計などの細部にもプロデューサーや監督のこだわりが反映されています。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』『TOKYO MER~走る緊急救命室~』

――ERカー内部は、必要なのものを揃え、配置しつつ、オペ動線を確保するのが大変だと思うのですが、その点で気を付けたことは?

古積:セットのラフプランを実際のスケールでフロアにマーキングした部屋に機材を配置し、何度もリハーサルを行いました。松木(彩)監督と意見交換をしながら少しずつ修正していき決定プランに辿り着きました。キャストの動きが成立することは大前提ですが、決して動きやすさを追求しすぎない事を意識して、タイトで無駄のない空間から臨場感、緊張感が生まれることを期待してデザインしました。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内『TOKYO MER~走る緊急救命室~』ERカー内

――スタッフルームにある喜多見のデスクは少し乱雑ですがキャラクターをどのように反映させてますか?

渡辺:今の時代にあったフリーアドレスという設定です。チーフの喜多見は寝泊まりすることが多いので、私物のトランクケースやトレーニンググッズなどが一角に乱雑に置かれていますが、きっと夏梅さん(菜々緒)に片付けろと怒られているのだと思います(笑)。

古積:喜多見先生は自分の席のすぐ後ろの、階段の下あたりに寝袋をおき、なかば住み込んでいる状態です。傷だらけのトランクケースをはじめ、最新機材の資料や論文、そして衣料品や筋トレアイテムなどが混在しています。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム

デスクの上は、MERの立ち上げのために半年以上前から先行して、必要な機材選びや研究を行なってきたその痕跡を表現しようとしました。片付けられないユーモラスなキャラクターが、現場ではものすごく頼れる医師である、そのギャップを狙っているという一面もあるのですが、単純な”片付けられない天才肌の人”ではないようにも思えます。MERの立ち上げが正式に認可されるまでは少し無理なシフトで頑張っており、飄々として見えるキャラクターですが、実は限界まで努力をしている、そういう解釈もあり、散らかしています。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム


――喜多見以外のキャラクターの個性が出ている部分はありますか?

古積:臨床工学技士である徳丸さん(佐野勇斗)はメカオタクで、MERスタッフルームでも機械をいじっていることが多く、ガラスブース前の機材置き場から、キャスター付きの丸イスで床を滑り、ミーティングテーブルに合流してきます。ガラスブース内には麻酔科医の冬木先生(小手伸也)が扱う機材などがあり、また、保温庫や保冷庫もあります。ブースの上の中二階部分には、棚の中に消耗品が沢山おいてあり、夏梅さんやミン(フォンチー)さんが救急バッグの中身を補充したりします。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム
『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム

――他にあまり画面に映ってないけど「実はこんなのがあります!」というようなものや、こだわっているポイントがあれば教えてください。

古積:スタッフルームの皆のロッカーが置いてある場所は、階段が数段ありステージのような形状になっています。よく喜多見チーフが体幹トレーニングをしている場所でもありますが、実は教会の祭壇をモチーフにした形状です。ロッカーを、更衣室のようなところではなく、ミーティングテーブルから見える場所に置きたいという監督のアイデアがあり、それを受け、私としては彼らが出動していく様を、ヒーローたちが変身するかのように見せたいという思いであのような場所を作りました。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム『TOKYO MER~走る緊急救命室~』スタッフルーム

――視聴者の方へのメッセージをお願いします。

渡辺:走るオペカーは、今はまだ架空のものですが、監修の医師からは理想の医療車両との太鼓判を頂いています。近い将来にオペカーが実現化され、救えなかった命が救えるようになればという思いでデザインしています。美術はドラマの世界観を構築する大切な要素で、美術スタッフが創意工夫していますので画面の端にあるものも注目してご覧頂ければ、よりドラマが楽しんで頂けると思います。

古積:後半戦も目が離せない展開になっていると思います。皆様に楽しんでいただけたら幸いです。

『TOKYO MER~走る緊急救命室~』第9話より『TOKYO MER~走る緊急救命室~』第9話より

■番組概要

[タイトル]
日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』
[放送日時]
毎週日曜よる9:00~9:54

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