「スタートアップ」が未来を創る――。番組がオフィスに足を運び、話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。
AIを駆使した資産運用サービスを手がけるスタートアップのウェルスナビ。日本経済新聞の2018年「NEXTユニコーン調査」で18位にランクインしたフィンテックスタートアップの雄だが、起業したのは元財務官僚の柴山和久さん。なぜロボアドバイザーによる資産運用サービスを始めようと思い立ったのか?ロボアドを 使った柴山さんの資産運用状況は?
柴山・瀧口:よろしくお願いします。
瀧口:ウェルスナビさん、先日のネクストユニコーン調査で18位にランクインされていましたね。今画面に出ているQRコードにアクセスしていただくと日経新聞電子版のNEXTユニコーン調査の詳細ページにアクセスできます。
奥平:今回2回目の(NEXTユニコーン)調査なんですけど、ちょうどこの期間に資金調達もされているので、ぐっとバリュエーションも拡大して。
柴山:そうですね。バリュエーション自体も上がっていますけど、そもそも資金調達が必要なビジネスもあればそうではない事業もあるわけで。私たちの場合は資金調達がある程度必要な事業ですので、ユニコーンに近づいていけるようにバリュエーションを上げていく必要があるということです。
瀧口:ウェルスナビさんがやっていらっしゃるロボットアドバイザーのサービスは、どのようなものか教えていただけますか?
柴山:私たちウェルスナビのサービスは「長期・積立・分散」という資産運用の一番基本的なところを全て自動的に提供していこうというものです。PCでもできますし、スマホアプリでも完結します。資産運用のクオリティ自体は非常に高いものになっています。「長期・積立・分散」というのは海外の富裕層向けの資産運用のスタンダードになっているのですが、基本的にはそこと同じクオリティの資産運用を誰でも使えるように、しかも自動でスマホで隙間時間にできるようにということを実現しています。
瀧口:投資するとなると難しいというイメージが一般的にあると思うんですけど。
奥平:瀧口さんは投資をしていますか?
瀧口:私の家族が細々とやっているのはあるんですが、ただ本当に手探りなのでほとんど定期預金です。ちょっとだけやってみようかなと恐る恐るやっているんですけど。奥平さんはしていますか?
奥平:私もほぼ99.9%定期預金なんですけど、残り0.1%、運用と名がつくものに触ったのは、某カード会社のポイント運用です。本当にお遊びみたいなもので、本格的にしているかというと程遠いです。
柴山:ポイントですとおそらく少額なので、ポイント運用で老後の生活ができます、という感じではないですよね。どちらかというと入口ですね。
瀧口:ここの二人は入口で止まっています、ということですね(笑)。
奥平:今われわれは極端にレベルの低い話をしていますか?それとも一般的にこんな感じでしょうか?
柴山:世間一般はそういう感じだと思います。私自身公務員の時から経営コンサルタントを含めてお金に関する仕事をずっとやってきていますけど、割と私の周りでも資産運用をしていない人が多くて、どうやって資産運用をするべきなのかとよく聞かれましたね。こういう本を読んだらいいよというものが日本にはなかったので、事業を作り、本も書き、という感じでしたね(笑)。
奥平:だから今、年金も401kで(金融商品を)選ばせるじゃないですか。困っちゃいますよね。
柴山:そうですね。過半数の方が選べていないです。アメリカでは401kの95%以上が長期的なリスク資産、株式や債券、特に株式を中心とする投資になっているんですね。預金で401kをやっている人は5%未満しかいない。日本の場合は半分以上の方が定期預金です。
奥平:自動的に定期預金を選んでしまうわけですよね。
柴山:それは非常に日本が特殊な状態だと思います。ただ、先ほどのご質問の答えでもありますが、(日本では)そういう方が過半数なので。しかもそもそも401kをやっていない会社も多くて、上場企業の中でも半分くらいしかやっていない。401kがある企業でも半分の人が何に投資したらいいかわからないので、預金になっている。それだけで日本全体に占める割合が相当小さくなってしまいますから、入口で止まっている方が大多数だと思います。