旧ジュリアナ発の起業支援、パナソニックと婚活パーティーでコラボ

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旧ジュリアナ発の起業支援、パナソニックと婚活パーティーでコラボ
旧ジュリアナ発の起業支援、パナソニックと婚活パーティーでコラボ

「スタートアップ」が未来を創る――。話題のスタートアップや、イノベーティブな起業家をいち早く取り上げる「ビジネスにスグ効く」経済トークショー『日経STARTUP X』。PlusParaviでもテキストコンテンツとしてお届けする。

婚活パーティーに参加した男女が握手すると、年齢や住まいなどお互いの基本情報がタブレット端末に表示される――。このサービスは、パナソニックが開発した人体通信技術を活用し、QUANTUMが事業化したものだ。QUANTUMは他の大企業とも組んで新たな事業を次々と生み出している。大企業が同社と組むわけは? パートナーであるパナソニックのプロダクトマネージャーも参加して議論する。

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瀧口:では前編に引き続き、旧ジュリアナ東京からお届けしています。

奥平:テンション上げていきましょう(笑)。

瀧口:スタートアップスタジオを運営していらっしゃる株式会社QUANTUMのCEO、高松さんに引き続きお話を伺っていきます。そして後編では新たにお二人の方にお越しいただきました。QUANTUMのチーフエンジニアの志和(敏之)さん、そしてパナソニックの新規事業プロジェクトマネージャーの山田(亮)さんです。よろしくお願いします。

奥平:パナソニック出てきましたね(笑)。

瀧口:気になるのはこちらのテーブル、見てください。カラフルな腕時計のようなものが並んでいますけど、こちらはどういった商品ですか?

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志和:こちらは今QUANTUMで展開させていただいている人体通信を行うためのバンドです。「HiT(ヒット)」という商品になります。

瀧口:"人体通信"。聞きなれない言葉が出てきましたね。

志和:右手に巻いていただいて、握手やハイタッチをすることで情報交換ができます。

瀧口:一気に未来に来た感じがしますね(笑)。

奥平:人と人が具体的にコンタクトすることによって情報が伝わると。

志和:今弊社の方ではこれを婚活パーティーに利用しています。

奥平:なるほど。何でツヴァイさんのロゴが入っているんだろうと思っていました。

志和:ツヴァイさんの婚活パーティーで今利用していただいています。実際の使い方としましては、参加している男性の方と女性の方の右手に巻いてもらって、握手をするとお互いのプロフィールがタブレットに出てきます。

奥平:出力デバイスとしてタブレットと連動しているわけですね。

志和:はい。握手やハイタッチをすることによって彼らのコミュニケーションをサポートします。プロフィールを表示させたり、会話に詰まりそうな場面でトークトピックを与えたり。

瀧口:そんなことができるんですか。

奥平:技術的には無線通信になるわけですか?

志和:そうですね。電界通信と言われているものですが、このバンド間で通信をして、バンドの片方がタブレットにBluetoothでつながっていて、情報を吸い上げてこちらに送るという仕掛けです。

瀧口:今試すことはできますか?

志和:できます。

瀧口:ちょっとやってみてもいいですか?

志和:では右手に巻いていただいて。

瀧口:はい、装着しました。これは本人の情報がすでに登録されているんでしょうか?

山田:主催者の方が参加者のプロフィ―ルを持っているので、あらかじめ登録してもらいます。

瀧口:なるほど。今山田さんも付けていただいていますね。これから何をすればいいんでしょうか。

志和:握手かハイタッチをしていただけますか?

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瀧口:よろしくお願いします。ではハイタッチで。

奥平・瀧口:おおー。

瀧口:今ハートが出てきましたね。そしてこのプロフィールが出てくると。これ初めて会った方に年齢聞きづらいなっていう時に出てくるわけですね。話しながらちらっと見るような。そういう使い方ですか?

志和:そういう使い方もできますし、趣味も並べて表示させるので共通の趣味が分かりやすく、話題を始めやすい仕掛けになっています。

山田:私たち婚活パーティーをよく見ていますと、1対1で6分くらい会話する時間があってその中でプロフィールカードを交換するんですが、6分中4分くらいその紙をずっと見ているんです。

瀧口:それはもったいない(笑)。

山田:相手のことを見ていない。これを使うことによってデジタルで同じ物を見て同じ趣味を浮かび上がらせるようにすると、会話がめちゃくちゃ盛り上がる。最終的なマッチング率も上がりました。

奥平:ちゃんと効果が出ていますね。ちなみに山田さんは婚活パーティーのプロというわけではないですよね(笑)。

山田:必死で勉強しました(笑)。

奥平:元々はパナソニックの方ですか。

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山田:前職はマイクロソフトに勤めておりまして、デジタルを使った働き方改革やITを使って新しい事業を生み出すということをやっておりました。

奥平:そこからパナソニックに移られて。パナソニックではこのデバイスの基となる技術を担当されていたんでしょうか。

山田:人体通信技術といいますが、もともとは『E.T.』のような世界を実現したかったんですね。指を合わせて新しいコミュニケーションが図れるような。今SNSが出てきて人との付き合い方もだいぶ変化してきましたが、とはいえリアルも大事だということで、ちょうどアナログとデジタルの融合みたいな感じです。

これを使うとお互いの価値観を浮かび上がらせることもできますし、ビジネスシーンでも奥平さんと握手した瞬間にタブレットにお互い何を求めているのか浮かび上がってくるので、一気にコミュニケーションの質が上がるんです。よくパーティーなどで相手との共通点を探したりしますよね。その共通点がパッと浮かび上がるようなシステムです。