【ネタバレ】『ハンオシ』義兄夫婦に振り回される明葉と百瀬の恋心

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【ネタバレ】『ハンオシ』義兄夫婦に振り回される明葉と百瀬の恋心
【ネタバレ】『ハンオシ』義兄夫婦に振り回される明葉と百瀬の恋心

思わずTwitterで「美晴」と検索したらサジェスチョンで「嫌い」と出てきました。ですよね。

婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系/火曜22:00~)第5話は、夫婦の痴話喧嘩に明葉(清野菜名)と百瀬(坂口健太郎)が振り回された回でした。

百瀬、あんたは美晴のどこが好きなんや・・・?

離婚届を置いて、突然家を出た美晴(倉科カナ)。旭(前野朋哉)との妊活があまりうまくいかなかったことが原因のようですが、それはあくまできっかけで。要は、共に生活をしていると起きがちなコミュニケーション不足によるすれ違い。結局、2人はめでたく仲直りをして、仲良く家に帰っていきましたとさ。

って、なんじゃそりゃ。劇中のキャラクターを悪く言うのはあんまり主義ではないのですが、言わせてください。美晴、周りにいたら苦手なタイプだわ・・・。

愛想が良くて、気の利くふりを装っているけど、結局いちばん可愛いのは自分自身。最終的に旭のことが好きなんだと気づいたのは良かったねという話ですが、なんだかそれ以上に自分のことしか頭にないように感じられて、病室で抱き合う2人を見ながら、もう勝手にやってくれや・・・という気持ちに。

そんな感じだから、いつまでも美晴を引きずっている百瀬のことも今いち応援できず。ねえ? 百瀬、あんた、倉科カナの顔だけしか見てなくない・・・?

美晴は美晴で、百瀬が自分に好意を寄せていることを承知しながら手玉にとっている感が満載で。最後に明葉に「本当はお父さんみたいな人を好きになってた、とか...?」と問われ、「明葉ちゃん、何事も白黒つけようとしちゃダメよ」とあざとくかわした瞬間、清野菜名が"ミスパンダ"のコスチュームを着て美晴を成敗するエンドを期待しました。シロクロつけるパンダだよ!

好きだから、つい明葉も百瀬もズルくなってしまう

そんな『あざとくて何が悪いの?』ゲスト出演間違いなしの美晴にかき回されっぱなしだった今回。でも、嵐が訪れたからこそ見えたせつなさもありました。

まずは、百瀬のターンです。うわべだけの関係だった両親を見て、「私は、お互いに自分の気持ちをまっすぐぶつけて、ちゃんと向き合っていける夫婦になりたかったの」と明かす美晴。そんな美晴の本心を知りながら、旭に「美晴、何か言ってた?」と聞かれた百瀬は、つい「何も聞いてないよ」と嘘をついてしまいます。

もちろん第三者が伝えるにはセンシティブな内容なので控えたというのもあるでしょうが、それ以上にもしこのまま旭と美晴の関係が破綻したら自分にもチャンスがまわってくるかもしれないと邪な気持ちが働いた部分が大きいでしょう。

ズルい人間だということはわかっている。でも、ズルをしたって、掴み取りたいのが恋。兄と幸せに暮らしていると思っていたからこそ、不毛な恋とあきらめられた。だけど、兄と一緒にいても幸せじゃないなら、自分がこの手で幸せにしたい。無欲でいられた健気な片想いに、エゴが疼くのも無理はない話です。

だけど、なんだかんで美晴は兄のもとへ。目の前で熱く抱擁を交わす2人をただ見ているだけの百瀬が可哀相すぎて、こっそり部屋にサンドバッグとか買ってあげたかったです。

結局、百瀬の一方通行の片想いは、不毛な恋に元通り。本人はそれで満足しているようでしたが、ラストで自室に戻ったときの表情は今まで見せたことのないような険しいもの。これが松本清張原作なら、確実に旭に毒とか仕込んでる。次回はいよいよ唯斗(高杉真宙)が本格参戦してくるようなので、早く百瀬の矢印が明葉に向く展開が見たいです!

一方、もっとせつないのは明葉の方。百瀬に「美晴と兄貴はこのまま離婚してもいいんでしょうか」と聞かれ、「私は、お兄さんと美晴さんには仲の良い夫婦でいてほしいと思っています」と答えてしまいます。

その答えを聞いて、ちょっとがっかりしたような顔をする百瀬。本当は、明葉に言ってほしかったんでしょう、「百瀬さんはもっと自分の気持ちに正直になっていいんじゃないですか」と。人には誰かに背中を押してほしいときがあって、百瀬にとってはそれがこの瞬間だった。

でも、明葉は押せなかった。本当にただの"友達"なら、応援してあげるべきなのはわかる。でも、明葉はもう百瀬のことを"友達"として見ていないから、百瀬の望む振る舞いはしてあげられなかった。そういう自分がズルくて、情けなくて、だから付け足しのように「2人が納得した上で離婚を選ぶなら、それは悪いことじゃないんじゃないですか」と言い訳の余地を残してしまう。

今回は、そんな明葉と百瀬のズルさが浮き彫りになった回でした。でもなんだかそのズルさがすごくリアルで、恋をしたら、みんなズルくて、卑怯で、カッコ悪い自分になっちゃうんだよなとひとりで勝手にうなずきたくなった。

百瀬の名前だけが書かれた離婚届を見て、「もう終わっちゃうんだ。あんなに離婚したかったのに」と泣く明葉が、今回のハイライト。序盤から恋愛っ気のないところを強く印象づけてきた分、どんどん恋する女の子になっていく明葉の心の揺れ具合が鮮明で、清野菜名の好演が光ってくるようになりました。

美晴への不毛な恋問題はここでひと区切りついたようなので、次回からは新展開。明葉にグイグイ迫る唯斗に対し、百瀬が嫉妬心を募らせる様子も見られそうで、想像するだけでお赤飯がホッカホカに炊き上がっています。次回予告では、百瀬が励ましのキスを明葉にしそうになっているシーンもありましたが、相変わらず距離感がバクリまくっているところがいとおしいぞ百瀬。

とりあえずパジャマ姿にメガネの坂口健太郎のビジュアルが最高に良かったので、百瀬は毎回風邪をひいてください!

(文:横川良明/イラスト:まつもとりえこ)

【第6話(11月23日[火]放送)あらすじ】

百瀬(坂口健太郎)の不毛な恋を目の当たりにし、明葉(清野菜名)は自分の入り込む隙間なんてこれっぽっちもないことを思い知る。それでも百瀬と一緒にいたい明葉は、偽装夫婦という関係を死守せねばと意気込んでいた。
そんな中、母の葉子(杉本彩)と父の丈治(ルー大柴)が突然家にやって来て大慌て! 両親の登場で、明葉と百瀬を繋いでいた借金問題にも急展開が訪れる。  一方、仕事では明葉が大ファンと公言している作家・丸園ふみ(西尾まり)から本の装丁の依頼が舞い込んできた! チャンス到来と仕事に打ち込む明葉だが、なぜか雑念が増えていくばかり。仕事が上手くいっているとは言い難い状況で・・・。
さらに、明葉が先輩の深雪(中川翔子)から頼まれた合コンがキッカケとなり、唯斗(高杉真宙)が百瀬になぜか宣戦布告!? やがて、百瀬は"友達"という言葉では片付けられないような行動に出てしまい・・・!

◆番組情報
『婚姻届に判を捺しただけですが』
毎週火曜日22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
また、Paraviオリジナルストーリー「とにかく婚姻届に判を捺したいだけですが」が独占配信中。

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