世界一うまいバーガーを目指す、『DASHバーガー』!
今年3月、バンズの神髄を教わるため、城島とシンタローが向かったのが、創業41年の『峰屋』さん。
小麦の種類や硬さなど、その店の具材に合わせ、全てオーダーメイドで手掛け、「バンズと言えば峰屋」
とも言われる名店。都内の有名バーガー店のみならず、北は北海道、南は沖縄まで、全国から注文が。
城島らがアドバイスを求めたのが、“バンズの神様"こと高橋康弘さん、そして、息子の康太さん。
「バンズは中身をしっかり支えてやらないとダメ」「どこまでいっても女房役」とバンズの神様。
そんな、女房役にうってつけの神様イチ押しの国産小麦が“ハルユタカ"。
モチっとした食感、香り、旨味が特徴だという。神様曰く「異次元ですね」
今年4月、その秘密を学ぶため、城島、松島、藤原が日本最大の小麦の産地・北海道へ!
中でも、広大な平野が広がる江別市には、全国でも数少ない・幻の小麦を育てるプロが!
それが“ハルユタカ"を育てて18年の片岡貴弘さん。
目の前に広がる畑、全てが“ハルユタカ"。「収穫は7月末。ここから小麦になっていく」
夏、収穫を迎えると製粉され、日本全国へ。値段は、一般的な小麦粉のおよそ3倍の1キロ900円!
去年収穫した“ハルユタカ"。城島が生で食べてみると…「香り強い。他の小麦粉、生で食べられないよ」
さらに、水で練ってみると「赤ちゃんの肌」「練っていくとどんどんコシが!」
城島が確かめたかったのは弾力。「僕ら、前に“春よ恋"を作ったんですけど、弾力とか違いますね」
弾力の秘密はグルテンの質。グルテンとは、水とこねることでできるタンパク質の一種で、弾力の素。
以前、世界一うまいラーメン作りで使った“春よ恋"は、コシが強いグルテン。
一方、“ハルユタカ"はモチっとするグルテン。
そして、焼くことでさらに違いが!
「香り甘い!」「モッチモチ」「びっくりする食感」「やわらかさと強さを両方持ってる」
香りだけでなく、味も弾力も日本最高峰の“ハルユタカ"。
このバンズなら、世界に誇る和牛・但馬牛のガツンとした食べごたえと、脂の旨味に負けないはず!
そんな“ハルユタカ"をイチから自分たちの手で育てる!その方法が…「春まき小麦」
かつて福島DASH村で小麦を栽培した時は、秋にまき、穂を実らせるのに10ヶ月。
一方、“ハルユタカ"は、その名前の通り、春に種をまき、夏には穂を実らせ、収穫までわずか4ヶ月。
つまり、種をまくなら、4月中の今!
しかし「病気になりやすい。管理が難しくて、作るのをやめた人が多い」と片岡さん。
“ハルユタカ"は他の小麦と比べ、湿気に弱くカビがつき病気になりやすいという。
だが…「江別市が全体の9割。江別市限定の小麦」
そもそも、国内で流通している小麦の85%は、海外からの輸入品。
“ハルユタカ"は15%しかない国産小麦のうち、わずか0.3%。
それほど希少な品種が、ここ江別市で育てられているワケは…「風通しが良い」
江別市は、東西を山に囲まれ、南は太平洋から北は日本海から風の通り道に。
そのため、一年中風通しが良く、カビがつきにくい地域。
さらに「水はけの良い土が大事」
畑の土は、落ち葉や木の繊維が残った栄養がある泥炭土。
しかし、この泥炭土には、粘り気があるゆえに水はけが悪いという問題が。
そこで片岡さんは、水はけを良くするため、細いパイプを土の下に敷き詰めることで、余分な水分を土から出し、水はけが良い土地にしている。
つまり、幻の小麦“ハルユタカ"を育てるには「風通しが良い」「水はけが良い」という2つが、最低条件。
そこで城島が思いついた場所が、TOKIOが開拓を進めるフィールド、福島県西郷村の『TOKIO-BA』。
那須連山から吹き下ろす風、火山灰が積もった水はけの良い土と、まさに条件に合致。
片岡さんから貴重な“ハルユタカ"の種を分けて頂き、「ありがたく使わせていただきます!」
最高峰の小麦“ハルユタカ"を自分たちの手で育てる!
4月下旬。城島、藤原、リチャードは、福島県西郷村の『TOKIO-BA』へ!
「うわ!広い!」「東京ドーム2個分ぐらいかな」
初めてやって来た藤原とリチャードは走り回って大はしゃぎ。
そして、肝心の環境は…「風がすごく抜ける」「火山灰土やから、水はけがすごくいい」
“ハルユタカ"を育てるには良い条件。
しかし、城島には1つ気がかりなことが…「土のpH(ペーハー)がどうか」
pHとは、酸性かアルカリ性かを示す数値の事。
作物が育つのに良いとされるのは、pH6~7の土壌だが、『TOKIO-BA』の土は「酸性やね」
酸性の土壌だと、養分が土に吸い取られ、小麦が育たない可能性が…。
北海道で分けて頂いた“ハルユタカ"の貴重な種、まずは25mプールほどの広さで収穫を目指す。
そのためには…「いろんなもの入れて中和させていく」
城島が用意していたのが、DASH島から持ってきた貝殻。「要は石灰の役割」
貝殻には、酸性を中和するカルシウムだけでなく、植物の三大栄養素、窒素とリン酸も豊富。
25mプールほどの畑に必要なおよそ25キロ分の貝殻を、焼いて細かく砕いていく。
全ては、日本のうまいを詰め込んだバーガーで、世界大会へ挑むため!
さらに、酸性の土を中和させるアルカリ性をもう一つ。「枝とかを使おうかなと思って。草木灰」
福島DASH村でも使った、草木を燃やして作られる、有機肥料。
酸性の土壌を中和してくれるだけでなく、貝殻にはない植物の三大栄養素・カリウムが豊富。
貝殻と草木灰を畑の全面にまんべんなく撒き、城島運転の耕運機で細かい雑草を粉砕しながら、肥料を土に混ぜ込んでいく。「リーダーこんなんもできる?カッコええな」
畑に肥料を混ぜ込んだら、次はクワを使って畝づくり。
農業経験の浅い藤原は城島に教わりながら見よう見まねで試行錯誤を繰り返しながら。
一方、DASH島で大麦栽培の経験のあるリチャードは順調に。
そして、農業歴24年の城島はかなりのハイペースで。城島が急ぐワケは「日が暮れるとヤバい」
この日は4月下旬。春まき小麦の“ハルユタカ"にとって、種をまくのがギリギリの時期。
そこで、『TOKIO-BA』の現地スタッフ・タカシさん、番組スタッフも加わり、総勢8人で畝づくり。
「世界一うまいバーガーのため」という同じ想いのもと、一丸で取り組み、なんとか畝が完成。
「あとは種を植えて終わり」
植える深さは2~3㎝が目安。浅いと太陽の熱で焼けて芽が出なくなり、深いと土の湿気で腐りやすくなる。
3粒ずつ手で丁寧に種を植えていく。
1週間後、城島が確認に『TOKIO-BA』を訪れると…「芽が出てるよ!すごいね」
暖かい日が続いたためか、予定よりも早く発芽。順調に育ち、世界一うまいバンズ、作れるか?
一方、城島と松島は、以前、パティを学ぶために訪れた、恵比寿の『BLACOWS(ブラッカウズ)』の厨房をお借りして、ハンバーガーの味を大きく左右するパティの試作づくり!
パティの材料となる牛肉は、兵庫県で出会った黒毛和牛の最高峰・但馬牛。
優れた肉質は平安時代から評価され、今や全国の黒毛和牛99%以上が但馬牛の血を引く、黒毛和牛の原点。
その特徴の違う5種類の部位を自らの舌で食べ比べ、パティに使う、肉肉しさのあるスネと脂身の肩ロースを選んだ。
「肩ロースとスネの割合をどうするか」「肩ロースは赤身のバランスが絶妙、スネは弾力がある」
つまり、配合の割合いによって、作れるパティはまさに無限大。
しかも目指すのは、世界の名だたるシェフが集う、バーガーの世界大会での優勝!
日本の美味い!にこだわる、DASHバーガーのパティ。
イメージは「和牛本来の旨味を感じられて、肉肉しくて何度も食べたくなる、リピ確パティ」
まずは、その黄金比となる配合を探る。
それぞれの部位をミンチ機で挽いていくが、ミンチのサイズでも食感が大きく変わる。
「肉肉しさをハッキリ出したい」という狙いのある松島は、粗めの6.4mmサイズをチョイス。
まずは、スネ5:肩ロース5の半々の割合で作ってみて、そこから調整していくことに。
ミンチ肉をセルクル(円形の型)に入れて延ばし、味付けは塩胡椒のみで焼いてみる。
その出来栄えは…「美味しいんですけども、肩ロースが強い!脂の主張が激しい」
5:5では、肩ロースの強烈な脂の旨みが、スネの肉肉しさを消してしまったか…?
ならば、と挽き目は変えず、肩ロース3:スネ7と、割合いだけ変更。今度はどうか?
「美味い!めっちゃ肉肉しい!後からジュワ~っと脂も!」
「肉肉しいのに噛めば噛むほど、肉汁がブワ~っと押し寄せてくる!絶対コレやって!」
しかし、パティの天才・松島はまだ納得いかず。
「コクを出すためには、粗さが小さくてもいいかも」
「肩ロースを細かくしたら食感変わるかも」
肩ロースだけ、先ほどの半分の3.2mmで。細かくすることで、口当たりが滑らかになり、脂の旨みだけでなく、コクをより感じやすくなると予想。
2回目と同じ、7:3の割合で作ってみると…「う~ん…一個前に食べた、後からくるインパクトがない」
「単調になってしまった。さっきは物語があった。噛んでから、赤身の旨み…肉汁ブッシャー」
つまり、2回目の方が、より味の余韻を感じられていた。
その後、割合や挽き目を細かく変えてアレコレ試した結果…「一択です」
城島も物語を感じた、肩ロース3:スネ7で、共に6.4mmで挽いたパティにひとまず決定!
そして、パティだけではなく、一度ハンバーガーとして味わってみたいということで、峰屋さんから頂いたバンズ、以前お世話になった農家さんから頂いた淡路島の新玉ねぎ、同じく淡路島の肉厚レタス、メロン並の糖度を誇る、長崎・大島トマトなど、あくまで試作用だが、どれも自分の目で、舌で、見て味わった日本の美味い食材を使ってバーガーづくり!
こうして、出来上がった記念すべき最初の試作!その出来栄えは…
「ムッチャクチャ美味しい!びっくりするくらい美味しい!」と城島。
そして、パティの天才・松島が分かりやすくその味を分析すると…
「赤身と脂の旨味が最初に来て、スネの弾力が残り続けて、バンズの甘みが残って、最後に野菜のフレッシュさが来る。だんだんバトンタッチしてくけど並走してる」
しかし、城島には気掛かりなことが…「僕らは美味しいって言ってるけど、結局は世界目指してる」
つまり、「世界の人は どういう評価を出すか?」
そこで、世界へ通じるのか!?覆面調査!
しかし…食べた人の手が止まってしまった…!?一体どうなる?