畳の魅力を再発見!畳の構造には生活を快適にする機能が【2024/4/28 所さんの目がテン!】

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畳の魅力を再発見!畳の構造には生活を快適にする機能が【2024/4/28 所さんの目がテン!】
畳の魅力を再発見!畳の構造には生活を快適にする機能が【2024/4/28 所さんの目がテン!】

4月28日(日)放送の日本テレビ「所さんの目がテン!」は「畳の科学」。日本文化には欠かせない畳の魅力を再発見しました。

畳の機能性の秘密

畳はもともと植物で編んだ敷物が起源と言われています。奈良時代から平安時代にかけて、木でできた台を敷物でくるむ現代の畳に近いものが登場し、江戸時代中期以降には全国的に庶民に普及していきました。

ところが現代ではイスとテーブルでの生活が主流になったことで、畳の材料の生産量が減っています。しかし畳には、あらためて見直すべきたくさんの魅力があります。

きょうきょうこと湯上響花は、畳の機能を調べるため北九州市立大学へ。畳の機能について研究している北九州市立大学 国際環境工学部 森田洋教授を訪れました。

森田先生はまず畳の断面を見せてくれました。畳の中の部分は畳床と言い、わらでできています。畳床の上に張ってあるのがいぐさで編まれた畳表です。畳床という土台の上に畳表を張り、畳縁で抑えるという構造になっているのです。また、近年ではわらの代わりに化学床と言われる人工の素材で作られたものも多く、それらは軽くて安いという利点があります。

畳の機能性の秘密は「いぐさのスポンジ構造にある」と森田先生。いぐさは湿地や水辺に生えている多年草で、生産量は熊本県が9割以上。特に八代市周辺で栽培されています。

表皮をとったいぐさにはスポンジのように隙間が。顕微鏡で見ると断面には無数の穴が空いています。

このスポンジ構造による畳の機能の一つが調湿効果。「夏場の和室って涼しく感じません?」と森田先生。「それは、畳表が湿度を調整してくれている」「スポンジは水をたくさん吸いますので、それと同じように夏場は部屋の中の湿度もしっかりと吸ってくれる。逆に冬場は乾燥しますから畳表から水分が出ていく。だから天然のエアコンなんです」と森田先生。

この機能を一般的な樹脂塗装のフローリングの部屋と畳の部屋を再現した空間を用意し、実験。お湯を入れたビーカーを入れ密閉し、湿度の変化を観察していきます。

スタート時点では2つとも湿度は28%。湿度はすぐに上昇し開始約12分で、フローリングの部屋は湿度80%を超えました。畳の部屋も77%と高い数値です。

しかしその後畳の部屋の湿度は下がっていき、約40分後には58%に。 一方フローリングの部屋は、80%と高い数値のままでした。

そして、畳床に使われているわらにも調湿機能があるそう。わらの断面は、いぐさとはまた違った形のスポンジ構造になっています。

森田先生は「稲わらの方が穴の大きさが大きいので水を吸うスピードが早い。ただ(水分が)出ていくのも早い。いぐさはその逆なんです」「いぐさと稲わらはベストパートナー。お互いの長所欠点を補います」といいます。畳にはこの2つの自然素材によって、高い調湿効果があったのです。

もう一つの畳の機能は吸着効果。これにより有害物質を吸着してくれるといいます。

その効果を実感するため実験。密閉可能な2つの容器を用意し、両方にアンモニア水を染み込ませた布を入れ、一方はそのまま密閉し、もう一方はいぐさを入れてから密閉。果たしてアンモニアの刺激臭はどうなるのでしょうか?

10分経過したところで再びニオイを嗅いでみます。いぐさのない方はアンモニア臭がニオイますが、いぐさのある方は、いぐさのスポンジ部分にニオイの物質が吸着するためアンモニアの刺激臭がしなくなったのです。このように、畳には住み心地を良くしてくれる優れた機能がありました。

京都の畳職人のもとへ

さらに畳のことを知るため、京都の「片山タタミ店」の四代目 片山賢さんを訪ねました。

畳職人の作る畳は、畳を敷く部屋のサイズを採寸し、それに合わせオーダーメイドで作っていきます。家にあるほとんどの部屋は見た目ではわからない歪みがあり、すべてが正確な直角でできているという部屋はありません。そのためオーダーメイドが必要となってくるのです。

畳の構造は、芯にあたる畳床、表面のゴザ部分の畳表、畳縁というもの。

畳床は地元の農家から仕入れたわらを専門の畳床職人が機械で圧縮して作り、畳表はいぐさを栽培している農家さんが自ら専用の機械で織り上げて作ります。その畳表を畳床に張り、畳縁をつける作業を行うのが畳職人です。

今回は番組のために用意してもらった畳を使い、実際の作業と同じ手順で作ってもらいます。

まずは板に穴をあけ、畳の土台に縫い付けていく作業。「かまちの強度と寸法を決めるために縫っていきます」と片山さん。

かまちとは畳縁のない部分。畳床にヒノキの板を補強材として縫い付けていきます。段差ができないよう、先が薄くなっています。

板と畳床を糸で縫い付けるために穴をあけます。そして部屋に合わせた畳のサイズにカットした後、板を縫い付けていきます。畳床の横から、先ほどあけた穴にむかって針を入れ、上から通すことを繰り返していきます。

ぎっしり詰まった稲わらに上から針を通すには強い力が必要です。きょうきょうも挑戦しますが、あまりにも硬くなかなか刺せません。上から針を刺す作業にも挑戦しましたがコンクリートほど硬く縫うことができませんでした。こうして体験すると、職人さんのすごさが改めてわかります。

そして縫った糸を、さらにきつくしめていきます。畳表を張ると見えなくなる箇所ですが、ここを丁寧に行うことでぴったりと収まる畳になるそうです。

続いて畳床に畳表を張っていきます。この時に、重要なのがいぐさを畳床と畳表の間に入れていくこと。そうすることで板を縫い付けたことによる段差が目立たなくなるのです。

そして、かまちを縫い付けた時と同様に畳表と畳縁を縫っていき、畳が完成。

片山さんは「手で縫ったほうがしっかりとしたものなので仕上がりが違う。土台がしっかりしていると畳表だけ変えていただいたら何度でも使える」と言います。

自然の素材で作られているからこそ何度も修繕して使える畳。そのすごさがわかる畳が、京都にある大徳寺にありました。現在大規模な修理を行っており、その際あった驚きの発見を京都府 文化財保護課の竹下弘展さんに教えていただきます。

それは畳の裏に書かれていた文字。「寛永十三 丙子年 結夏日 久兵衛」という、1636年4月15日の日付と、職人さんの名前。

つまりこれは約390年前の畳。赤外線カメラで見てみるとうっすらですが、その文字が見えます。

現役の畳としては最古のもの。畳表と畳縁は張り替えていますが、畳床は当時のものが残されています。

さらに竹下さんによると「今回の修理でも、畳を修理して再使用することになっています」とのこと。修理したものは、畳床の裏にこもと言われるゴザのようなものを重ね、表面は稲わらを足して平らに。「修理を通して日本の技術を伝えたい」と竹下さん。

そして、そんな畳職人の手仕事を守るため活動を行っている一般社団法人 文化財畳技術保存会も訪れました。

代表理事の磯垣昇さんによると「職人がものすごく激減しています。今まで畳=わら畳だったが、稲わらをとる米作りのシステムが変わって、稲わらがなくなってしまった」「畳の良さをわかっていただきたいし、それを残していきたい」と磯垣さんは話します。

はるか昔から現代まで受け継がれてきたこの畳の文化、見直していきたいものです。