<コラム>『新宿野戦病院』しのぶさん(塚地武雅)のエピソード、珠玉過ぎで涙…良質な医療ドラマの中に喜怒哀楽のすべてが詰まってた!

公開: 更新: めざましmedia
<コラム>『新宿野戦病院』しのぶさん(塚地武雅)のエピソード、珠玉過ぎで涙…良質な医療ドラマの中に喜怒哀楽のすべてが詰まってた!

 

<コラム>『新宿野戦病院』第7話

ヨウコ(小池栄子)の、白木さん(高畑淳子)に対する“呼び間違い”のくだり…。

最近、なんだか、ちょっと、ちょっとだけだけど、飽きてきたな…(おい!)なーんて、思ってたところ、まさか、そんな視聴者の、いや、そんな僕の、“飽き”を、予見していたかのように、すぐさま、実は、それは、ヨウコの“ボケ”でした~!!(そらそうなんだけど)ってのが発覚!!

だけにとどまらず、そこから、ハートウォーミング要素と思われたマユちゃん(伊東蒼)の彼氏が登場して(彼氏ができた!って聞いただけで、おじさん、泣きそうだったよ…涙)、その彼氏が、なんとヒゲのインド人・シラキさんで、その、シラキさんでもって、後半、緊迫と人情が、絶妙に混じり合った、とてつもなくスリリング&センチメンタルな、手術シーンで、まさか、新たな角度の、“呼び間違い”(=白木/シラキ)がぶっこまれて、爆笑を挟んでくるとか、それって、一体、どういう、テクニックなんですか!?(誰に)

で、これ、僕、つい思い出しちゃったんだけど、同じく宮藤官九郎さん脚本の『マンハッタンラブストーリー』(2003年/TBS)において、恋の矢印が苗字のイニシャル…ABC順になって展開するっていうお話で、その中盤、EからFへの矢印が混沌としてしまったとき、蒲生(がもう:G)くんが、蒲団(ふとん)だったら、Fなのに!!とかいうくだりがあって(説明ヘタか)それを、白木/シラキさんで、思い出した!(なぜ)

いや、この、名前のくだり、蒲生と蒲団、白木とシラキ、最初から、考えて、たんですか!?これを見越して、白木さんっていう、苗字を、当てはめてたん、ですか!?うん、もう、どういう、どういう、テクニックなんですか?!(たぶん、宮藤官九郎さんに聞いてる)

でもって、前回の、「オヤジでもぶたれたことあるのに!!!」(by享:仲野太賀)というパワーキャッチーフレーズに続いて、中盤に繰り広げられた、登場人物も視聴者も誰も興味がなさそうななかで展開された、田島先生(馬場徹)の「泌尿器科の医師になった理由」のくだりで放たれた、享の「おしゃれクソポリス(=岡本:濱田岳)が!」からの「“ミミズとおちんちん”の間に、“カルチャー”ねじ込んできやがって!!」という、超ウルトラヘビー級、パワーキャッチーフレーズ!!!!!

前回と今回の、“その場面”、あまりにワードが強すぎて、刺激的過ぎて、だからこそ中毒性があって、あの刺激を何度も体感したくて、ついつい、何回も繰り返して見ちゃったよね…?ね!?(誰に)

しのぶさんのぶっきらぼうな言動は、認知症の母のために、母へのやさしさで演じていた…だなんて…(号泣)

はい。っというわけで(?)そんなこんな、いつも以上の、いつにも増しての、抱腹絶倒の爆笑シークエンスの数々は、後半も後半に待ち受けていた、しのぶさん(塚地武雅)のエピソードへつなぐための緩衝材…より物語に深みを与えるための緩急…だったとはね…。

だってだって、しのぶさんのエピソード、珠玉過ぎて、涙、止まんなかったものね…。

うん、だけど、僕、実を言うと、前回ラストで明かされた、しのぶさんの別の顔…。ドラマラストの“引き”としての衝撃よりも、なんだか、すごく、違和感をもっちゃったんですよね。

それはなぜかというと、しのぶさんって、ペヤングばっかり食べてるけれど(それは関係ない)、物言いはすごく上品だし、語学も堪能で知性もあるし、いくら自分を隠している?…とはいったって、あんなぶっきらぼうな人に豹変するかな?自分を自分らしく!!って、きっと生きてるはずの人が、隠す?…まではわかるとして、あそこまで、豹変=自分を捨てられるのかな?って、すごく違和感を覚えて、なんだかしのぶさんというキャラクターを勝手に知ったような気になって、リアリティなくない?なーんて思っちゃってたんですよ…。

だから、前回ラストで、しのぶさんの別の顔…という衝撃で次回へつなぐにしても、ちょっと、その引きの衝撃度優先で、ドラマティックな展開を用意するためだけの、ご都合優先みたいじゃない!?…大丈夫かな…って、勝手に心配していたのです。

だけどだけど、まさかまさか、その豹変して見えた、ぶっきらぼうな言動は、認知症の母のために、亡くなったぶっきらぼうな父を、しのぶさん自身が、母へのやさしさで、演じていた…だなんて…(号泣)。う…うん…もう…これ…どういう、どういうテクニックなんですか?!(しつこい!)

いや、このお話を、“テクニック”とか言っちゃうと、とてつもなく作為的な意味に捉えられてしまいそうだけど、全然そんなことはなく、まさかまさか、あの、ペヤングが盗まれたことに憤って、監視カメラ映像に手を出すまでの執念を見せた、あの、あの、しのぶさんの回が、こんなにも、涙が止まらない回に仕上がるだなんてさ…聞いてませんよ??

しかも、今回は、前半の笑いに加えて、しのぶさんのお母さんを発端にした自転車事故による医療描写、そして、母と子の人情物語、なんなら、享のあのくだりも、岡本に激ギレしてたわけだから、すなわち、それは、この第7話では、良質な医療ドラマの中に、“喜怒哀楽”のすべてが、すべてが、詰まってた!!

そしてその、“喜怒哀楽”のすべてが、高いところに位置して成立していた!!!っという、奇跡!!!奇跡のテクニック!!!(テクニック言うな)

うん、っていうか、世の中の事象なんでもそうだけど、この人はこういうキャラクターだからとか、こういう性格だからとか、こっちが勝手に決めつけてしまって、自分の思いや想像と少し違ったからって、拒否反応を示したり、ましてや真のリアルも知らないくせに、リアリティがない!だなんて、決めつけるもんじゃ、ないですよね…。はー、今回は、特に、特に沁(し)みたわ…。

っと思ってたら、次回は、爆発事故!?って、このドラマ、どこへ行っちゃうの!?