「原動力はパッション」子宮がん執刀数5000超の婦人科医・金尾祐之の信念と覚悟

公開: 更新: MBSコラム

子宮がんでチームとして日本一の手術数を誇り、これまで良性・悪性あわせて約5,000人の手術を担当してきた日本最高峰の婦人科医・金尾祐之さんが、1月29日放送の「日曜日の初耳学」の人気企画<インタビュアー林修>に登場。日々命と向き合う中で大切にしている思いを打ち明けた。

■原動力は"パッション"

子宮がんの中でも特に重症化しやすい子宮頸がんの腹腔鏡手術を行っている金尾さん。子宮がんではチームとして日本一の執刀数を誇るが、今も手術の執刀前日には練習を欠かさない。

林先生に「前より腕が上がっているなと思うことは?」と問われると、「毎日ありますよ。今でもまだまだうまくなっているんじゃないかと思いますし、そのトレーニングもしているつもりです。僕らはすごく責任のある仕事をしているんですよね。なので、成長しないとそれは失礼」と気を引き締める。

それほどまでに厳しい姿勢で仕事に臨む金尾さんの原動力は、「どれだけこの患者さんを助けたいか、っていうパッション」だという。医師という仕事に情熱を持って取り組み、徹底して患者に寄り添っている。

大切にしているのは、「症例を重ねていくと、その症例をOne Of Them(たくさんのうちの一つ)と捉えてしまいがちですが、患者さんにとってはOnly One。そこの乖離ができてしまうのは絶対よくない」という思い。すべての患者を自分の家族だと思って執刀する。

■「命を救うこと」を大切にする理由

子宮頸がん手術の主な治療法は「放射線」と「手術」だが、一般的には放射線を当てたあとに手術をすることは禁忌とされているという。

それゆえ、「腹腔鏡を使って手術をすることで、助けられる命もある」という金尾さんの姿勢は、業界内から批判を浴びたことも。だが"命を救うことが何より大切"という金尾さんの思いは揺るがなかった。

批判されても「(手術の検討を)やめるっていう選択肢はなくて。(リスクが大きくても)そういう"方法"があることを患者さんに提示するっていうのが僕は大事だと思う。それは医師の責任じゃないかな」と金尾さん。リスクもしっかりと伝えた上で、患者が主体的に判断できるよう、手術も含めて幅広い選択肢を提示する努力をしてきた。

金尾さんは患者一人一人の"生きたい理由"に寄り添い、手術と向き合っている。「自分のために手術を選択する人って少ないんです。大半は"子供が成人するまでは生きていたい"とか、自分のまわりの家族のために長生きしたいっていう患者さんなんです」という。

■「手術をやる心構えを教えてくれた」父への思い

徹底して患者とその家族に寄り添う金尾さん。その背景には、自分自身が"患者の家族"の立場に立った経験があった。

医師になって4年目、医師だった金尾さんの父親が病に倒れた際、病院に駆けつけた金尾さんは父親の願いで手術室の中に通され、手術を見守った。「(手術に)立ち会って、思ったことは一つ。"執刀の先生の手は神の手だ"。家族って本当に、そういう思いで手術を見るんです」

そして、「手術をやるっていう心構えを教えてくれたんじゃないかなと勝手に思ってるんですよ。患者さんには家族がいて、その家族はそういう思いでお前の手を見ているんだと」。立ち会いを望んだ父の本心に思いを馳せる。

今も、そのとき感じた"患者の家族"としての思いを大切にしている。「僕らが『これが正しい』と思って勧めても、それが患者さんにとっては正解じゃないこともある。『手術を受けるより子どもの卒業式に出たい』と考える人もいるかもしれない。そういう多様性は医者も理解しないといけない」と金尾さん。

「それが患者さんにとっての正解なら、それを全面的にサポートする。そういうことが必要なのかな、と最近すごく思います」。父が教えてくれた"患者とその家族"の視点を胸に、金尾さんは今も患者に寄り添う医療を貫いている。


1月29日放送「日曜日の初耳学」より、<インタビュアー林修>の婦人科医・金尾祐之編と木村拓哉編(前半戦・後半戦)がTVerで見逃し配信中!

金尾祐之編<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!※2月5日(日)21:59終了予定

木村拓哉編・前半戦<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!※2月5日(日)21:59終了予定

木村拓哉編・後半戦<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!※2月5日(日)21:59終了予定

「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
公式HPはこちら。

PICK UP