秋元康が語った!ブームを生み出す仕掛けは「共犯意識」と「マイナスのエネルギー」

公開: 更新: MBSコラム

日本を代表するクリエイター・秋元康氏が11月13日放送「日曜日の初耳学」の人気コーナー<インタビュアー林修>で自身の仕事術を大放出。林先生を聞き手に、“スターを生み出す法則”から“ブームを生み出す仕掛け”まで幅広く語った。その驚くべき“頭の中”とは?

■スターを生み出す法則は「わからない。ただ...」

アイドルムーブメントから美空ひばり「川の流れのように」(1989年)など、手掛けたエンターテインメントは幅広い。

そんな秋元氏に林先生が"スターを生み出す法則"を尋ねると、答えは意外にも「全然わからない」。しかし、秋元氏は続けて「ただ、僕は『この人をスターにしよう』となってからはプロデュースできる。なぜかというと、プロデュースとは0を1にするのではなく、0.1を磨いて1にすることなんです」と持論を展開した。

磨けば光る"0.1"を持った人材を発掘するため、意識するのは「(前のスターと)同じような場所からスターは出ない」、「エピソードを盛りたくなる、語りたくなるのがスター」という2点。その目線で、数々のスターを育ててきた。

■「遊びから生まれる」作詞術

作詞家として4500曲以上を書きあげ、累計売上数1億6,000万枚は歴代作詞家として日本一、という実績を持つ秋元氏。

ユニークな歌詞や企画アイデアの多くは、遊びの中から生まれるという。とんねるずの大ヒット曲「ガラガラヘビがやってくる」は深夜の雀荘でたまたま流れていた西部劇がヒントになったし、仲間うちの食事会での"苦手なものの話"をきっかけに、人気バラエティ番組の長寿コーナー「食わず嫌い王決定戦」が誕生した。

言葉選びで特に意識しているのが、「どこで『えっ』と思ってもらえるか」。聴く側に"それは何?""初めて聞いた"といった違和感を生むような言葉が「キャッチーになる」と考えている。

■ブームを生み出す2つの仕掛け

林先生は、 "ブームを生み出す仕掛け"についても突っ込んだ。

秋元氏が大事にする仕掛けの一つが、知っている人だけが持つことができる"共犯意識"。たとえば「夕やけニャンニャン」で国生さゆりが「今日は新田恵利ちゃんは中間テストでお休みです」と報告したシーン。秋元氏いわく「それを見ている中高生も中間テスト期間なんです。『新田恵利ちゃんも俺も中間だ』っていうシンパシー、こういうのがすごいな、当たるなと思った」という。

そしてもう一つ、大事にするのが"マイナスから生まれるエネルギー"。たとえば秋葉原のAKB48劇場には、視界を遮る2本の太い柱がある。劇場としてはデメリットだが、秋元氏は「逆に面白い」と感じたという。

柱があることで「(見にくかったから)また来たい」という気持ちをかき立て、自分の推すメンバーがどの席だと見やすいかファン同士で情報交換が始まる。「マイナスがあったほうがストーリーになりやすい」という、逆転の発想だ。

■「面白いと思ったらまずやってみる」

「人脈はつくるものではなく、気づいたら後ろにできているもの」とも語った秋元氏。その言葉を裏付けるように、この日の放送には乃木坂46の齋藤飛鳥、親交のある福山雅治、フジテレビの港浩一社長までもが登場し、エピソードを語った。

人を動かすのは、「面白いと思ったらまずやってみる」という姿勢だ。TBSで放送中のよるおびドラマ「差出人は、誰ですか?」の企画・原案も担当。ヒロインは、秋元氏が参加する「TBSスター育成プロジェクト」のオーディションで発掘した。

その根底にある哲学にふれ、林先生は「誰が勝てます?まだまだ無敵の進撃が続くんじゃないかなあと思いましたね」としみじみ語った。


11月13日放送「日曜日の初耳学」より、秋元康がその作詞術やプロデュース哲学について語ったインタビューを収めた<インタビュアー林修>がTVerで見逃し配信中!

秋元康<インタビュアー林修>のTVerはここをクリック!

※11月20日(日)21:59終了予定

「日曜日の初耳学」はMBS/TBS系で毎週日曜よる10時放送。
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